フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法
片頭痛かどうかが分かるセルフチェック
坂井文彦さんは日本の医師で頭痛の世界的権威です。日本頭痛学会や国際頭痛学会の理事長を歴任した頭痛治療のエキスパートで、彼の本に片頭痛のセルフチェックの方法が紹介されています。実際に私が診察している片頭痛の患者さんでもほとんどが当てはまります。また、事前に医師の診察を受け、2次性頭痛ではないことを確認したということが前提です。
この3カ月間、あなたの頭痛には次のような特徴はありましたか? 以下の4つの質問に「はい」か「いいえ」で答えてください。
- 頭痛があった時に胃の不快感や気持ち悪さがありましたか?
- 頭痛がした時、光がいやだと感じましたか?(頭痛がない時に比べて光がまぶしかったですか?)
- 頭痛により自分の仕事、勉強、もしくは自分がやらなければいけなかったことなどが1日以上できなくなったことがありますか?
- 頭痛の時、普段より「におい」に敏感だと感じますか?
上記4つの質問全てに「はい」と答えた場合、あなたの頭痛は95%の確率で片頭痛となります。最初の3つの質問に「はい」と答えた場合でもあなたの頭痛は90%の確率で片頭痛となります。また、現在頭痛があるが、これが片頭痛かどうか分からない、という場合は以下のことからも判断できます。
・動くと辛い=静かな暗い部屋でじっとしていたいと感じる
・腰を折るようにして深くおじぎをし、頭を心臓より下の位置にすると頭に痛みがガンガン響いて頭痛が更にひどくなる
これらのどちらかが当てはまればあなたの頭痛は片頭痛である確率が高いです。
(出典:坂井文彦『片頭痛』からの卒業 Chap2 P3~5)
片頭痛も頭痛も、首や肩の凝りに関係していることが分かっています。寒い冬の間は緊張により体を縮めていたり、動かずにじっとしていることが多くなります。頭や腕の重さは常に首と肩に掛かってくるので、冬こそ積極的に動くように心掛けましょう。
では具体的に何から始めればいいかというと、まずは毎日最低7000歩以上、腕をしっかり振って歩くようにしましょう。座っている時間が長い場合は30分に1度は立ち上がり、その場で足踏みをしながら腕は平泳ぎの動作を30秒間行い、体を温め血流を良くしましょう。いつの時代も頭痛には運動が最良のお薬です!
セラピスト紹介
奥谷 匡弘(ただひろ)
オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。セント・ヴィンセント病院で勤務後、自身のクリニックでプロ・スポーツ選手や財界の著名人の治療に多く携わる。特に顎関節症や頭痛治療に造詣が深く、セミナー講師も務める。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au/