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花のある生活「礼を尽くす」

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 花のある生活─ flower in life ─

第25回:礼を尽くす

元旦の朝をイメージして、水引を使い新春の朝の光と、初日の出をいけています。星形が集合した花、ペンタスが煌こうこう々とした太陽に感じます
元旦の朝をイメージして、水引を使い新春の朝の光と、初日の出をいけています。星形が集合した花、ペンタスが煌こうこう々とした太陽に感じます

明けましておめでとうございます。ご愛読頂いております「花のある生活~Flower in life~」は3年目を迎えさせて頂きました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年末は令和元年を記念した日本伝統芸能祭が、世界遺産であるシドニー・オペラ・ハウスで開催され、満員御礼で大成功を遂げました。芸能祭のオープニングでは、いけばなのパフォーマンスで始まり、青竹を用いた高さ2メートル20センチにも及ぶ大作を音楽と響宴いたしました。オーストラリアで初めて日本伝統芸能が披露できる最高の機会に恵まれ、共演者一同、ご来場頂きましたお客様、多方面からご支援頂きました皆様に、深い感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

「礼を尽くす」という言葉をご存知ですか。言葉は知っていても現代生活のスタイルにはマッチしなくなり、はっきりとした意味が分からないまま、言葉だけが取り残されているように感じます。私が思うところのこの言葉の意味は、人を敬うことが基本にあると思っています。人に対して丁寧に接したり、気遣ったり、自分にしてもらえたらうれしいなと思うことは、率先してするようにしています。お花に対しても同じ気持ちでいます。また植物を育てる時も、水をあげるタイミングを気候や状態に合わせて選び、植物に合わせて行うことに気を付けています。

お正月用のしめ縄の上に、赤いローズをいけました。イベント準備中にエールとして頂いた薔薇を使用しています
お正月用のしめ縄の上に、赤いローズをいけました。イベント準備中にエールとして頂いた薔薇を使用しています

花も人も、目に見えていることだけが全てではなく、敬意を持って丁寧に接することで、見ること感じることが変わってくることがあります。礼を尽くすこと、それは自分自身への大切な業であるのではないかと思っています。

新しい年が明け、令和の時代が本格的に始まりました。今年はいよいよオリンピックが日本で開催されます。外国からの大勢のお客様を招き入れる日本は、世界中から注目をされることになりますね。世界に向けて発信される壮大ないけばな芸術と、礼を尽くすことのできる日本の美しさを、ぜひご覧になって頂けたらと思います。

 2020年オリンピック開会式にて、草月流家元が関わり花火を打ち上げるとの記載がございましたが、現在のところ、そのような花火が打ち上げられることはございません。誤解を招く情報がありましたことを深くお詫び申し上げます。なお該当箇所は削除させていただきました。

Yoshimi
草月流華道講師。幼少の頃から花を嗜む。学生の頃、本格的に活動を始め大阪高島屋に出展。兵庫県議会公館迎え花を担当。シンガポール駐在中に趣味の油絵といけばな展をシンガポール高島屋で行う。現在はシドニーのセント・アイビスのスタジオで華道教室フラワー・イン・ライフ(www.7elements.me)を開講

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