週2回のRAT検査で1週間に陽性50%増
2月17日付ABC放送(電子版)は、2月初めに新学年の始まったNSW州の学校で児童生徒が最初の2週間だけでも2万人以上が陽性と判定されたことを伝えている。
しかも、NSW州教育省の発表したデータによると、対面授業開始最初の1週間に陽性と判定された児童生徒は8,109人だったが、2週めの終わりまでには新たに12,056人が陽性と判定されていた。この8,109人という数字は、1週めの最後の日にセーラ・ミッチェル教育相が発表した「暫定データ」とは大きく異なっており、同教育相は、「新学年が始まって最初の1週間で2,417人の児童生徒が陽性と判定されただけだった。まったく申し分のない新学期になった」と発表していた。
そのため、保護者、教職員の間には、校内感染の情報が欠けていることを懸念する声が挙がっている。2人の就学期児童を持つある母親の場合、接種をすべて済ませるまで子供達を学校に行かせないと決めているが、「親がみんなできることではない」と認めている。また、毎日何人の陽性が判定され、ウイルスのどの株が蔓延しているのかなどの詳細が分からないため、家族も不安を募らせている。
この母親は、「情報が不透明な状況ではリスクを適切に評価できず、適切な判断もできない。子供の学校からは、児童の親がウイルスにさらされた可能性があるとの通知があったが、プライバシーを守るため、ごくあいまいな書き方になっており、かえって不安を募らせるだけになっている」と語っている。
シドニーの私立学校の教師は、「私の学校は情報を送り出すことにかなり消極的で、そのために疑心暗鬼が募ることになっている。学校で何が起きているのかほとんど分からない状態だ。学校は、感染についてアドバイスを保護者には送っているがその情報が教職員に配られる情報ではないというありさまだ。保護者が子供に週2回のRAT検査をしているかどうかも怪しい」と語っている。
しかし、疫病学者のアンジェラ・ウェブスター教授は、「子供が学校で感染してくるのではないかと保護者が懸念する気持ちは分かるが、子供がコロナウイルスに感染するリスクは校内も校外も変わらない。ウイルスは主に未接種者の間を広がっていくが、児童の間では未接種者はかなり多い」と語っている。
■ソース
More than 20,000 NSW students caught COVID in first two weeks of school