「QLD州首相が不必要と言った」と釈明
QLD州南東部からNSW州北東部にかけての地域が大水害に見舞われ、スコット・モリソン連邦首相は国家非常事態宣言を発令したが、その際にQLD州南東部を宣言対象から除外した。現在、QLD州南東部の被災地でも、約1,500人の豪国防軍(ADF)兵士が住民に協力して清掃活動を続けているが、モリソン連邦首相は、「アナスタシア・パラシェイQLD州首相が非常事態宣言適用を要請しなかったからそれに従ったまで」と釈明した。
3月12日付ABC放送(電子版)が伝えている。
現在、ADF兵士約7,000人がNSW、QLD両州の被災地で清掃作業を続ける他、行方不明者の捜索にも協力しており、このADFの活動を統括しているデビッド・トミー少将は、「フィジーからの応援もあり、米海軍艦「フランク・ケーブル」もオーストラリアに向かっており、100人ほどの水兵がブリスベンで清掃活動をする予定になっている」と語った。
3月11日夜、モリソン首相が総督邸を訪ね、NSW州の被災地に対する「国家非常事態宣言」に署名を受けた。首相は、前日の10日には、「QLD州の一部も非常事態宣言対象地域にする」と語っていたが、パラシェイQLD州首相は、「QLD州南東部の被災地はすでに復興段階に入っており、非常事態宣言を必要としない」と発言していた。
さらに、モリソン首相は、「パラシェイQLD州首相はもっと早い段階で自分に宛てて緊急事態宣言を発令するよう要求することができたのにしなかった」と語っている。
これに対して、パラシェイQLD州首相事務室は、「国家非常事態宣言は連邦政府が決めることであり、州首相の同意を得ることではない」と反論している。
両州の被災地では連邦の動きが遅かったことに不満が出ており、連邦軍統括者が謝罪する事態にもなっていた。
トミー少将は、「ADFは人員を既に復興段階に入ったギンピーやメリーバラからイプスイッチ、ブリスベン、ローガンなど清掃活動の必要な地域に移した。現段階ではQLD州南東部に1,500人、NSW州北部に3,500人を投入した他、1,500人がシドニーに待機している」と語っている。
また、NSW州北部についても、「遠隔地への食糧投下や燃料供給、シンガポール政府から寄付のあった被災地救済物資33パレットをリズモア地域に搬入する作業を行った」と語っている。
■ソース
Scott Morrison defends move to leave Queensland off emergency declaration as ADF boosts flood recovery efforts