外来種のマスに食べられて生息数減少
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オーストラリア連邦環境・水資源省は22日、南部ビクトリア州で絶滅が危惧されている淡水魚「ギャラクシアス」5種の保護に70万豪ドル(約6,700万円)を投じると発表した。総額2億2,450万豪ドルの「オーストラリア固有動植物保護事業」の予算から拠出する。
ギャラクシアスは、オーストラリアやニュージーランドなど南半球の川や池に生息する淡水魚。自然史博物館「オーストラリア博物館」(シドニー)によると、国内には5類22種が生息している。見た目はドジョウにも似た細長い円筒状の魚体が特徴だ。
連邦政府は、このうちビクトリア州ギプスランド地域に生息する5種を対象に、保護プログラムを実施する。いずれも体長10センチ以下と小型で、外来種であるマスの格好の餌となり、駆逐されているという。
それぞれの種について、マスが繁殖していない3つ以上の生息地を見つけ、施設で人口的に孵化させた稚魚を放流する。同省は「マスの侵略、干ばつや森林火災などの自然災害からギャラクシアスを守り、絶滅のリスクを軽減する」としている。
タニヤ・プリバーセック連邦環境・水資源相は声明で次のように述べている。
「生物の大きさにかかわらず、私たちは絶滅危惧種を保護する戦いを続けなければいけません。マスやネコ、馬などの侵略的な動物は、オーストラリア固有種にとって最大の脅威となっています。緊急で取り組まなければ、これらの魚たちは絶滅してしまうのです」
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