情報機関が内偵、外国情報機関との関係確定
連邦政府の情報機関、ASIOと連邦警察(AFP)が1年かけた内偵の末にメルボルン在住の男性(65)を外国勢力内政干渉防止法違反で逮捕した。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
AFPは、10月16日にメルボルン都市圏数か所を家宅捜索しており、「容疑者は外国の情報機関とのつながりがある」と発表している。男性は11月5日にメルボルン簡裁に出廷した。
AFPの発表によると、男性は外国勢力内政干渉防止法に違反する行為の準備をしていたとされ、有罪が確定すれば最高懲役10年が科せられる。
1年間捜査したのはASIOとAFPが主力になって外国勢力の内政干渉の摘発に当たる外国勢力内政干渉防止(CFI)タスクフォースで、男性と外国の情報機関との関係をさぐっていた。
AFPのイアン・マッカートニー副長官は、「2018年に連邦議会でこの法律が成立して以来、外国勢力内政干渉防止法違反で起訴されたのはこの人物が初めてだ。この人物が具体的に国内で外国勢力の内政干渉を始める前に検挙した。外国勢力による内政干渉はオーストラリアの国益を損ねる行為であり、我が国の民主主義の根幹に関わる問題だ。国内で腐敗と欺瞞の活動を行い、各政府の通常の外交関係を越えたところで我が国の内政に影響を与えようとするものだ。この事件はさらに捜査を続けている」と発表している。
9月にはAFPのリース・カーショウ長官が、「2018年に外国政府機関による隠密の内政干渉活動を防ぐ法律が成立して以来、外国政府機関の干渉や諜報活動捜査はAFPにとって重大な任務になった」と語っており、AFP職員に外国政府の隠密な内政干渉活動や諜報活動を捜査する新しい捜査班を設立するため、アメリカのFBIに協力を求めている。
■ソース
Melbourne man charged over foreign interference