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NSW州政府、先週から「鉄道全面運休」の準備していた

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ABC放送が「2週間の運休」計画の内部文書を入手

 2月21日に鉄道市電バス労組(RTBU)が、州運輸局との労使交渉決裂後、旅客輸送に影響の出ない低レベルの争議行為を実施したが、州運輸局側がいち早く鉄道全面運休を決めたため、シドニー都市圏各所の駅で通勤などの旅客が立ち往生した事件は、ドミニク・ペロテーNSW州首相も事後に知らされ、激怒したことが報道されるなど、州政府運輸相、州運輸局、シドニー鉄道など経営者側が労組と一般市民を離反させる計画だったことが次第に明らかになってきた。

 2月24日付ABC放送(電子版)は、「ABC放送が入手したNSW州内部文書で政府省庁高級幹部が、2週間にわたってNSW州の旅客列車ネットワークを全面運休させることを先週の段階で話し合っていたことが示されている」と報道した。

 この文書はFair Work Commissionから公開された1,400ページにわたる文書で、21日の全面運休に先だって交渉や意見の食い違いなどの詳細が記載されている。しかも、省庁幹部官僚は全面運休の計画を知らされていたが、ペロテー州首相にはまったく知らされていなかったことがうかがえる内容になっている。

 しかし、この文書から、全面運休が実施された21日以前に政府部内で全面運休計画が話し合われていたことが示されている。

 また、2月9日、RTBUが政府に2月21日より2週間にわたる争議行動の計画を通告していた。この通告を受けてシドニー鉄道局がリスク評価を実施し、2月16日に鉄道ネットワークに対する争議行動の影響について、「2週間にわたって旅客列車をすべて運休すべし」との結論をまとめている。

 今週初めにはデビッド・エリオット運輸相が、「全面運休すべきかどうかを部下が協議していたが、私は就寝した」と証言している。しかし、Fair Work Commissionに提出された資料では、シドニー鉄道局が運休の必要ありとしたいのは4日前のことだった。

 政府部内の協議では、労組が労組員に当番予定以外の職務を引き受けることを禁止していることを捉えて、「当日に職務変更の柔軟な対応が見込めなければ鉄道ネットワークの運営が完全に阻害されることになり、列車が途中で立ち往生することにもなりかねない」としている。

 しかし、2月19日にFair Work Commissionで開かれた労使交渉の座で労組側弁護士は、「労組が当局側の2週間全面運休計画を知ったのは2月17日だった。労組は鉄道の安全な運行については争議中も柔軟に対応することを明らかにしていた」と発言している。

 その後、当局は労組に対してFair Work Commissionに起こしていた訴えを取り下げている。
■ソース
Government was preparing for rail shutdown last week, documents reveal

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