「ヘリに乗せきれないアフガン捕虜を現場で射殺」
10月21日、元米軍海兵隊員(USMC)が、「アフガニスタンで、アフガン捕虜を基地に連れ帰るヘリコプターの定員が捕虜の数より1人少なかったため、豪国防軍特殊部隊(SAS)隊員がその場で捕虜1人を射殺した。これは戦争犯罪行為ではないか」と発言している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
また、ある米海兵隊員は、「アフガニスタンで、豪兵は、行く先々に火災と死体を残していくと言われていた」と語っている。
ABC放送の取材に応じたこの元海兵隊員ジョッシュは、第469軽攻撃ヘリコプター飛行隊(HMLA-469)で159回出撃しており、ABC放送に対して写真を掲載してもいいが、報復を恐れて本名は出さないようにと要求したと伝えられている。
事件は2012年に起きており、ヘルマンド州のバスチオン・キャンプから北部の夜間作戦に出動した地上軍の豪軍第2特殊奇襲連隊を空から援護するため、ヘリコプターのドア・ガンナーを務めていた。作戦は、アフガニスタンでタリバンが資金源にしていたケシ栽培密輸活動を叩くために、豪SASと米麻薬取締局(DEA)が合同で進めていた活動の一部だった。
「豪軍はめざましい活動ぶりで捕虜を一網打尽にしていた。捕虜は全員が後ろ手に縛られていた。そこで豪部隊が捕虜を運ぶために米軍ヘリコプターの出動を要請した。捕虜は7人いたが、米軍ヘリコプターには6人しか乗せられなかった。パイロットが、そんなに乗せられない、と言ったところ、ちょっと静寂が続いて、発射音が聞こえた。その後で豪兵が、『オーケー。これで6人になった』と言うのが聞こえた。だから、現場に居合わせた者には、誰かが捕虜を1人殺害したことは明らかだった。みんな、そこで捕虜が7人後ろ手に縛られているのを目撃しているのだから。しかし、誰も、何が起きたのか一言も話さなかった。会話はすべて録音されているからだ。誰もが何が起きたか知っていたし、厄介ごとに巻き込まれたくなかったからだ」と語っている。
さらに、「それまで、アフガニスタンの戦争で道徳的に正当化できない行為を見たことはなかった。明らかに戦争犯罪行為だった」と語っている。
これまでにも豪軍SAS隊員が非武装のアフガニスタン国民を殺害したという戦争犯罪容疑が浮かんでおり、捜査中の事件もある。
Joshは、「DEA職員と話したことがあり、その職員は、『豪SAS隊員とは二度と一緒に仕事をしたくない』と語っていた。英SAS隊員には自制があるが、豪SAS隊員は何かがおかしくなっていた」と証言している。
■ソース
US marine says Australian special forces soldiers made ‘deliberate decision to break the rules of war’