都心・東部線の車両を借りての営業に
2月26日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、NSW州鉄道局の発表として、来週よりシドニー・ライト・レール・インナーウェスト線の運行を再開する計画を伝えている。
この運行再開には、スペイン製のインナーウェスト線車両とは互換性がないとされていた都心線・東部郊外線トラムのフランス製車両を借りることになった。
インナーウェスト線は2021年11月に12両の車両がすべて台車部分にかなりの大きさの亀裂が見つかっていたことから全車両の運行を止め、点検修理を進めていた。また、当初は全車両点検修理に18か月かかるとされており、その間、セントラル駅からダリッジ・ヒル駅までの全区間に代替バスを走らせ、ライト・レール運賃の半額で運行している。スペインのメーカー側は、高速走行と急カーブの多い路線が原因としている。
鉄道局では、東部郊外線の6編成を流用し、土曜日から木曜日までは午前6時から午後11時まで、金曜日は午後12時まで15分ごとに運行することにしている。
NSW州政府のデビッド・エリオット運輸相は、「インナーウェスト線の全車両の修理作業は続行中で、2022年第4四半期には完了する予定。当初の計画では修理作業が終わるまで、市内トラムを流用し、セントラル駅からリリフィールド駅までの区間の運行としていたが、全区間を走らせることにした」と語っている。
コロナウイルス・パンデミックで利用者が減っていることから、都心線や東部郊外線は運行を間引きしており、列車編成に余裕が生まれたために可能となった措置だが、車両の幅がわずかに狭いトラムをインナーウェスト線で安全に走らせるためにはトラム自体や軌道、プラットフォームも少し改造しなければならなかった。
NSW州運輸局のハワード・コリンズCOOは、インナーウェスト線の電車運転士をトラム用に再訓練しており、また、速度制限などの変更も行った。職員はすべて新しい編成で運行を再開する準備ができている。今週、最終試験走行を進めているため、ライト・レール列車の接近は目と耳で確認してもらいたい。また、線路を渡る時は定められた踏切を利用してもらいたい」と呼びかけている。
また、現行の代替バス運行については、セントラル駅からザ・スター(カジノ)駅までの区間のみ午前7時から午前9時までと午後3時から午後7時までの時間帯で15分ごとに運行を続けることになっている。
■ソース
Inner west light rail to return with trams borrowed from the east