中国、豪産ラム、木材の輸入を規制

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国際格付け機関、経済への影響懸念

 12月9日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、中国税関がオーストラリア産ラムと木材の輸入業者を規制したと伝えている。

 今後、オーストラリア産の蜂蜜、果実、医薬品が規制対象になる可能性も伝えられており、国際格付け機関のS&Pは、このオーストラリアと中国との間の貿易対立が経済回復を遅らせることにもなりかねないと警告している。

 オーストラリアの畜産業界にとっては牛肉の輸入規制に続く大きな打撃であり、2020年8月、コロナウイルス第二波がメルボルン都市圏を襲った際にアウトブレークが伝えられたAustralian Lamb CompanyとJBS Brooklynが中国市場への輸出を停止されている。両社はその後検査でクリアされ、業務を再開している。

 オーストラリア政府は、両社が中国市場に戻れるよう再交渉に努めたが、オーストラリアがコロナウイルス発生の過程を国際機関で調査することを提唱し、さらに香港問題で苦言を呈し、さらに南シナ海の環礁の軍事基地化に反対し、国防軍艦船に環礁付近を航行させたことで中国側は大臣級の窓口をすべて閉じてしまった。

 12月8日、中国国営の海外向けメディア、環球時報は、「武漢は2019年にオーストラリアから牛肉、エクアドルから海産物を輸入しており、コロナウイルスは冷蔵肉に付いて中国に入ってきた可能性がある」と報じた。環球時報はナショナリスティックなタブロイド紙で、「理論的には、コロナウイルスが外国から入ってきて武漢で初期のアウトブレークを引き起こした可能性があるが、証拠がない」と主張している。

 中国への輸入を禁止されたオーストラリア企業はQLD州のMeramist Abattoirが6社めで、理由は明らかにされていない。中国はオーストラリア産牛肉の26億ドルの市場であり、羊肉も年間7億5,000万ドルを輸出している。

 中国は11月にQLD、VIC領収の木材輸入を停止していたが、12月7日にはTAS、SA両州の木材輸入も規制した。

 サイモン・バーミンガム貿易相は、「中国の行為はWTO規則と2015年の中豪自由貿易協定に違反する可能性があると警告した」と述べている。
■ソース
China freezes out Australian lamb, hits timber with new bans

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