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日豪フットボール新時代「昇格」第125回

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日豪フットボール新時代 第125回
昇格

躍動する加藤(左)と平山(©️Caitlin Jade Media)
躍動する加藤(左)と平山(©️Caitlin Jade Media)

 昨年末、2人の日本人選手がプレーしたブリスベン・ロアのプレ・シーズン、一般公開された練習試合を取材に行った時のことだ。関係者が集まる一角で、ある懐かしい顔に会った。マット・スミス、元ロアの主将で、現在はブリスベン・シティFC(当時、QLD州2部/豪州3部相当)の監督兼選手としてまだまだ元気に活躍している。旧知の間柄なのであいさつを交わして、しばし立ち話をした。

 ブリスベン・シティといえば、ブリスベンのローカル・フットボール界で長らく存在感を発揮したてきた名門。2年前にまさかの大不調で州2部のFQPLに降格し、1年でNPL(州1部/豪州2部相当)に復帰を目指すための強化をまさに始めたタイミングだった。

 「良い日本人を獲ったんだ。ヒラヤマを知ってるか」と尋ねられた。前年のFQPLで得点王の平山勇太のことを知らないはずがない。まさかの降格から、1年でのNPL復帰という唯一にして最大のタスクを果たすには、なりふり構わぬ強化をするのは予想していたが、さすがに目の付け所が良い。更に「日本人をもう1人獲りたい」との言葉も聞けたが、それからしばらくして加藤光史の入団も決まった。これらの移籍にはQLD州をベースに活動する三上隣一(Go Zamurai)の存在がある。必ずや1年で復帰するシティで活躍の場を得られれば、NPLという州の最高峰にクラブと共に「個人昇格」も果たせるというビジョンが、シティの強化ニーズとハマった形だろうか。

 シティがFQPLで無双したシーズン、平山は得点ランク2位、加藤は全試合出場の欠かせない戦力として、2冠での完全優勝に大きく貢献した。古豪ブリスベン・シティは、1年限りのFQPLを駆け抜け、来季は州の最高峰に戻って来る。NPLの舞台で再び存在感を発揮するであろうクラブで来年もまた2人の活躍が見られるのだろうか。

 2人に話を聞く機会は改めて持つとして、まずは優勝とNPL復帰/昇格を心より祝したい。

このコラムの著者

植松久隆(タカ植松)

植松久隆(タカ植松)

タカの呟き
「W杯最終予選での日豪戦は必ず現地取材してきたが、今回はコロナ禍で12年目にして初めてのテレビ観戦。現地取材のように試合直後の締切もなく幾らかリラックスして観戦できたのは良いが、やはりしびれるような緊張感は現場でなきゃ。来年の豪州開催の日豪戦は必ず現地に赴くと固く誓った」





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