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気象庁、シドニー都市圏南西部に避難警報発令

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雨雲はNSW州海岸地域の広い範囲で猛威

 QLD州南東部から、NSW州北東部へと甚大な洪水を引き起こしながら南下している大きな雨雲は、シドニー地域を覆い、さらに南に移動している。そのため、3月2日付ABC放送(電子版)は、気象庁(BoM)がシドニー都市圏南西部に緊急避難警報を発令し、州緊急救援局(SES)も、シドニー都市圏西部に避難用意をするよう警報を発したことを伝えている。

 シドニー地域最大の水源地、ワラガンバ・ダムも満水位に達し、同日午前3時に放流を始めた。そのため、ネピアン川、ホークスベリー川下流地域で洪水が予想されている。

 一方、SESは、シドニー都市圏南西部でジョージズ川が溢れればチッピング・ノートン、ミルペラ地区が孤立するおそれがある。そうなれば、「住民は電気、水道、その他の公共サービスがすべて途絶え、さらには救助も危険になることが考えられる」と警告している。

 BoMは、 3月2日午後から明日にかけて、NSW州のニューカッスルからモルヤ・ヘッズにいたるまでの何百キロにも及ぶ海岸地域で豪雨が続き、各所で局地的な洪水が発生すると予想されるとして荒天、洪水警報を発令している。

 これまでにQLD州南東部とNSW州北部で12人が亡くなっており、牧場の家畜や野生動物多数が溺死している。

 2日午前3時のワラガンバ・ダム放流はネピアン川とホークスベリー川流域各所に洪水を引き起こすことが予想され、NSW州政府のポール・トゥール副首相は、「3月2日から流域周辺住民はいつでも避難できる用意をすること。避難勧告が出れば直ちに避難してもらいたい。これは住民の安全のためであり、避難勧告が出た段階で自宅に留まることは考えないでもらいたい」と語っており、既にSESはノース・リッチモンド地区の住民に対して、「大規模な洪水の可能性に備えるよう」呼びかけている。また、ウィンザー地区の住民には中程度の洪水に備えるよう警告が出されている。

 2021年3月のダム放流の際には3日間にわたって250mmを超える雨が降った。しかし、BoMのディーン・ナラモア予報官は、シドニーで50mmか150mm程度のまとまった雨が降れば土地は既に水が飽和しており、最終的にダムや主要河川に流れこむことになる」と分析している。
■ソース
BoM issues flood evacuation warnings for parts of south-west Sydney as rain set to pelt NSW coast

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