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オペラ・ハウスで日本とトルコの友情を表現した曲により平和を訴えるコンサートが開催─公演から10日後、指揮者・向山精二氏が死去

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出演者やハリト氏(右から2番目)、德田修一・在シドニー日本国総領事(右から5番目)、満里子夫人(右から4番目)駐オーストラリア・トルコ共和国ウフク・ゲゼル大使(右から7番目)らが向山氏(中央)を囲んで

 シドニーのオペラ・ハウスで4月29日、日本とトルコの友情を題材にした交響曲で平和を訴えるコンサートが開催された。 オーケストラの迫力ある演奏と共に、記録・再現映像が映し出された会場には、2000人以上の観客が集まり、コンサートを堪能。德田修一・在シドニー日本国総領事夫妻や駐オーストラリア・トルコ共和国ウフク・ゲゼル大使の姿も見られた。

 披露された組曲「友情」は、1890年、オスマン朝時代のトルコの訪日使節団を乗せた軍艦・エルトゥールル号が和歌山県串本町沖で台風に遭い沈没し、500人超が死亡したが、69人の命が住民らに救われ、その恩返しとして1985年のイラン・イラク戦争時、テヘランに取り残された日本人215人の脱出をトルコ航空機が救助したという2つの歴史的逸話を基に作られたという。和歌山県の音楽家・向山精二氏が作曲した作品を自ら指揮し、「争いよりも助け合いを」と呼び掛けた。

 向山氏は5月9日、78歳で亡くなった。同氏はガス会社を経営しながら作曲家・指揮者として活動。トルコ公演は十数回に上り、ニューヨークやベルリンでも催行した。 葬儀は11日に親族のみで行われ、後日、偲ぶ会が検討されている。

 同コンサートの司会を務めたトルコ出身のハリト・ムズラックル氏は、「向山先生、2年間のがんとの闘いの末、5月9日に永眠されました。あの拍手が鳴り止まないシドニー公演から10日後のことで、あまりにも早い出来事でした。彼から『命懸けで芸をしなければ、なにも伝わらない』と言われたことがありますが、まさに命を懸けて、舞台の上で魂を込めて最後の最後まで世界平和を訴え続けた方でした」と語った。






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