訓練医の35%がイジメ、嫌がらせ、差別体験・目撃
新しい調査で、訓練医の35%がイジメ、嫌がらせ、差別を自分で体験または同僚の被害を目撃していることが明らかにされた。
2月13日付ABC放送(電子版)が伝えた。
同調査では、訓練医の49%が、過去12か月の仕事量が重いまたは非常に重いと答えている。
また、経験の長い医師は、「医療現場の風土を改革するためにはもっと人材や予算などが必要だ」と語っている。
2022年の青年国民に選ばれたQLD州最北部在住のターニー・ブリッドスン博士は、精神衛生の分野でのボランティア活動に対して顕彰を受けたが、きっかけは学生時代に指導教官の自殺から、医療関係者が精神的な苦痛を話すことができない風土に気づいたことから始まっている。
ブリッドスン博士は、「かつての同僚からのイジメで自分自身の精神衛生が損なわれたが、現場には沈黙を強いる雰囲気があり、しかも、若手医師にとっては、相手は年配の同僚や医療現場のシステムそのもので守られているようなものだ」と語っている。
Medical Board of Australiaが21,000人の訓練医を対象に実施した調査で、このような劣悪な職場風土が今も深刻な問題になっていることが明らかにされている。
訓練医の35%が、イジメ、嫌がらせ、差別を自分で体験したり、目撃したりしているが、それがオーストラリア先住民族のアボリジニやトーレス諸島人の訓練医になると52%がイジメ、嫌がらせ、差別を体験したと答えている。
Medical Board of Australiaのアン・トンキン会長は、「これは重大で見過ごせない問題だ。しかも、先住民族訓練医が医療界で民族差別を受けているというのは許しがたいことだ」と語っている。
さらに、コロナウイルス蔓延で医療界の状況が悪化し、個々人の医療従事者の負担が極端に増え、患者の生命を守るために超過勤務を否応なくさせられ、医療界全体に燃え尽き感が広がったと指摘されている。
■ソース
Doctors say bullying, harassment and discrimination are rife in the sector