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「迅速抗原検査無料化で民間の営業妨害はしない」

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モリソン連邦首相、検査キット無料配布を否定

 1月3日付ABC放送(電子版)は、スコット・モリソン連邦首相が、「コロナウイルス迅速抗原検査(RAT)キットの無料配布」を要求する声に対して、「政府がRATキットの無料配布に出資して民間業者の営業を妨害をすることはない」と発言したことを伝えている。

 2021年12月初めからRATキットが薬局などの店頭に並び始めたが、規制緩和で感染者が爆発的に増えており、そのためにPCR検査会場はどこも長蛇の列で数時間待つことも珍しくなくなっている。そのため、政府は、「どうしても必要でない限り、PCR検査に来ないよう」呼びかけたことも手伝って、RATキットがどこでも品切れになっており、遂には値段をつり上げる業者も現れる始末で、政府が悪徳業者に警告する発表をしている。

 コロナウイルス感染の広がりを抑え、PCR検査体制に対する重圧を緩和するため、RATキットをGPや薬局で無料配布することを要求する声が広がっていた。

 RATキットの品薄を解消するため、一部連邦政府が出資し、各州政府が合計8,400万RATキットを海外に注文しており、1月末には入荷し始める見通しになっている。

 PCR検査は政府が民間臨床検査企業に委託しており、1件あたりかなりの額を支払っている。検査体制をPCR中心からPCR-RAT混成に移行しつつある現在も、モリソン連邦首相は、PCRに比べて格安のRATキットの価格を政府が補助する考えを拒否している。

 唯一の妥協点として、州政府が購入し、濃厚接触と判断された人々に無料提供するRATキットの半額を連邦政府が負担することに同意している。モリソン連邦首相は、それ以外の人々は、RAT検査をしたければ自分で購入するべきだと突っぱねているが、国内の薬局やスーパーマーケットなどの小売店でもRATキットが品切れになっており、購入は事実上不可能になっている。

 1月3日、モリソン首相は、「オーストラリア全体が過去2年間のコロナウイルス・クライシスを切り抜けるために政府は何千億ドルという額の投資を行ってきた。もう何もかも無料ということはできない段階に来ている。誰かが無料で欲しがるなら、誰かがその対価を負担しなければならないのだから」と発言している。

 大手薬局チェーン、ケミスト・ウェアハウスのマリオ・タスコーネ取締役は、「RATキットを買えない社会的弱者にはキットを無料配布すべきだし、自分で買える人にも政府が消費税免除措置を取るべきではないか。何千万という数のRATキットの価格の10%を政府が儲けるというのでは誰も納得しないだろう」と語っている。
■ソース
Scott Morrison says he won’t ‘undercut’ businesses by funding free rapid antigen COVID-19 tests

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