労働党ベガ選挙区を初獲得、自由党には敗北感漂う
2月12日付ABC放送(電子版)は、同日、ベガ、モナロ、ストラスフィールド、ウィロビーの4NSW州議会選挙区で実施された補欠選挙結果の速報を伝えている。
この選挙では、1988年に創設されて以来、労働党が獲得したことのない州南部海岸地域のベガ選挙区が初めて労働党の手に渡った。モナロは従来通り国民党、ストラスフィールドは労働党、ウィロビーは自由党とそれぞれ予想通りの結果になった。
ベガは2020年のブッシュファイアで大被害を受けた南部海岸地域にあり、火災が広がり始めた時期にスコット・モリソン連邦首相が国内の危機を尻目に家族でハワイに休暇旅行をしていたこと、また、連邦首相執務室がハワイ旅行の事実を隠していたことで住民のモリソン政権不信につながっていた。12日の選挙では13%以上の票がマイケル・ホランド労働党候補に移り、フィオーナ・コッボジス候補の一次得票は35%程度にとどまった。
グラディス・ベレジクリアン前州首相が、男女関係のあった自由党議員の腐敗汚職問題で独立調査委員会の調査が進む時期に州首相と議員の地位を退いており、ウィロビー選挙区はかつては21%の票差で自由党候補が当選するほどの安定地盤だったが、今回はいわく付きで辞職したベレジクリアン氏が推薦する自由党右派のティム・ジェームズ氏が大幅に得票を失いながらも辛勝した。
郡部のモナロ選挙区は国民党の安定地盤だったがここでも保守連合の不評が大きく、ブライス・ウィルソン労働党候補に大きく票が流れたが、30%開票段階でニコール・オーバロール国民党候補が5%程度の差を付けて当選確実となった。
シドニー都市圏インナーウェスト、ストラスフィールド選挙区は労働党の安定地盤だが、地元で著名なブリジット・サカー自由党候補も健闘した。しかし、20%開票段階でジェイソン・ヤッセン・イー労働党候補の当選が決まった。
ストラスフィールド選挙区は、ジョディ・マッケイ前州議会労働党党首の議員辞職で補欠選挙になったが、マッケイ氏が労働党から立つように望んだエリザベス・ファレリー氏がストラスフィールド選挙区で無所属で立ったため、革新票は一部がファレリー候補に流れたと見られ、同候補は9%程度の票を獲得している。
■ソース
NSW by-elections a ‘huge disappointment’ for Liberals as Labor claims Bega and Nationals hold Monaro