「両州からの積荷に病害虫発見」
中国は様々な理由でオーストラリア産物資の輸入を次々と停止してきたが、12月24日付ABC放送(電子版)は、中国が、NSW、WA両州からの積荷に病害虫を発見したとして両州からの丸太木材の輸入を停止したと報じている。
12月23日(中国現地時間)、中華人民共和国海関総署が、「港湾税関職員が発見した」と発表している。
中国は既にVIC、QLD、TAS、SA州からの木材の輸入を禁止しており、実質的にオーストラリア産木材が全面的に中国への輸入禁止になった。
同総署のウエブサイトの声明は、「中国港湾税関はオーストラリアからの木材輸入の検査を強化し、病害虫の発見された積荷はすべてオーストラリアに返すこと」としている。
先に中国側がSA、TAS両州産木材輸入を禁止した際にも同じように病害虫発見を理由にしており、「病害虫が中国に入るのを防ぎ、我が国の森林と生態系の安全を保護する」ためにこの処置を取るとしていた。
豪中関係は政治・外交・貿易などの面で極端に悪化しており、オーストラリアは既に中国が豪産大麦にかけている関税を不当として世界貿易機構(WTO)に提訴している。オーストラリアが農産物問題で中国との貿易摩擦を国際中立機関に提訴するのはこれが初めてであり、WTOも通商紛争の協議に入ったと発表している。
12月初め、サイモン・バーミンガム通商大臣は、「他の貿易品目に関しても中国との話し合いで解決しなければ、WTOに提訴することを考える。この1年の間に中国側は個別に様々な理由をつけ、輸入禁止措置を取っており、こちら側としてもWTOにおいて個別に異なる規準で対応しなければならない。中国のやり方は、中国国内の企業が国営であり、豪産貿易品目購入を抑制するために市場に圧力をかけているというのは証明が難しい問題だ」と語っている。
■ソース
China suspends Australian timber imports from New South Wales and Western Australia