マネー・ロンダリング見逃し事件などで処罰措置
シドニーの貨物埠頭跡地を再開発したバランガルーにクラウン・リゾーツが建設していた高層ビルは、12月に計画されていたクラウン・カジノの開業の禁止命令が出された。
ABC放送(電子版)が伝えた。
高層ビルは22億ドルをかけてクラウン・リゾーツが建てているもので、350室のホテル客室の他、バー、レストラン14店があり、最上階には中国などからの高額賭博客専用のカジノが開かれることになっている。
しかし、州の法定機関、独立酒類賭博管理局(ILGA)は、クラウン社がVIP賭博客のために設立した口座がマネー・ロンダリングに利用された可能性があると認めたため、「クラウンの賭博施設の営業を認めることは困難」として、営業停止を通告した。
ただし、ジェームズ・パッカー氏の経営するクラウン社がカジノ・ライセンスを保有することが認められるかどうかについては2021年2月まで審理ができない状態になっている。一方、バランガルー・タワーのクラウンの経営になるレストラン、バーの開業に関してはまだ交渉が続いている。
ILGAlは、クラウン・リゾーツ社が2021年2月から99年間のカジノ経営ライセンスを保有することの適格性をめぐって、コミッショナーのパトリシア・バージンSCに提訴していた。
その審理の最終段階の11月17日にクラウン側が、マネー・ロンダリングに利用されていたことを認める証言をしたため、ILGAが24時間以内にカジノ開店禁止命令を出したことになる。
ILGAのフィリップ・クロフォード委員長は、「昨夜まで何が行われているのかを的確につかんでいなかった。審理の終わり近くにギリギリになってこのような自供が出てきて驚いている。しかし、そのような行為をしてきたクラウンが来月にカジノを開くことはすっきりしない」と語っている。
さらに、「マネー・ロンダリング問題を話すと言うことはとりもなおさず、ドラッグ問題、児童性虐待問題、人間密輸やテロ活動資金源の問題と結びついている。そのクラウンのカジノ開業を見過ごすことができない」と語っている。
また、「カジノを除く他の事業の開業に向けて、クラウン側と話し合いを続けている。クラウン側はカジノを含めて徐々に開業していくことを臨んでいるが、ILGAはそれは認められない」と語っている。
■ソース
Crown Resorts banned from opening new Sydney casino at Barangaroo next month after money laundering bombshell