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オーストラリアでのキャリア構築に向け、人材会社で働く人からアドバイスを伝受/海外の就活事情④

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 オーストラリア留学は、日本社会においても確かなキャリアの礎を築く一助となります。そんな期待を抱く留学生は少なくありません。今回は、筆者がネットワーキング・イベントで知り合った人材紹介の専門家である片田充さんにインタビューさせてもらい、オーストラリアでの暮らしや社会人生活など、さまざまなアドバイスを頂きました。片田さんは、イギリス留学を経てキャリアを築き、成功を収めた1人です。現在は、メルボルンに在住し、人材紹介会社「パーソルケリー」でビジネス・デベロップメント・マネージャーとして活躍。オーストラリアでの就活についてプロフェッショナルな視点からの意見を紹介します。
(文・写真=沖あやか)

筆者(右)とインタビューにご協力頂いた片田さん(中央)。片田さんはAJBCVで副会長も務める

 「オーストラリアでの学びが、将来のキャリアにどうつながるのか」という疑問に、片田さんは「まず、オーストラリアでの学びそのものが高く評価されます。グローバル化が進む現在、大学レベルの英語力を身に着けることができますし、異なるバックグラウンドを持つ人びとと交流し、国際的な視野を養うことができます。そして、日本に対する複眼的な視点も身に付けられます」と話します。

 しかし、オーストラリアでの生活に不可欠な仕事を見つけることは、これまでの連載でも述べたように、容易ではありません。特に留学生にとっては、更なる困難が待ち受けます。そこで片田さんに、オーストラリアの就職事情について伺いました。

 「オーストラリアでの就職は、決して容易ではありません。物価の高騰やビザの問題など、多くの課題が待ち受けます。現在は就職経験なしにフルタイムの仕事を見つけるのはかなり難しいでしょう。そのため、一度日本に帰国し、キャリアを築くことをお勧めします。それをステップバックととらえる必要はなく、新たなチャンスとして考えることが大切です。海外での実務経験が乏しい状況下での就職活動は、日本以上に大きなハンディキャップがあります。なぜなら、オーストラリアでは新卒市場が日本に比べて、かなり小さいものになっているからです。オーストラリア人でも正社員の仕事を得るのにとても苦労しています。そのため、日本に帰り、さまざまな経験を積み、そしてオーストラリアで再度チャレンジしてください。帰国した際の社会経験がオーストラリアでは大きく評価されます。私自身の経験もそうです。一度帰国し、準備を整えた後、再び挑戦することで、成功を収めることができました」。

オーストラリアでのキャリア構築に向けた助言

 オーストラリアにおいて実務経験なしでの就職は難しいと伺いましたが、オーストラリアで働きたい方々はどのような対策をとればよいのでしょうか。そのために、片田さんに助言を求めました。日本に帰国後は、どのようなキャリアパスを選ぶべきかについても、尋ねしました。

 「オーストラリアでの就職を目指すなら、大学生のうちから積極的に行動することが重要です。ボランティアやインターンシップの経験を積むことで、会社環境に慣れ、貴重な実務経験を得ることができます。現在はインターンシップの機会が減っていますが、くじけずにたくさん応募してください。企業系のインターンシップを受けることで、さまざまなスキルを身に付けるチャンスが広がります。また、コミュニティー・ビルディングを通じて、地域社会や業界内での人脈を築くことも大切です」

 「オーストラリアでの就職に関して、日本からの駐在員案件は貴重な機会です。日本の企業での経験を積んだ後、オーストラリアでの駐在員としてのキャリアを築くことで、ビザの問題を回避し、貴重な海外経験を得ることができます。また、オーストラリアの地で日本との関連性を持つ企業で働くことも、将来のキャリアにつながる可能性があります。オーストラリアでの駐在員としてのキャリアを積むことで、貴重な海外経験を得ることができます。長期的な視野でキャリアを構築することが重要です。失敗や困難を乗り越えて成長する姿勢を持ち続けることが、オーストラリアでの成功のカギとなるでしょう」

 大学卒業後のビザ状況に関しては、確かにハンディキャップがあるかもしれませんが、日系企業や日本との関わりの深い企業が多いオーストラリアでは、チャンスがまだまだあります。

 片田さんは、「最初は苦労も多く、挫折も経験します。しかし、その先には確かな評価と成長が待っています。地道な努力が、成功への鍵を握っているのです」と海外生活がバラ色ではないことも率直に述べました。

 「オーストラリアでの生活を成功させるためには、リバウンド・メンタリティが必要です。失敗してもくじけず、何度でも立ち上がり、新たなチャレンジを続けることが大切です。また、物事が思うように進まないこともあるでしょうが、寛容さを持ち、柔軟な対応が求められます。オーストラリアでの生活は、挑戦と柔軟性を兼ね備えた精神が求められるのです」

 今回のインタビューで、貴重なご意見やアドバイスを頂いた片田さん、ありがとうございました。読者の皆様もぜひ、オーストラリアでの就活の参考にしてみてください。





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