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トヨタが20年連続シェア1位 オーストラリアの2022年新車販売

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車名別でも小型トラック「ハイラックス」が首位キープ

オーストラリアで最も売れている「トヨタ・ハイラックス」(Photo: Toyota Australia)

 オーストラリアの連邦自動車工業会(FCAI)によると、2022年のメーカー別の販売台数(グラフ)は、トヨタ自動車が23万1,050台(前年比3.3%増)と20年連続でシェア1位(21.3%)の座をキープした。豪トヨタによると、販売台数は過去14年間で最高を記録した。

 2位のマツダは9万5,718台(5.3%減、シェア8.9%)を販売。オーストラリア市場に強い日系大手2社がワンツー・フィニッシュを維持した。

 韓国・起亜自動車(7万8,330台)、三菱自動車(7万6,991台)、韓国・現代自動車(7万3,345台)がこれに続いている。

 また、車名別のランキングでは、トヨタの「ハイラックス」(6万4,391台)、米フォードの「レンジャー」(4万7,479台)の人気小型トラック2車種が、前年に続き1位と2位をキープした。

 3位以下は、トヨタのSUV「RAV 4」(3万4,845台)、三菱の小型トラック「トリトン」(2万7,436台)、マツダのSUV「CX-5」(2万7,062台)などとなっている。

豪連邦自動車工業会(FCAI)の統計を元に構成。作成:守屋太郎

中国車が急増 低価格EVで輸出攻勢か

 オーストラリアの新車市場は、日本と同じ右ハンドルということもあり、戦後の早い時期から輸出を開始したトヨタをはじめ日系メーカーの牙城となってきた。GM、フォードの米国勢も存在感が強かった。近年は現代、起亜の韓国勢が猛追してきた。

 しかし、GMは20年にオセアニア市場から撤退。その間隙を縫う格好で、中国メーカーがシェアを急拡大している。中でも、中国MGはスポーツ多目的車(SUV)の「MG ZS」が販売を急激に伸ばすなど、前年比で販売台数を27.1%増やし、メーカー別ランキングで7位に入っている。

 かつての中国車は、リセールバリュー(中古車の再販価値)が低く、ブランドにこだわるオーストラリアの消費者には見向きもされなかった。しかし、ここにきて中国の自動車大手「上海汽車集団」が、かつて英国の名門スポーツ・カー・メーカーとして知られたMGブランドの名前を小型車やSUVに冠し、攻勢をかけている。

 上海汽車は英国の自動車メーカー「MGローバー・グループ」の経営破たんを機に、2006年にMGのブランドを取得した経緯がある。

 オーストラリアの新車市場は今後、電気自動車(EV)へのフリンジ・ベネフィット税免除を背景に、電動化が急速に進む可能性がある。これを追い風に、中国メーカーは低価格EVの輸出攻勢を仕掛けると見られる。ガソリン車とハイブリッド車が主体の日本メーカーにとっては、大きな脅威となるかもしれない。

■ソース
FCAI releases 2022 new car sales data, Media Release, Federal Chamber of Automotive Industries
TOYOTA ACHIEVES STRONGEST CUSTOMER DELIVERIES IN 14 YEARS, Press Release, Toyota Australia

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