労使歩み寄りなく、火曜日も鉄道全休の見込み
2月21日付ABC放送(電子版)は、NSW州営鉄道の労組加盟職員の低レベル保護労働争議行為に対して使用者側が列車の全面運休で対抗したことを伝えている。
また、労組とNSW州政府との間の交渉は歩み寄りがなく22日も同じような使用者側のシャットダウンが続くものと見られている。
このシャットダウンについては、スコット・モリソン連邦首相が、「労働党が政権を握ればこういうことになる」と発言しており、ドミニク・ペロテーNSW州首相が、一般市民の間に反労組感情をかき立てようとして、労組側の主張のような、「職場復帰」をシャットダウンで拒否したという観測もある。
シャットダウンについてNSW州運輸局は、「労組の保護労働争議行為で安全な旅客輸送が不可能になったため」と発表しているが、労組側は、「列車運転士は当局の許可が出次第運転席につく用意ができていた」と反論している。
21日午後5時、全面運休を決めたシドニー鉄道局のマット・ロングランドCEOは、「当局はこの紛争解決に全力を尽くすつもりでいる。今日は1日Fair Work Commissionで交渉を続けていた。明日、シドニーの列車運行復旧のために何ができるのか今晩も努力を続ける。明日も今日と同じ全面シャットダウンにしたくないが、利用者はできる限り鉄道を避けてもらいたい」と語っている。
21日は、ペロテー州政府とNSW州鉄道労組が互いに全面運休の原因と言い争っているが、20日夜、労使調停機関のFair Work Commissionでの交渉が決裂しており。その後、政府側弁護士が、鉄道市電バス労組(RTBU)の保護労働争議行為を防ごうとしたが失敗していた。
RTBUのアレックス・クラーセンズNSW州支部書記長は、「21日朝、鉄道職員が鉄道利用者に影響の出ない程度の低レベルの保護労働争議行為に参加するために出勤してきたところ、管理者側から、列車運行を取りやめたと知らされた。政府が全鉄道網のシャットダウンという極端な手段に出たことは、最低の卑劣な行為と言うしかない。労組はストライキをしようとしたのではない。労組員は職場で働く用意ができていたのに政府や使用者側がそれを妨害し、市民に迷惑をかけた」と語っている。
デビッド・エリオット運輸相は、「シャットダウンを決めたのはNSW州運輸局だ」と語っているが、運輸局はエリオット運輸相の下にあり、最終的な責任はエリオット大臣にある。
■ソース
NSW train chaos could continue tomorrow, commuters warned to ‘avoid rail travel’