小惑星のサンプルをおさめ、SA州北部に
12月6日未明、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が6年をかけて50億キロの旅を終え、小惑星のサンプルをおさめたカプセルがSA州北部ウーメラ付近に無事着陸した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
着陸予定地点にはオーストラリアと日本の関係者が待機し、夜空の高度120kmに流れ星のような曳光を目撃した。
カプセルは高空で長い吹き流しとパラシュートが開き、地上に軟着陸した。夜が明けてから当局のヘリコプターが空中から捜索し、約2時間後に発見したと伝えられている。
JAXAの科学者は、この鉱物の分析で太陽系生成の過程や水などの物質がどこから来たのかを知る手がかりになるのではないかと期待している。
やはりオーストラリアSA州の荒れ地を着陸地点に選んだはやぶさ1は太陽系小惑星の地表の砂埃を採取してきたが、はやぶさ2は小惑星の地表下のサンプルを採取してきた。
カプセルに組み込まれたビーコンの信号電波でカプセルが、アデレードの500km北方、ウーメラの立ち入り禁止区域に無事に着陸したことが確認され、ヘリコプターが上空からパラシュートを目撃、午前9時に地上の関係者が回収、ウーメラ実験場に持ち帰った。
はやぶさ2が大気圏に突入後に摩擦熱で表面が燃焼する光は、クーバー・ペディ、アデレード、アリス・スプリングスなどからも目撃されたと伝えられている。さらにカプセルはオーストラリア国内で予備的安全検査を受けた後、来週早々に日本に送り返されることになっている。
はやぶさ2は2014年に種子島宇宙センターから打ち上げられ、4年をかけて大きな岩の塊の小惑星「りゅうぐう」に到達した。
豪国立大学のトレバー・アイアランド博士は、「50年前にVIC州マーチソン付近に落ちた隕石とほぼ同じ成分と予想している。このような隕石には多量の水とアミノ酸が含まれていることがあり、太陽系の生成過程や生物の由来のカギを握っている可能性がある」と語っている。
■ソース
Asteroid space capsule completes 5-billion-kilometre mission, touching down in a blaze of light in outback South Australia