米大統領コロナウイルス顧問、VIC州を称賛
大統領選挙が迫っているアメリカでは民主党がマスク着用支持派で、共和党がマスク不要派として、コロナウイルス予防のマスク着用が政治表明のような形になっている。
ドナルド・トランプ米大統領のコロナウイルス問題顧問を務めながら、コロナウイルス対策についてはトランプ大統領と対立しているアンソニー・ファウチ博士が、VIC州政府の「公共の場所でのマスク着用義務化」を称賛している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
ファウチ博士もコロナウイルス蔓延初期にはマスク不要としていたが、その後、マスクがウイルス感染防止に効果があるとする実験結果が出されてきたことから、マスク着用支持に切り替えた。
ファウチ博士は、メルボルン大学のシティジ・カプール医学部長が司会を務めるパネル・ディスカッションで、ドハティ・インスティチュートのシャロン・リュウィン部長と討論している。
ファウチ博士は、「アメリカでマスク着用に対して猛烈な攻撃が起きていることは異様な事態だ。もし、アメリカの全州がコロナウイルス発生当初から世界的なコロナウイルス・ガイドラインに従って対策を取っていれば今のような事態にならなかっただろう」と発言している。
ファウチ博士はアメリカでもっとも信頼されている医学者と見なされており、パネル・ディスカッションで、オーストラリアとニュージーランドは、パンデミック対策で世界的にももっとも適切に対応してきたグループに入る。私はアメリカについてももっとも適切に対応してきたと言いたいところだが、患者数や死者数が雄弁に物語っている」と発言した。
ファウチ博士は、「アメリカの難しいところは、連邦政府がありながら、各州がそれぞれバラバラに行動することで、ある州が医学界の助言に基づいて対応しようとすると他の州は助言をまったく無視して行動する。アメリカ社会はテレビ・ニュースで見たとおりで、バーでは人々がマスク無しでひしめきあっており、スーパー・スプレッダーが紛れ込んでいるのも当然だ。これまでも、マスク着用、社会的距離、人混みを避ける、集まる時はできる限り屋外で集まる、手を洗うなどのガイドラインを提出してきたが守られていない。もし、アメリカ国民が一致してガイドラインを守っていれば今のような悲惨な状況にはなっていなかったと思う」と語っている。
ファウチ博士は、「マスク着用に関してアメリカ社会が分裂しているのを見るのは胸が痛む」と発言している。
■ソース
White House coronavirus advisor Anthony Fauci praises Victorian attitude to mask wearing