州議会ウィロビー選挙区補欠選挙結果確定せず
NSW州首相の座と州議会議員の席を辞したグラディス・ベレジクリアン氏の選挙区、ノース・シドニーのウィロビー選挙区で2月12日に実施された補欠選挙はベレジクリアン氏が推薦する自由党右派のティム・ジェームズ候補と無所属のラリッサ・ペン候補との一騎打ちになっていたが同時に行われた3選挙区では即日開票で当選が決まっていたが、自由党の安全地盤とされてきたウィロビー選挙区は当選確実と目されていたジェームズ候補が苦戦し、16日になっても決着のつかない状態になっている。
2022年5月までに総選挙を控えた連邦議会ではスコット・モリソン首相が、「NSW州議会補欠選挙は地域問題が争点」と発言したが、連邦議会でも前回総選挙でノース・シドニーのワリンガー選挙区が自由党のトニー・アボット元首相を落とし、ザリ・ステガル無所属候補を選んでいる。
2月16日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
ペン候補は、「ベレジクリアン州首相を出した選挙区でNSW州政府に対する反発が起きているのは、自由党候補を選んで当然という空気の中でウィロビー選挙区が自由党政権から完全にないがしろにされてきた住民の不満が噴き出したのだ」と語っている。
同選挙区は、自由党が19%の得票減という劇的な状況になっており、ペン無所属候補が第一次得票率で32%を確保、郵便投票開票待ちということになった。
これまでコミュニティ・キャンペーンに携わってきたペン候補は、「保守連合州政権が140億ドルをかけた都心部とノーザン・ビーチーズ地区を結ぶウェスタン・ハーバー・トンネルとビーチーズ・リンク建設計画で、このトンネル・プロジェクトについてロワー・ノース・ショア地区の学校では生徒の保護者からの子供達の健康に対する影響を懸念する声が長期的な反対キャンペーンになってきたが、州政府は一切耳を貸そうとしなかった」と語っている。
ペン候補は、「特に住民が反発しているのは、政府が真剣に地域住民と協議しようとしてこなかったことと、プロジェクトの投資対効果調査報告書を住民に公開しようとしなかったことが不信感につながっている。プロジェクトに対しては何千という意見書が出されたがすべて脇にやられ、11,000人の署名を集めた議会請願書も無視された。さらにはウェスタン・ハーバー・ビーチーズ・リンク・トンネル計画に対する議会調査も回答がないままになっている。しかし、トンネル問題はウィロビー選挙区にとっては氷山の一角だ。数多くの問題で地域住民の怒りが高まっているが、ベレジクリアン州首相を出している時期にも政府はまったく問題解決の意志がなかった」と語っている。
■ソース
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