オーストラリア、豪海軍艦船の中東派遣を停止

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国際安全保障の焦点をアジア太平洋地域に移動

 10月23日、オーストラリア政府は豪海軍艦船の中東派遣を停止すると発表した。オーストラリア政府は、国際関係がアジア太平洋地域や対中国に比重を移していると判断している。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 中東に派遣されていた最後の豪海軍艦船のHMASトゥーンバは2020年6月に帰港しており、現在は豪海軍は一隻も中東周辺海域にはない。

 これまで豪海軍は30年間にわたり中東海域に艦船を派遣してきたが、現在はアジア太平洋地域における中国の活動と、対中国関係が戦略環境でますます不安要因になってきており、連邦政府が突然戦略地点を中東からアジア太平洋地域に移している。

 このような戦略の転換は、政府の最近の国防戦略アップデートに盛り込まれている。

 中国はアジア太平洋地域での海軍力拡大を強化し続けており、数か国の領土権主張が競合する南シナ海でも中国が一方的に制海権を主張するようになっている。

 リンダ・レイノルズ国防相が明らかにしたもので、現在、ホルムズ海峡で中東からの石油タンカーの安全航行を防衛している米国主導型の海軍合同パトロールも2020年末を限りにオーストラリアは豪海軍艦船を引き揚げることになっている。

 豪海軍艦船の中東派遣は、これまで反テロリズムと反海賊作戦を中心としていたがそれもオーストラリアはすべて手を引くことになる。

 レイノルズ大臣は、「2020年だけでも、豪海軍は、ブッシュファイア、コロナウイルス危機に出動、さらに東南アジア、太平洋地域には5隻を派遣しており、パシフィック・ステップ・アップに基づく国際治安以上活動も続けている」と語っている。
■ソース
Australia no longer sending Navy to the Middle East, shifts focus to Asia-Pacific, China

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