バリラロ国民党州副首相の進退問題も予想
NSW州議会に上程されているコアラ棲息地保護政府法案をめぐって、法案修正を要求する国民党のジョン・バリラロ州副首相らが「このままでは国民党議員は保守連合を抜け、議会で反対票を投じる」とグラディス・ベレジクリアン自由党州首相を脅迫していたが最終的に国民党が脱退を思いとどまることで分裂を回避した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
反旗を下ろしたバリラロ州副首相は、「素晴らしい日だ。素晴らしい成果だ」と豪語したが、一旦は反旗を翻し、さらにその旗を降ろしたバリラロ氏がこのまま州副首相の座に留まることができるかどうかが疑われている。
農家を代表する国民党は、「コアラ保護法案が通過すれば農家の土地利用が大きく妨げられる」と不服の声を挙げていた。そのため、ベレジクリアン、バリラロ双方がにらみ合いを続けていた。
国民党議員団は、保守連合政府の法案支持をやめると迫ったが、同時に保守連合内閣閣僚の席を維持したいと要求していた。
これに対してベレジクリアン州首相は、「政府法案に反対しながら政権内に留まるということはあり得ない。どちらかを選べ」と迫った。9月11日、バリラロ州副首相がベレジクリアン州首相に、保守連合に留まり法案を支持すると伝えることが分裂はひとまず回避された。
また、双方の間で、今後の閣議で法案修正を話し合うことが合意され、バリラロ氏は「農村部の勝利。国民党も譲歩したが自由党も譲歩した」と豪語している。
野党労働党のジョディ・マッケイ党首は、「一旦自由党との連合政権に反旗を翻したバリラロ州副首相が折れて屈辱的な降伏をしたとなると保守連合政権そのものの維持が疑問になる」として、来週の州議会で政権不信任案動議を提出する考えを明らかにした。
また、「バリラロ氏はこれまでも保守連合分裂で威嚇したことがあり、ベレジクリアン州首相はその際にバリラロ氏の手綱を締めておくべきだった。この政府はもう不安定な機能不全になっている。バリラロ氏は州民が安定した政権を必要としている時に政権を危うくする行動を続けるだろう」と語っている。
■ソース
NSW koala policy stoush between John Barilaro, Gladys Berejiklian ends with Coalition agreement remaining