マンリー・ダム放流、シドニー地域南西部は避難命令
3月8日付シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)は、これまでに降り続いた大雨で大シドニー地域各地で洪水が発生しており、シドニー都市圏西部ウェントワースビルでは車が洪水に呑まれ、2人が死体で発見されている。さらに、何千人もの住民が家を離れて避難している。また、マンリー・ダムは放流しており、午後7時にはナラビーン・ラグーン周辺地区に避難命令が出ていること。さらに激しい雨も9日には次第にやわらぐが、今後は危険なレベルの強風が吹き荒れるとの気象庁の予報を伝えている。
2022年1月以来、シドニーの降雨量は820mmに達しており、例年の1年間の降雨量の2倍で、1956年の782mmという記録を上回っている。そればかりか、一部には6時間の間に120mm強の降雨量を記録したところもある。
この豪雨のため、NSW州全域で4万人ほどの住民に避難命令が出され、その上に2万人の住民には避難用意勧告が出されている。市内でも道路が通行不能になったところもあり、ローズビル・ブリッジが浸水して乗用車2台が水没し、さらにはホークスベリー=ネピアン川を渡る3つの幹線道路が通行止めになるなどしている。州緊急救援局(SES)は、8日午後8時30分にウィンザーに近いマグラス・ヒル、マルグレーブ両地区に避難命令を発令した。その後、ホークスベリー川の水位は13.5mに達している。
SESは、ナラビーン・ラグーンの洪水水位が2mに達するとラグーン周辺の地区が孤立状態になり、住宅は電気、水道その他の公共サービスがすべてストップする可能性がある。また、その状況では救助も危険になると伝えている。
3月8日、保険会社上部団体のThe Insurance Council of Australiaは、NSW州全域とQLD州南東部の洪水関係の保険請求が96,844件にのぼっており、過去24時間で12%の増加になったと発表している。
■ソース
Greater Sydney smashed by floods, with winds set to cause more chaos