クリステンセン議員譴責せず、国民に無視を要求
QLD州選出のジョージ・クリステンセン連邦下院議員は、与党議員にもかかわらず、連邦政府の公式方針である国民の接種奨励に反して反ワクチン言動を続けてきており、最近ではアメリカの極右論客のソーシャル・メディアにも出演して連邦政府の政策に反対する発言を行っている。
ノバク・ジョコビッチ・テニス選手のコロナウイルス未接種が資格問題になり、オーストラリア政府はジョコビッチ選手のビザを取り消したが、野党労働党などからは、「スコット・モリソン連邦首相はなぜ与野党一致で推進しているコロナウイルス・ワクチン接種に反対するクリステンセン議員の発言を野放しにしているのか?」との批判が出ていた。
1月18日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、モリソン首相がクリステンセン議員を譴責せず、代わりに国民に向けて、「クリステンセン議員の危険なワクチン・アドバイスを無視するよう」要求したと報じている。
QLD州ドーソン選挙区選出のクリステンセン議員は、「子を持つ親は子供にワクチンを受けさせない」ようアドバイスしており、モリソン首相は、「同議員の発言を危険だから、親御さんはクリステンセン議員のアドバイスを無視するように」と発言した。
クリステンセン議員は、アメリカのロバート・マローン博士とのインタビューを添えて、「子供にワクチンを打たせない」よう呼びかけている。マローン博士はウイルス・免疫などの専門家だが、コロナウイルス・ワクチンの安全性と効力に関してミスインフォメーションを広めたとして批判を受け、その言説も否定され、ツイッターも同博士を永久追放している。
モリソン首相は、クリステンセン議員の発言には反対と語ったが、政府政策に真っ向から反対する同議員の処分についてはまったく言及していない。
野党労働党のアンソニー・アルバネージ党首は、「首相が同議員に何の処分もしないのは、ジョコビッチ追放時と同じく、モリソン首相が成り行きに任せることしかできないまったくのリーダーシップ欠如だ」と批判している。
■ソース
PM tells Australians to disregard George Christensen over ‘dangerous’ vaccine advice