シドニー・ホバート・ヨットレース歴史上初の開催中止

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クラスター発生でTASがNSWに対して州境閉鎖

 毎年12月26日のボクシング・デーにシドニー湾から出走し、TAS州のホバートまでを帆走するヨット・レースは、コロナウイルス・クラスターのため、歴史上初めて開催中止が発表された。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 オーストラリア国内は一時は全州・準州が州境閉鎖を解除し、クリスマスから大晦日まで恒例行事の無事開催が期待された。しかし、好事魔多しで、クリスマスを1週間後に控えてシドニー都市圏ノーザン・ビーチーズで30人に迫るクラスターが発生、各州が一斉にNSW州に対して門戸を閉じた。TAS州も大シドニー地域からの入域を規制したため、ヨット乗員はホバートで上陸すれば直ちに14日間のホテル隔離に入らなければならないことになる。

 12月19日にはNSW州政府がノーザン・ビーチーズ自治体域全体のロックダウンを発令したため、その地域の湾に停泊しているヨットや乗員150人が足止めを受けることになった。それを受け、シドニー・ホバート・ヨットレースの主催側がレースの開催中止を決定した。

 主催のCruising Yacht Club of Australia、ノエル・コーニッシュ・コモドアは、「非常に残念な決定ではあるが、ヨット乗員と主催スタッフの安全を考慮した」と発表している。

 さらに、「これまでコロナウイルス予防対策を立ててレース準備を進めてきており、その準備に注いできた心身の努力を考えれば、わずか6日前になって76年の歴史のあるヨットレースを注視しなければならなくなったことは非常に辛い気持ちだ」と語っている。

 また、グラディス・ベレジクリアン州首相がノーザン・ビーチーズ地域のロックダウンだけでなく、シドニー地域全住民に対して外出活動自粛を呼びかけているだけに、事態がボクシング・デーまでに好転することはないとの判断があったと語っている。
■ソース
‘Bitterly disappointed’: Sydney to Hobart yacht race axed for first time in history

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