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オーストラリア全土接種済旅行者の往来自由に

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3月3日、WA州が最後の州境閉鎖解除

 3月3日付ABC放送(電子版)は、WA州が遂に完全接種済みを対象に国内海外からの旅行者の州境閉鎖を解除したことを伝えている。

 同州のマーク・マクガワン州政権は、は2月5日に州境閉鎖を解除するはずだったが、2月初めのコロナウイルス・オミクロン株蔓延状況を理由に解除を4週間延期していた。

 同州は2020年3月のWHOコロナウイルス・パンデミック宣言直後から州境を閉鎖、旅行者の入州には厳しい規制を設けてきた。700日を超える州境閉鎖で、「北朝鮮並みの独裁政権」と呼ばれることもあった。

 まだNSW、VIC、QLD3州でオミクロン株蔓延が進行しているさなかであり、WA州では州境閉鎖のおかげでこの2年、コロナウイルス感染や死亡を極端に抑えてきたことから、3月3日の州境閉鎖解除も必ずしも州民全体の支持を受けているとは言いがたく、もう少し待つべきだという意見もある。

 一方、2年間にわたって家族や友人に会うこともできなかった人々や海外に行く機会を待っていた人々、州外・海外からの旅行客を失った観光などの部門にとっては、マクガワン州政権がようやく州境を開放したことで安堵している。

 ただし、WA州は既に毎日の新陽性者が次第に膨れ上がってきており、州境閉鎖も無意味になっているとの見方もある。そのため、州境開放後も2年前の生活に戻ることはないと考えられており、州境開放に換えて規制強化が行われることになっている。

 バーやクラブなどは厳しい新規制のため、通常営業は難しくなっており、また、他州や海外から旅行者が昔のようにWA州にやって来ることも考えられない。

 これまでもWA州政府の厳しい鎖国体制を批判してきたカンタス航空のアラン・ジョイスCEOは、「弊社は新しいスケジュールに合わせる機体の手配で四苦八苦しており、思うように営業を回復できない」と語っている。

 マクガワンWA州首相も、州境開放で旅行業界が一気に伸びることは考えられないと認めており、むしろ州民が他州や海外に出かける可能性の方が大きいとしている。

 ただし、マクガワン州政権の厳しい州境閉鎖はWA州民にはむしろ歓迎され、マクガワン労働党州政権支持率は2年間常に高いレベルにあり、州政府は、この2年間で何千人もの生命を救ってきた。効果的なワクチンが出回り、接種率が高まるまで待つことで健康弱者州民も生き延びることができた。

 また、州境閉鎖で州内の事業所はほとんど規制を受けずに営業できたため、順調な事業や高い雇用率を確保してきた。また、州財政も健全で、州境閉鎖の効果があったと評価されている。

 一方では観光業界のように州境閉鎖の打撃を受けた部門もあり、2年間の州境閉鎖の価値があったのかどうかについてはまだまだ論争が続く気配がある。
■ソース
WA’s hard border is finally down, but Omicron’s emergence means it’s far from back to normal

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