日本ラグビー界では現在、オーストラリア、ニュージーランドなど世界の強豪チームでの代表経験を持つ選手が多数プレーしており、日本のレベル・アップにひと役買っている。そこで、かつて豪州で活躍し、現在は日本に舞台を移した元ワラビーズの選手たちについて日本からリポートする。 文=山田美千子/写真=山田武
ラグビー・シーズンの到来
史上最高の盛り上がりと言われたRWC日本大会が終わり、ぽっかりと心に穴が空いた日々を過ごしていた。しかし、ふと気付けば、2020年。夏には東京に五輪、いや、その前に国内リーグ、スーパー・ラグビーとラグビー・シーズンが始まるではないか。
国内のトップ・リーグより一足早く始まったトップ・チャレンジ・リーグでは、RWC日本大会でワラビーズを引退したばかりのSHウィル・ゲニア選手、元ワラビーズのFHクエイド・クーパー選手がそろってレベルズから移籍し、ハイ・レベルのプレーでファンを魅了している。2人が所属するのは、日本ラグビー界でも有数の老舗チーム「近鉄ライナーズ」だ。過去にも、ラディキ・サモ選手やジーン・フェアバンクス選手、アンソニー・ファインガア選手といった元ワラビーズが所属。ここ数年はトップ・リーグの下部リーグでの戦いが続いていたが、今季、この新加入の2人の顔を見れば、チームの本気度を伺うことができる。
19年12月10日現在、チームは3戦3勝と好調だ。日本代表のトンプソン・ルーク選手も所属し、最後のシーズンを迎えることで、国内でも注目が集まっているが、果たして今季はどんな成績を残すことができるのか、楽しみだ。
トップ・リーグのクボタにはバーナード・フォーリー選手、サントリーにはサム・ケルビ選手の他、選手としてコーチとして多くの元ワラビーズたちが日本ラグビー界にやってくる。RWCが終わっても、まだまだ、楽しみは尽きない。