豪国内ユダヤ系女学校で生徒に性的虐待繰り返す
メルボルンのユダヤ系女子校の校長を務めていた時期に女生徒に性的虐待を繰り返し、その後、イスラエルに逃亡し、イスラエル国内の保守系ラビらの庇護でオーストラリアの司直への引き渡しを逃れていたマルカ・レイファー容疑者(54)は遂に引き渡しを逃れる法的手段がすべて尽きたことから、最高裁の判決を受けてイスラエルの法務大臣が、同容疑者のオーストラリアへの引き渡しを命じる書類に署名した。
ABC放送(電子版)が伝えた。
レイファー容疑者がオーストラリアに引き渡されれば74件の性虐待容疑が待っている。
イスラエル政府のアビ・ニッセンコルン法相は、「レイファー容疑者をオーストラリアに引き渡すのはイスラエルの道義的責任だ」と発表している。
レイファー容疑者は、2001年から2008年までアダス・イスラエル・スクールの校長をしていた時期に3人の姉妹に繰り返し性虐待を行っていたが、2008年に被害者3人がレイファーを相手取って警察に訴えを出す用意をしていることを察知するとオーストラリアからイスラエルに高飛びしている。
3姉妹の訴えに基づいてオーストラリア当局は2014年にレイファー容疑者引き渡しをイスラエル当局に要請したが、レイファーは精神障害を装うなど様々の法的手続きで引き渡し逃れを図ってきた。
2020年1月にはイスラエルの精神科医パネルが、「レイファー容疑者は引き渡しを逃れるために精神障害を装っているだけ」との鑑定結果を提出しており、最終的な判決に至った。
引き渡し日は明らかにされていないが、3人の被害者を代表する活動家のマニー・ワクス氏は、「引き渡しは60日以内に行われるだろう」と語っている。
レイファー容疑者の弁護人、ニック・カウフマン弁護士は、イスラエル法相を拙速と批判し、「レイファー依頼人は、オーストラリアで有罪判決を受ければイスラエル国内で服役することを望んでいる。その頃には新しい法相がレイファー依頼人の希望を受け入れることだろう」と語った。
■ソース
Malka Leifer set to return to Australia as Israeli minister signs extradition