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シドニー鉄道の労使紛争ようやく決着

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州政府、韓国製車両の改修に3億豪ドル投じる

韓国の現代ロテムが製造するニュー・サウス・ウェールズ州営鉄道の新型車両(Photo: Wikipedia)

 オーストラリア最大都市の東部シドニーの公共交通機関に大混乱をもたらしていた労使紛争が、ようやく決着した。

 鉄道やバスなどシドニーの大半の公共交通機関を運営する地元ニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州政府と鉄道・路面電車・バス労組(RTBU)は25日、長引いた労使紛争を終結させることに合意した。7時間にわたる交渉の結果、州政府が労組の要求を受け入れ、12月2日に計画していたストは回避した。

 労組は「新都市間列車」(NIF)と呼ばれる韓国製の車両について、安全性に重大な問題があるとして改修を要求していたが、州政府はこれに応じていなかった。このため、労組はストや間引き運転、徐行運転などを繰り返し、市民の足に大きな影響が出ていた。

 デービッド・エリオットNSW州交通相は「シドニーの通勤客の勝利だ。紛争が解決したことを確信している」と述べ、労組と州政府がともに要求を受け入れたとの認識を示した。

 RTBUのNSW支部書記長を務めるアレックス・クラーセンズ氏は「合意書に署名したことは、私たちにとって大きな前進だ。私たちは常に鉄道網に新しい車両の導入が必要だと主張してきたが、必要なのは安全な車両だ」と語り、韓国製車両の改修に州政府が応じたことを評価した。

 NIFは「Dセット」とも呼ばれ、州政府がシドニーと近郊の地方都市を結ぶ車両を刷新するため導入を計画。韓国の現代ロテムと豪UGL、三菱電機のコンソーシアム(企業連合)が2016年に受注。現代ロテムが2019年から製造を開始し、最終的には610両(122編成)を納入する予定となっている。

 しかし、州政府が車掌を省いて運転手のみの運行を計画したところ、監視カメラ(CCTV)の不具合などにより乗客を見落とす可能性があり、安全性に重大な問題があることとして労組が反発。2020年以降、州政府との間で紛争を繰り返してきた。

■ソース
NSW government, rail union sign a deal paving way for end to rail strikes(ABC News)

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