農業、ホスピタリティ部門の人手不足解消に
コロナウイルス・パンデミックでいくつかの産業部門は人手不足に悩んでいる。特に農業部門は収穫労働力が足りないために果実を腐らせることにもなっている。また、都市部ではこれまで海外留学生やバックパッカーに頼っていた、ホスピタリティ部門で人手不足が起きている。
1月19日付ABC放送(電子版)は、国境閉鎖を次第に解除していくにあたって、今後数か月の間、特に海外留学生やバックパッカーを呼び寄せるため、ビザ申請料を政府が払い戻す制度を発表したと伝えている。
この日の記者会見でスコット・モリソン連邦首相は、「バックパッカーがオーストラリアにやって来て、基幹産業で働き、オーストラリアを見ていってもらいたい」と語った。
今後8週間の間にオーストラリアに入国する海外留学生のビザと、今後12週間の間に入国するワーキング・ホリデー・メーカーのビザの1件の還付額は約$600,総額は5,500万ドル程度になると見積もられている。
対象はいずれも学生ビザ取得済みだがコロナウイルスのためにオーストラリアに渡って来れなかった15万人の留学生、同じくワーキング・ホリデー・ビザ取得済みの23,500人のバックパッカーを呼び戻すことができればと期待している。
モリソン首相は、「このビザ申請料金還付は、海外留学生やバックパッカーが再びオーストラリアに戻ってきてくれることに対する感謝の気持ちを表している。また、この2つの部門の人手不足を埋めてくれることを願っている。特にホスピタリティや農業の他にも、ヘルスケア、高齢者介護、その方面の部門で働いている人々や現在訓練を受けている人達が来てくれると非常に助かる」と語っている。
さらに、「バックパッカーにもオーストラリアで働きながらホリデーを楽しみ、パンデミックで大きな打撃を受けた観光産業を助けてもらいたい。オーストラリアにおいでと訴えたい」と語った。
豪商工会議所は、連邦政府の措置を歓迎すると共に、「海外からの旅行客を招くためにはこれから入国規制を早く緩和していかなければならない」と語っている。
他の経営者団体も、「他の部門でも観光ビザ料金を無料にするなどの措置を採れば国際的な競争力にも貢献するのではないか」と語っている。
■ソース
Visa fee refund offered to entice students, backpackers to fill COVID worker shortage