研究者の新しいオミクロン株モデリング発表
WA大学の感染症モデリングとコンピュータ科学専門家のジョージ・ミルン教授の新しいオミクロン株モデリングで、WA州政府が州境閉鎖解除を遅らせれば、解除した時にオミクロン株アウトブレークがむしろ悪化するとの研究結果を発表した。
2月9日付ABC放送(電子版)が伝えた。
このモデリングによると、WA州のマーク・マクガワン政権が2月5日に予定していた州境閉鎖解除を延期したことも何の益もなかったとされている。
ミルン教授の研究は、WA州、連邦の保健省や世界保健機関(WHO)でも採用され、政策編成やワクチン接種活動の具体的プログラム編成に用いられてきた。
ミルン教授の新しい研究は最近完了し、査読に回される予定になっているが、WA州政府が州境閉鎖時期を変えて実施した場合をモデル化し、その結果を推定している。また、基礎データとして、イギリスの国立統計局のデータの他、SA、QLD両州のアウトブレーク時のデータを用いてWA州のパラメータを定めている。
モデリングでは、2月5日以降毎月の感染者数、入院者数、ICU収容者数、死亡者数などを算出している。
その結果、マクガワン州政府が州境閉鎖解除を5月以降に引き延ばせば解除後の影響はそれだけ大きくなり、たとえば、6月5日に解除した場合、死者は478人、ICU収容者は360人、入院患者は3,603人に達し、オミクロン感染者は885,352人を超えるとしている。
ミルン教授は、「政府が5月5日まで待つとは考えられない。できれば3月5日には閉鎖を解除して欲しいと思う。州首相にもそう進言したいが、私は単に数学者でしかない」と述べている。
また、3月から5月までの間は州境閉鎖を解除しても比較的小規模な拡大でしかないがその後次第に大きくなっていくとしている。また、その原因として、ワクチンの免疫効力の衰えが次第に大きくなっていくことが挙げられている。
WA州のアンディ・ロバートソン主席医務官も、「州政府には、州境閉鎖解除を遅らせればワクチン効力の衰えが顕著になるため、解除を遅らせないよう勧告していた」と語っている。
■ソース
Health outcomes will worsen if WA border remains shut too long, new Omicron modelling shows