幸せワイン・ガイド@オーストラリア
料理とワインで心はイタリアへ
日豪プレスをご覧の皆様、こんにちは。このコラムを執筆している現在は7月、シドニーはロックダウン真っ只中です。海外旅行が再び自由にできるようになるまでにはまだまだ時間が掛かりそうですが、ぜひワインを飲んで旅行気分を楽しんでみてください。
さて、前回はフランスのお話を少ししました。今回はイタリア・ワインについてお話ししたいと思います。
最近ではオーストラリアでも、いろいろなイタリア・ワインが手に入りやすくなりました。今回は比較的どこでも購入しやすく、お値段もお手頃なイタリア・ワインをご紹介していきます。
プロセッコ Prosecco
プロセッコとは、北イタリアのヴェネト州で作られる白いスパークリング・ワインです。辛口のシャンパーニュと比べるとほんのりと甘い、フレッシュな果実味とお手頃な価格が魅力です。
イタリア・レストランやワイン・バーで、アペリティフの定番としてすっかり定着したプロセッコ。プロシュートやオリーブなどの前菜との相性が良いです。
もともと「プロセッコ」とは、このスパークリング・ワインを作るブドウ品種の名前でもあったため、オーストラリアでも同じブドウを使った「プロセッコ」が生産されています。しかし、本土イタリアでこの品種の名前が「グレラ」に変更になり、オーストラリアの生産者に対し「プロセッコ」という名称の使用禁止を求めています。これに関する議論がまだ長く続くようですが、今のところ、完全禁止にはなっていないようです。
ソアヴェ Soave
こちらもヴェネト州からのご紹介。イタリアを代表する白ワインの1つ、ソアヴェです。ガルガネガという、舌を噛みそうな名前のイタリア固有のブドウ品種で作られていて、爽やかなオレンジやピンク・グレープフルーツなどの柑橘の香りに、しっかりと深みのある味わいが魅力です。
シーフードとの相性が抜群で、グリルしたイカや白身魚、ベジタリアンであればリゾットなどと合わせてみてください。
キアンティ・クラシッコ Chianti Classico
あまり詳しくない人でも1度は聞いたことがあるワインではないでしょうか。セントラル・イタリアのトスカーナ州の赤ワインで、シエナとフィレンツェの間にあるキアンティ地方のワインです。
サンジョヴェーゼというブドウ品種を主力品種とし、サワー・チェリーやココア・パウダーのような味わいや香りの特徴があります。トマト・ソースの料理、特にピッツァとの相性は抜群です。サンジョヴェーゼもまた、オーストラリア産の物をよく見掛けます。
ネロ・ダヴォラ Nero d’Avola
イタリア南部のシチリア島を原産地とする赤ワインの品種です。深い色合いとブラック・チェリーやプラムなどの黒い果実、タバコ、リコリスなどの特徴があり、渋みもしっかりとあり、フルボディの赤ワインです。
ソーセージやステーキなどのガッツリとした肉料理、トリュフを使った料理やハードチーズ、また椎茸などのきのこ料理もお薦めです。熱や乾燥に強い品種でもあるネロ・ダヴォラは、オーストラリアでも最近注目の品種でもあり、オーストラリア産の物も出回っています。
いかがでしたか? 気分だけでも束の間、イタリアへ飛ぶことができたでしょうか。次のイタリアン・ディナーの時には、ご自宅でも、テイクアウェイでも、ぜひ参考にしてみてください。同じイタリア品種のワインを、イタリアとオーストラリアの物を両方そろえ、飲み比べるのも楽しいですね。コロナ禍でいろいろと不自由な日々が続きますが、少しでも皆様ができる範囲で心にゆとりを持てる日が続きますように。
お薦め:アペリティフに
Ciero Prosecco Brut NV $20
Web: www.cielo1908.com
お薦め料理:シーフードのグリル、リゾット
Cantine Pra Soave Classico ‘Otto’ Veneto $32
Web: www.vinipra.it/en
お薦め料理:マルゲリータ・ピッツァ、ラザニア
Antinori Peppoli Chianti Classico $35
Web: www.antinori.it
このコラムの著者
フロスト結子
オーストラリアと日本でワイン業界に携わり10年以上。ワイン卸業社に勤務しながらフリーランスでもワイン専門通訳、翻訳、ライター、市場調査、イベントなど幅広くこなす。私生活ではマラソン・ランナー。世界最大のワイン教育機関WSETの最上位資格、WSET®︎Diploma in Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。 Web: auswines.blog.jp