パンデミックで国内ペトロール価格記録的な安値に

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旅行規制と産油国の供給過剰で原油価格暴落

 2020年4月、コロナウイルス・パンデミックによる旅行規制と世界の産油国の供給過剰が重なり、国内5大都市のペトロール価格が記録的な安値になった。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 この4月、給油所での市場価格は、シドニー、メルボルン、ブリスベン、アデレード、パースの5つの州都で1リットルあたり平均$1.02になっていた。

 消費者保護機関の豪州競争消費者委員会(ACCC)がまとめたデータで、インフレ修正月間平均ペトロール価格は、小売価格監視制度が始まった1991年5月以来最低の価格になっている。

 ACCCのロッド・シムズ委員長は、「2020年初めの何か月かの間ペトロール価格が急激に下がったのは国内ドライバーにとっては朗報だった」と述べている。

 2020年3月、産油国のサウジアラビアが他の産油国に対して原油産出量を引き下げるよう要請したがロシアがこれを拒否したため、サウジアラビアが増産でロシアに対抗し、原油価格を引き下げるという争いがあった。そのため、市場にはコロナウイルス蔓延で需要が下がっているところに必要量を超えた原油があふれた。

 オーストラリアが採用しているブレント原油価格が3月には1バレルあたり$US30まで下がった。これは過去20年で最低の価格だった。また、4月にはアメリカのWTI原油価格もごく一瞬であったがマイナス価格の世界に入った。

 シムズ会長は、「国際精製油価格は通常2,3週間してから国内大都市の小売価格に反映してくる。また、小さめの州都や郡部地域ではさらに遅れが出る」と語っている。

 ただし、「国内ペトロール需要がコロナウイルス社会規制のために著しく低下したことで、それ以前に高い相場で買い取った石油を売り尽くすまでに時間がかかったことから原油価格の安値が自動車燃料のペトロール価格に反映するまでにいつもより時間がかかっている。

 ACCCによると、4月の国内ペトロールl販売量は、2019暦年月間平均販売量と比べると43%落ち込んでいた。

 また、価格追跡ウエブサイトのFuelPrice Australiaによれば、給油所での現行レギュラー無鉛ペトロールの価格はシドニーで1リットルあたり$1.11 メルボルンでは$1.10となっている。
■ソース
Pandemic drove Australian petrol prices to record low

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