メルボルン・サンシャインコースト再開後唯一の乗客
ジェットスター社のメルボルン・サンシャインコースト線復活初飛行に乗客が女性ただ一人だったということだけでも話題になるが、サンシャインコースト空港には警察官や取材陣が待ち構えており、警察官に伴われて2週間の宿となるホテルに直行した。女性は、「2週間分のホテル代など払えない」と悩んでいる。
ABC放送(電子版)が伝えた。
この乗客はブリスベン在住のモーリーン・エリスさん(61)で、7月6日、到着し、ゲートを出たところで警察官、メディア、QLD州保険局職員の出迎えを受け、「圧倒された。まるで囚人になったような気分だった。ホテル代と食費などとても払えない」と語っているが、サンシャインコースト警察は、「メルボルンから到着した乗客はすべて自己負担で14日間の隔離が義務づけられている」と発表している。
ジェットスター発表によると、そのフライトは3月に途絶えて以来初のフライトで186人を乗せることができるが、乗っていたのは乗員とエリスさん1人だった。
飛行機が到着する前に、サンシャインコースト警察署のクレーグ・ホーキンズ警視が空港で記者会見を開き、「警察とQLD州保健局職員は、確実に乗客全員を自己負担で14日間のホテル隔離に入らせる」と発言した。
その後、エリスさん1人が現れた。
それまで、エリスさんは、空港から5分の距離にある自宅まで義妹に迎えに来てもらうつもりだったが、すっかり計画が崩れ、警察官にはバンに連行され、そこで病院のマスクをした人々に付き添われてカワナのホテルに運ばれた。
エリスさんは、自宅で自己隔離するのだから帰宅できるはずだと主張したが容れられず、検査もないままホテルに収容された。
ホテルの客室前廊下には2人の警察官が24時間警備で張り付いており、部屋を出ることができるのはバルコニーでタバコを吸う程度だとしている。
エリスさんは、重要な用事と家族再会で10日間メルボルンに出かけていたが、メルボルン都市圏のコロナウイルス蔓延が激しくなってきたため、急いで適当なフライトを予約しただけだった。エリスさんはWorkCoverの給付金が唯一の収入で、食事込みで1日200ドルの宿泊費を負担することはできないと嘆いている。
また、フライト前日の5日にQLD州保健局に電話で問い合わせ、2週間の自宅隔離で済むと確認を取っていたが、空港に着いてみるとまったく事情が違っていたという。
7日の同じフライトでは4人の乗客が到着しており、同じホテルで隔離に入っている。
ジェットスター社は、「この路線への連邦政府補助金が止まったため、もう当分メルボルン・サンシャインコースト間のフライトはない」と発表している。
■ソース
Lone Melbourne to Sunshine Coast passenger flies into hotel quarantine under police guard