ASIS局長「中国政府職員が豪に情報提供」

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官僚の間に閉鎖的な中国政権への嫌気広がる

 5月10日付ABC放送(電子版)は、オーストラリア政府の情報機関ASISのポール・サイモン局長の発言として、「中国政府職員がオーストラリアに中国側の情報を提供することが増えている。中国政府の官僚の間には閉鎖的な共産党独裁政権に対する嫌気が広がっている」と伝えている。

 オーストラリア政府の情報機関はいくつかあるが、ASISは海外担当でアメリカのCIA、イギリスのMI6に相当し、ASIOは国内担当でFBI、イギリスのMI5に相当する。

 シドニーのロウイー・インスティチュートで行われたASIS創設70周年記念講演でサイモン局長が明らかにしたもの。

 その中で、サイモン局長は、「オーストラリアに敵対的な国はオーストラリアをスパイするだけでなく、我が国の制度を弱め、価値観をねじ曲げようと図っている。しかし、同時に独裁政権の国々はますます脆弱になっており、反政府派を抑圧しようとするため、反政府派が西側諸国の情報機関にとって接近しやすい状況を作り出している。例えば政権指導者が自分の任期を廃止すると国内問題全てを一身に引き受けることになり、内部から広がり始める国民の間の幻滅までが自分にかぶさってくる。これが我々にとっては入り込む手がかりになる」と語っている。

 サイモン局長は、「独裁国家は全ての関係を取引と見なすため、自分達自身の信頼喪失を招いてしまう。中国政府の番犬のような「狼戦士」と呼ばれる中国官僚達は他国攻撃をもっぱらにしてきたが、世界中の人々の知性を見誤ってしまった。現在の中国の閉鎖的な風土に不満をいだき始めている官僚や一般市民が口を開き始めている。中国には古い文化があるが、今や権力に強制された単一風土になってしまっている。それがどういう結果をもたらすのかはまだ分からないが、私達との接触を求める人が増えていることは確かだ。私達が強制しているわけではない。その人達は現在の中国社会に多様性が失われつつあり、中国がどこに向かっているのかを危惧している人達だ」と語っている。

 また、中国とソロモン諸島との間の安全保障協定について、サイモン局長は4月にホニアラに飛び、マナセ・ソガバレ・ソロモン諸島首相に中国との協定を思いとどまるよう説得に努めたが不成功だった。これについても、ソロモン諸島の将来はソロモン諸島の人々が決めることとしてソガバレ首相批判をしなかった。ただし、「ソロモン諸島と情報を交換するためにはできる限りのことをする」とも語っている。
■ソース
Spy chief suggests Chinese officials are increasingly feeding information to Australian agencies

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