極右政党のレーサム議員記録的な修正案動議

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NSW州議会でエネルギー法案通過を妨害

 NSW州議会の極右政党、ワン・ネーション党のマーク・レイサム議員はエネルギー法案の通過を妨害するため、249件という記録的な修正動議を出している。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 グラディス・ベレジクリアン保守連合政府の提出したエネルギー法案は重要な法案で、議会では与野党から支持を受けている。

 しかし、NSW州議会のワン・ネーション党党首を務めるレイサム議員は、「2020年の電力インフラストラクチャ投資法案」を、ソビエト5カ年計画型の法案として、249件の修正動議を出している。ベレジクリアン州政権の試算ではすべての修正動議を審議すると83時間かかることになり、法案の78条項とで327回の議員投票が必要になり、今年中には終わらず、廃案に追い込む考えと見られている。

 緑の党、射撃遊漁農民党もそれぞれ4修正案を出しているが、法案そのものは原則的に支持している。

 また、州政権が審議延長を提案することもありえる。

 マット・キーン・エネルギー環境相は、2週間前に電力インフラストラクチャ・ロードマップを発表し、この地域にとっても州の産業にとっても一世代に一度のチャンス。今、立法化すればNSW州は世界全体のエネルギー超大国になる」と語っている。

 また、「エネルギー政策は党利党略で行うべきものではない。NSW州州民の最大の利益を考えて打ち出すべきものだ。議会でこの法案に反対する議員は雇用や電力価格引き下げ、NSW州の未来に反対するものだ」と語っている。

 レイサム議員の修正動議はいくつかの条項の個々の言葉遣いを削ったり、変更したりするだけのもので、法案を「2020年電力インフラストラクチャ投資、高信頼性電力供給技術中立法」とすべきだなどという動議まである。

 レイサム修正動議について、緑の党エネルギー・スポークスマンのデビッド・シューブリッジ議員は、「これらの修正動議は法案通過を妨害する目的であり、NSW州議会で徐々に存在理由を失っていく少数の怒れる老人達の大芝居に過ぎない。彼らは再生可能エネルギーの将来性を洞察することもできない」と語っている。

 現在の予定では、2035年にはNSW州には石炭火力発電所は1箇所だけになり、供給電力の大部分が風力、太陽光などのエネルギーでまかなわれるようになる。
■ソース
One Nation’s Latham pushes 249 amendments to stymie NSW energy bill

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