オーストラリアの日系コミュニティー・ニュースをお届け!
Japanese Community News
オーストラリアにおける日系コミュニティーのニュースや最新情報を紹介していくと共に、シドニーを中心に各地で行われるセミナーやイベントの告知や報告などを掲載。
カウラ庭園のセンター再開館
島根産・石州瓦の葺き替え完了で竣工式
NSW州中部カウラ市にあるカウラ日本庭園で1月29日、瓦屋根の葺(ふ)き替えを終えた文化センターの新しい姿が披露された。広さ100平方メートルの文化センターの屋根には、江戸時代からの伝統を誇る島根県の石州(せきしゅう)瓦が用いられている。
今回の屋根の葺き替えは、日本の職人が作った瓦を、オーストラリアの職人が施工し完成させた。1月29日に行われた竣工式にはオーストラリア保守連合政権のマイケル・マコーマック副首相やカウラのビル・ウエスト市長、在オーストラリア日本国総領事館の大村周太郎公使も参加し、日豪合作ともいえる同センターの新生を祝った。
同式典では、同庭園のボブ・グリフィス代表が「江戸様式の庭園デザインの統一感を保つためには日本の瓦を使うことが必須だった」と述べた。また、来豪した石州瓦工業組合の木村博紀理事長は「オーストラリアに初めて輸出した私どもの瓦が、日豪友好の地で使われたことは大変光栄です」と話した。
瓦の葺き替え事業には、在オーストラリア日本国大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ)、在シドニー日本国総領事館が協力した。カウラ日本庭園は1979年に開園し、今年で40周年を迎える。
アデレードで領事出張サービス
在メルボルン日本国総領事館
在メルボルン日本国総領事館は3月21日、南オーストラリア州アデレードで領事出張サービス「1日総領事館」を実施する。在外公館のない同州在住の邦人を対象に、在外選挙人名簿登録や、在留届、旅券(パスポート)の申請・交付、各種証明書(在留証明、署名証明など)の申請、出生届、婚姻届、戸籍や国籍に関わる届出などに関するサービスを提供する。
当日、各種証明書の交付を受ける人は、3月11日必着で同総領事館あてに郵送申請を行う。当日受付の場合、郵送での交付はできないため、後日、本人または委任状を持つ人が直接、同総領事館に取りに行くことになる。また、会場にはコピー機がないため、事前に必要な書類の写しを用意する必要がある。
■アデレード1日総領事館
日時:3月21日(土)8AM~1PM
場所:The Bullion Room, Adina Apartment Hotel Adelaide Treasury(2 Flinders St., Adelaide SA)
問い合わせ:在メルボルン日本国総領事館領事部
Tel: (03)9679-4510(平日9AM~1PM、2PM~5PM)
当日の連絡先Tel: 0407-303-769
郵便物の宛て先:Consular Section, Consulate-General of Japan(Level 25, 570 Bourke St., Melbourne VIC 3000)
Web: www.melbourne.au.emb-japan.go.jp/itpr_ja/adelaide.html
令和初の天皇誕生日祝賀レセプション開催
在シドニー日本国総領事館は2月11日、天皇誕生日(2月23日)祝賀レセプションをシドニー東郊ローズ・ベイにある在シドニー日本国総領事公邸で開催した。恵まれた天候の下、NSW州政府関係者や日本企業代表者ら、各界から250人以上が参加した。
レセプションの冒頭では、シドニー日本人国際学校の児童らによる日豪両国の国歌斉唱と、オーストラリア国内での森林火災の犠牲者への黙とうが行われた。紀谷昌彦・在シドニー日本国総領事は祝賀あいさつの中で、日本企業や組織などによる森林火災の救援と復旧支援活動に感謝を述べた上で、令和初の天皇誕生日で60歳を迎える天皇陛下の健康を祈念した。更に、昨年のラグビー・ワールドカップや今年開催される東京五輪・パラリンピックを通じて訪日オーストラリア人の増加や直行便の増加などによる日豪間の交流の深化や、シドニー西部エリアの開発などを中心とするNSW州と日本のビジネス関係の強化など、多方面にわたる日豪関係の緊密さについて述べた。また、第2次世界大戦終結から今年で75周年を迎えるにあたり、オーストラリアが日本に示してきた寛容の精神と今日までに日豪両国間に築かれた信頼関係にも言及した。
同レセプションに出席したグラディス・ベレジクリアンNSW州首相は、天皇陛下への祝意を述べ、鏡割りの音頭を取った。和太鼓の演奏も披露された会場では、日本産米を使ったすしや飛騨牛、日本酒などが振る舞われ、日本企業の抹茶ドリンクなどの製品やサービス、東京五輪・パラリンピック、NSW州の姉妹都市などを紹介するブースも設けられた。
日本人学校児童、練習の成果を披露
同レセプションで君が代とアドバンス・オーストラリア・フェアを斉唱したシドニー日本人国際学校の児童は、日本人学級と国際学級のイヤー6の15人。歌声を披露するにあたって数週間にわたり練習を重ね、当日に臨んだ。同校の日本人学級・音楽担当教員の瀬戸辰徳氏は「音楽の授業でも歌っている日豪両国の国歌を子どもたちが精一杯歌いました。貴重な機会を与えていただき、大変光栄に思います」とコメントした。
新年経済講演会・賀詞交歓会を開催
シドニー日本商工会議所
シドニー日本商工会議所(会頭=宮地宏:オーストラリア三菱商事会社)の企画委員会(委員長=馬島知恵:日立オーストラリア)は2月10日、恒例の新年経済講演会・賀詞交歓会を開催し、約70人が参加した。
当日は、嶋中雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与・景気循環所長)から、「景気循環から見た世界と日本経済~2020年の展望」をテーマに話を聞いた。講演会後の懇親会では、会員相互の親睦を深めた。
邦人安全対策連絡協議会で詐欺対策など意見交換
在シドニー日本国総領事館
在シドニー日本国総領事館は1月28日、シドニーの旅行関連業者、留学・教育関連業者、日本政府系組織の代表者らを招き、「邦人安全対策連絡協議会」を開催した。協議会は松尾秀明首席領事の司会の下、紀谷昌彦総領事による冒頭でのあいさつに続き、江﨑崇領事により「NSW州における治安情勢と詐欺対策」をテーマとしたレクチャーが行われた。
江﨑領事は、近年のNSW州における犯罪統計や日本との犯罪発生率の比較などを説明し、すり、置き引き、ひったくり、暴行・傷害、性犯罪などの傾向と対策を挙げた。また、2017年から増加傾向にある詐欺犯罪についてはフィッシング詐欺や個人情報詐取、賞金詐欺、架空請求などオンラインとオフラインでの詐欺の他、住まいの契約でボンド(敷金)を先に振り込ませるなどのクラシファイド詐欺、森林火災被害に便乗したブッシュ・ファイア募金詐欺など身近な事例を解説。詐欺犯罪から身を守るための7カ条として、①詐欺の可能性を常に意識する、②取引相手を調査する、③疑わしいテキストやメールは開封しない、④個人情報を確実に保管する、⑤異常な決済方法に注意する、⑥パソコン(スマートフォン)を安全に管理する、⑦パスワードは慎重に選択することが呼び掛けられた。
同協議会の参加者による意見交換では、日本からの旅行者の携行品の紛失、インターネット上の交流サイトで恋愛関係を装った振り込め詐欺の一種「国際ロマンス詐欺」など、オーストラリアでの実例が話し合われた。ワーキング・ホリデー・メーカーや留学生など若年層に多いホームステイ先でのトラブルの例では「誰もいないところで家の人にハグされたがセクハラにあたるか?」といった質問があったとして、判断に迷う場合は留学エージェントに相談してほしいという声も挙がった。
実際に詐欺被害に遭った場合の警察の連絡先として、近くに犯人がいるなど緊急時は「000」、それ以外は「131-444」に、早期に通報することで個人情報の悪用などの二次被害の防止も可能となる。警察などの公的サービスでも日本語通訳サービスを利用できるが、領事館でも日本語で相談を受け付け、正しい連絡先や相談先の案内などのサポートを提供している。さらに、海外旅行者など短期滞在では外務省海外旅行登録「たびレジ」の利用、3カ月以上滞在する場合は「在留届」の提出も呼び掛けられた。
ジャパン関西ツーリズム・セミナーが開催
企業・自治体など15団体が出展
関西観光本部、大阪観光局、関西エアポート株式会社は2月5日、日本政府観光局(JNTO)シドニー事務所協力の下、シドニー中心部リッジズ・ワールド・スクエア・ホテルで関西エリア観光プロモーション・イベント「ジャパン関西ツーリズム・セミナー2020」を共催した。当日は主催3団体の他、神戸観光局、近畿日本鉄道株式会社、京阪ホールディングス株式会社、阪急阪神ホールディングス株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、南海電気鉄道株式会社など計15の企業・自治体が出展し、観光地としての関西の魅力を集まった人びとにアピールした。
同セミナーでは、関西エアポート株式会社の大久保江里子氏に続き、JNTOシドニー事務所の田中麻里香氏、紀谷昌彦・在シドニー日本国総領事のあいさつで幕を開けた。その後、パフォーミング・アーティストのジャロッド氏による関西地域の観光名所、食文化、アクセスなどのプレゼンテーションや、終盤には落語家によるパフォーマンスも披露された。また、日本舞踊家の平林純子氏によるダンス・レッスンも行われ、会場は大いに盛り上がった。
交流セッションでは、担当者が各ブースにてパンフレットや紹介動画を活用しながら、訪れる参加者に熱心に説明する姿が見られた。参加者も積極的に質問する様子から関西地域への観光意欲の高まりが伺えた。
ブリスベン総領事館で新年祝賀レセプション
日本食関連業界から多数出席
在ブリスベン日本国総領事公邸で1月30日、毎年恒例の新年祝賀レセプションが開催された。ブリスベン、ゴールドコーストの日系各団体の代表など108人の招待客が一堂に会し、令和2年の年明けを祝った。
同レセプションでは冒頭の田中一成・在ブリスベン日本国総領事のあいさつ、日系団体の代表者による鏡割りに続いて、ゴールドコースト日本商工会会頭の砂川盛作氏の発声で乾杯を行った。招待客は、おいしい日本食に舌鼓を打ちながら、歓談に花を咲かせた。
今年は日系の飲食・日本食卸業界から20人と多くの招待客があった。本紙の取材に対し在ブリスベン日本国総領事館は、「日本の農林水産物・日本産食品の重要輸出先国であるオーストラリアに対する更なる輸出拡大を目指す時、より多くのオーストラリア人に日本食を知ってもらい、消費してもらうことが重要。そのためには、当地の日本食品卸業者や日本食レストラン関係者のご協力が不可欠で、今回の場が日本食・日本酒の当地への輸出拡大に利するネットワーキングの一助となればと考えた」とコメントした。
当地の日本食業界への高い期待を受けて、レセプション会場では積極的な名刺交換、情報交換などのネットワーキングの様子が多く見られた。
「コアラのマーチ」35周年、広がるコアラ支援の輪
ブリスベン、ゴールドコースト
オーストラリアと縁の深い人気商品「コアラのマーチ」を販売する菓子メーカーのロッテは、オーストラリアの大規模森林火災を受けて、コアラの保護や調査研究を行うブリスベン拠点の非営利団体・オーストラリア・コアラ基金への13万豪ドル(約965万円)の寄付をこのほど発表した。
同社は長年にわたり、販売利益の一部をコアラ保護の活動を続ける同基金へ寄付し続けており、今回は追加での寄付となった。
また、「コアラのマーチ」発売35周年の特別企画として、昨年、ロッテは同商品の新しい絵柄を募集するキャンペーンを実施。4万件を超える応募作品の中から最優秀賞に選ばれた受賞者にはブリスベン、ゴールドコーストへのペア旅行が賞品として贈られ、2月に受賞者がQLD州を訪れた。14日、来豪の受賞者一行がオーストラリア・コアラ基金のオフィスを訪問。同基金の活動内容と森林火災の被害がコアラに及ぼす影響の説明を受けた。同日、ゴールドコースト郊外の牧場をテーマとしたアトラクション施設「パラダイス・カントリー」で、受賞を祝うギフトの贈呈式に参加した後、同園が飼育するコアラとの対面を果たした。
オーストラリア限定販売の「コアラのマーチ マンゴー味」を取り扱う土産物店オーケー・ギフト(ゴールドコースト、ケアンズ)は、同商品の販売で間接的にコアラ基金への寄付を行う。また、日本の有名ユーチューバーのヒカキン氏が「『コアラのマーチ』を買ってコアラを助けよう」と呼びかけるなど、「コアラのマーチ」に端を発するオーストラリアのコアラ支援の輪は広がりを見せている。
■オーストラリア・コアラ基金
Web: savethekoala.com
森林火災寄付、日本関連団体から500万豪ドル超
昨年末から続いたオーストラリア各地での森林火災による未曾有の被害を受け、日本企業や日本関連団体から寄せられた義援金が1月24日時点で500万豪ドル(約3億7,000万円)を超えたことが明らかになった。在オーストラリア日本国大使館が、同館と在豪各領事館による集計結果を1月28日、発表した。
被災したコミュニティーの復興のため、今後もさまざまな団体・個人によるチャリティー・イベントを通じた募金活動等が予定されている。
ゴールドコーストで東日本大震災による物故者法要
2011年3月11日に発生した東日本大震災により亡くなった人びとを供養する法要が3月7日、浄土宗阿弥陀寺のウィルソン哲雄(てつゆう)住職によりゴールドコーストで執り行われる。会場はマルチカルチュラル・コミュニティーズ・カウンシル・ゴールドコースト(MCCGC)。宗教、宗派を問わない形でのメモリアル・サービスで、誰でも参加することができる。
■東日本大震災物故者法要
日時:3月7日(土)10AM~12PM
場所:Multicultural Communities Council Gold Coast(MCCGC, 1 Dominions Rd., Ashmore, Gold Coast, QLD)
問い合わせ先:jodoshu_aust@yahoo.co.jpまたは0414-203-483
GCで「ジャパン&フレンズ・デー」開催
新会場でコスプレ・コンテストも
ゴールドコースト日本人会は3月22日、ゴールドコースト・ロビーナで毎年恒例の日本の祭り「ジャパン&フレンズ・デー2020」を開催する。
今年は会場をロビーナ・コミュニティー・センターに移し、日本の夏を思わせる昔懐かしい縁日や、フードとクラフトの屋台、同イベントの今年のパートナー・スポンサーである宿泊施設ウッドロフ・ホテルのブースなどが会場に並ぶ。ラッフルや盆踊りといった定番のプログラムに加え、初開催となるコスプレ・コンテストなども予定され、コンテスト優勝者には賞品が授与される。その他、和太鼓、日本舞踊、よさこい、けん玉、剣道、ズンバなどのパフォーマンスなども行われる。
■Japan & Friends Day 2020
日時:3月22日(日)10AM~4PM
場所:Robina Community Centre(196 Robina Town Centre Dr., Robina QLD)
料金:入場無
Web: facebook.com/Japan-Friends-Day-134826950018791(イベント公式ページ)、facebook.com/JSGCinc、jsgc.org.au/jfd(ゴールドコースト日本人会)
※このイベントは開催中止となりました。詳細のお問い合わせは主催団体まで
東京行きを決めたサッカー豪州U23代表
日系選手が貢献
1月、タイで行われたサッカーU23アジア選手権。その3位決定戦でウズベキスタンに勝利したオーストラリアU23代表(愛称:オリルーズ)が東京五輪出場権を獲得して喜びを爆発させた。その喜びの輪の中に1人の日系選手が含まれていた。日本人を母に持つシドニー出身のDFコナー・オトゥール選手(22)だ。
男子サッカーでは、五輪はW杯に次ぐ位置づけの大会で、4年に一度のU23の世界大会として行われるようになって久しい。フル代表兼任で同チームを指揮するグラアム・アーノルド監督により、大事な五輪への出場権を得るために負けられない大会の23人のメンバーに選ばれたオトゥール選手だったが、その重要な大会での出番はなかった。オリルーズの東京五輪出場は決まっても、オトゥール選手個人の出場はおろか五輪を目指すチームへの選出も保障されていない。五輪本番のメンバー入りに向けてのさらなるアピールのため、試合出場機会を求めて、五輪出場権決定直後、Aリーグのブリスベン・ロアから同リーグのニューカッスル・ジェッツに移籍した。ここからさらにアピールしていく若き“サムライ”を引き続き、見守っていきたい。(投稿=本紙特約記者・植松久隆)
岐阜のメルボルン倶楽部が15周年
岐阜県垂井町にある「メルボルン倶楽部」が、このほど府中地区まちづくりセンターで創立15周年の総会を開き、約30人の会員が集まった。まとめ役は早瀬正敏さんで、かつてメルボルン市にあるジェトロ(日本貿易振興機構)に勤務。退職後故郷の垂井町で観光協会の代表をしている。
会員はオーストラリアを旅行した人、オーストラリア好き、外国人留学生をホームステイさせた住民など。早瀬さんは「これまでの国際理解や国際交流をベースにして、多文化共生に向けて日本社会の変化にも目を向けよう」と提案した。総会には、同町の学校に派遣されている英語教師の英国人や同町に在住しているブラジル人も参加した。
垂井町は天下分け目の決戦があった関ヶ原の古戦場の隣町。農村地帯で865人の外国人が暮らしている。国籍別では、ブラジル人336人、中国256人、フィリピン38人、韓国・朝鮮18人、ペルー22人、ベトナム127人、その他68人で、地方自治体でも国際化が進んでいる。
また、神戸市中央区にある神戸日豪協会はクイーンズランド州に留学した女性が48年前の1972年に立ち上げた。機関紙『WALLABY』を発行。オーストラリア各地のカレッジに日本語教師を派遣している。約1年間、オーストラリア人教師の補助役として学生に接している。2020年には、男性7人、女性13人が派遣される。(投稿=ジャーナリスト・青木公)
「GOGYO」新店、メルボルン・フィッツロイに開店
メルボルン近郊フィッツロイのブランズウィック・ストリートにこのほど、ラーメン・ダイニング「GOGYO Fitzroy」が新規オープンした。「五行」は一風堂グループが西麻布や京都、名古屋で経営する焦がしラーメンが人気のブランド。オーストラリアではシドニーに約3年前に開店した「GOGYO Sully Hills」に次ぎフィッツロイが2店舗目となる。
アルコールとつまみの後にラーメンでしめるというコンセプトを持つ同店では、タコから揚げや味噌チキンといったつまみから、ラーメンは「豚骨クラシック」「チリしょうゆ」「ベジそば」など多彩なメニューを、日本酒や日本のビール、カクテル各種と共に楽しむことができる。80席を擁する店内は落ち着いたムードで、ランチ、ディナー共に営業する。
同店の外観の特徴の1つとなっている高さ10メートルのウォール・アートは、NSW州立美術館などにも作品が展示されたアーティストのケンタロウ・ヨシダ氏の作。「五行」が意味する木、火、土、金、水の5つの要素を表現しており、アートの街フィッツロイの新たなアイコンになりそうだ。
「Nakano Darling」ダーリング・ハーバーに新規オープン
シドニー中心部ダーリン・ハーバーに日本の居酒屋をイメージした「Nakano Darling」が新規オープンした。古き良き日本のどこか懐かしい雰囲気を再現したモダンな店内では、カウンターに多くの日本酒やビール、果実酒などが並ぶ。「つい長居してしまいそうな心地良さ」を大切にしており、「客同士、スタッフ同士、皆が楽しめるようなアットホームな空間作りを心がけている」という。
お薦めメニューは、ハイ・ボールと唐揚げのコンビネーション。トッピングのソースを選ぶこともできるなど、バリエーションも豊富だ。オーナーのお薦めはユーリンチー。その他、餃子やたこの唐揚げ、焼きうどん、チンジャオロースなど、居酒屋の鉄板メニューもそろう。山崎、白州、響など人気の日本のウイスキーも取り扱っている。ご飯と味噌汁も提供しているので、しめに楽しむことができる。
店内奥には、個室の用意もあり、静かに落ち着いて飲むことも可能。仕切りを開ければ宴会も開くことができる。店内の暖かなオレンジ色のライトには思わず誘われてしまうことだろう。仕事帰りにさくっと立ち寄るのも楽しみの1つになりそうだ。
土方凛輝選手、全豪オープン予選2回戦進出
ランキング上位選手を破り大躍進
オーストラリアの土方凛輝選手(18歳、マックヒジカタ・テニス・アカデミー)が1月14~18日に開かれたテニスの4大国際大会グランド・スラムの初戦「全豪オープン」の予選に出場、2回戦進出を果たした。同選手の予選出場は今年で2回目。
予選1回戦、大会時点でATPランキング734位の土方選手は、同102位で昨年の全豪オープンで本選2回戦に出場した強豪ヘンリ・ラクソネン選手(スイス)と対戦。第1セットは両者譲らぬプレーでタイ・ブレークとなった後、土方選手が3-0とリードしたところで雨が降り出し、試合は翌日へ順延。プレー再開となった翌日、土方選手はラクソネン選手のサーブ2本をブレークし、タイ・ブレーク(7-0)を経て第1セットを7-6(0)で奪取した。第2セットも一進一退の攻防の後、タイ・ブレーク(7-3)で取り、第2セット7-6(3)で全豪初勝利を挙げた。
2回戦、土方選手はATPランキング172位のタロン・グリークスプア選手(オランダ)を相手に善戦するも、5-7、5-7で惜敗を喫した。本選には届かなかったものの、ランキング上位の選手との対戦に大きな手応えを見せる結果となり、ランキングを643位(2月17日時点)に上げた。
今後、土方選手はアメリカのノース・カロライナ大学チーム戦で5月までプレーし、6月からはプロ・ツアー参戦を予定している。
「対蹠地における墨絵」展覧会が開催中
在メルボルン日本国領事館
オーストラリア出身の墨絵教室教師リチャード・リディカット氏の生徒による作品展「対蹠地(たいせきち)における墨絵」が3月30日まで、在メルボルン日本国領事館で開催中だ。
対蹠地とは、地球または他の天体上で、ある地点から180度逆に位置する場所を意味し、北半球で発展した墨絵や書道、そして即興の要素がある作品を南半球のメルボルンで鑑賞する機会となっている。同展会期の前半となる3月3日までは大人の生徒による作品を展示し、後半となる3月5日から30日までの期間は10~17歳の生徒による作品を展示する。
■「対蹠地における墨絵」展
日程:開催中~3月3日(火)(大人の作品展示)、3月5日(木)~30日(月)(子どもの作品展示)、土・日祝休
時間:9AM~5PM(1PM~2PMは閉館)
場所:在メルボルン日本国領事館(Level 25, 570 Bourke St., Melbourne VIC)
Web: www.melbourne.au.emb-japan.go.jp/itpr_ja/event.html#202002_antipodes
SBSラジオ日本語放送3月のハイライト
SBSラジオ日本語放送は毎週、火曜、木曜、土曜の午後10~11時に番組を放送している。番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。
3月のシドニーサイドでは、シドニーで行われるマッドマン・アニメ・フェスティバルのゲストや、日本語教師のケイティ・ギルズさんのインタビューなどを放送予定。日本語ラジオでは2月から今年の東京五輪・パラリンピックをオーストラリアでオージーと一緒に楽しむことを目的とした新コーナーもスタート。聞き逃してしまった過去のインタビューなどはSBSのウェブサイトや無料アプリで聞くことができる。
なお、毎月最終週の木曜には、日豪プレス翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。次回は3月26日(木)放送予定。
■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com/SBSJapanese
ストラスフィールド交響楽団、2020年初公演が開催
バイオリン奏者・後藤和子氏が共演
シドニー在住の指揮者・村松貞治氏が音楽監督を務めるストラスフィールド交響楽団が4月4日、5日の2日間、2020年度定期演奏会シーズンの幕開けコンサート「The Scots」をシドニー西郊のストラスフィールドで開催する。同公演には、オーストラリア室内管弦楽団(ACO)のバイオリン奏者・後藤和子(あいこ)氏がゲストとして出演する。
曲目は、オーストラリアに拠点を置くイギリスの作曲家・ポール・パビアーの「リビア・ザ・パスト・エンブレース・ザ・フューチャー」、フェリックス・メンデルスゾーンの「交響曲第3番イ短調『スコットランド』」、そして後藤和子氏が共演するマックス・ブルッフの「スコットランド幻想曲」が予定されている。
村松貞治氏は愛知県岡崎市出身。1997年に英国に渡り、英国王立北音楽院やシドニー音楽院などで学び、欧州各地やオーストラリアで研鑽を積んだ。現在はストラスフィールド交響楽団の音楽監督を務め、2019年に令和元年度外務大臣表彰を受賞。
後藤和子氏はACOの正団員で、ACOアカデミー音楽監督兼リーダーも務め、1995年から現在まで指揮者・小澤征爾氏を総監督とする「サイトウ・キネン・オーケストラ」にバイオリン奏者として参加。2016年には日豪友好協力基本条約調印40周年記念により外務大臣表彰を受賞した。
■ストラスフィールド交響楽団演奏会「The Scots」
日時:4月4日(土)7PM開演、5日(日)2:30PM開演
場所:Strathfield Town Hall (65 Homebush Rd., Strathfield, NSW)
料金:大人$30、コンセッション・子ども・学生・ストラスフィールド住民$20、家族(大人2人+16歳以下の子ども2人)
$80、5歳未満無料
Web: strathfieldsymphony.org.au/2019/11/24/the-scots
※このイベントは開催中止となりました。詳細のお問い合わせは主催団体まで
WSOチャリティー・フェスタ、シドニー北郊で開催
シドニー北郊のキャッスル・コーブ・パブリック・スクールで3月22日、バングラデシュやケニアなど貧困国の意欲ある若者の進学を支援する「WSOチャリティー・フェスタ2020」が開催される。主催はワールド・スカラーシップ・オーガナイゼーション(WSO)。
同イベントは入場無料で、募金やラッフル、屋台などの収益がチャリティーに充てられる。今年のラッフルでは、まんぷく、九州レストラン、なか乃、すし太郎などの食事券、エステ券など豪華賞品が用意されている。
子ども向けには金魚すくい、ヨーヨー釣り、ゲーム、餅つきなどのアクティビティーが用意される。フードの屋台として、お菓子、和菓子、綿あめ、かき氷、ソーセージ・シズルが出店する他、弁当販売(要予約)も行われる。
ステージではシドニー・ノース・キッズ・チアリーディング・チームのさくらキッズ、シドニー・チアリーディング・チーム・スプリングス、シドニー・シティ・バレエ・スクール、全世界空手道連盟新極真会、和太鼓りんどう、ウクレレ・コミュニティー・バンド、ハワイアン・オハナ・バンド、エイサー・チャンプルー、ヘルワベリーダンスのパフォーマンスや、オーストラリア相撲連盟による相撲餅つきのパフォーマンスも予定されている。昨年人気だった力士とのちびっこ相撲(要予約)やベリーダンスの体験レッスンもある。
WSOは当日に餅つきと合いの手ができる餅つき経験者や、販売などのボランティアを募集している。
WSOは、バングラデシュやケニアなどで15歳以上の義務教育を終了した学生を対象に、職業訓練学校などに進むための返済不要の給付型奨学金を提供することを目的とした非営利団体。
■WSO Charity Festa 2020
日時:3月22日(日)11AM~3PM
場所:Castle Cove Public School(Kendall Rd., Castle Cove NSW)
料金:入場無料
Email: yamaguchi@nbca.com.au(担当:山口)
Web: wso-au.org
書家れん氏、6年ぶりの個展
シドニー紀伊國屋書店で開催
シドニー中心部の紀伊國屋書店に併設のギャラリーで3月4日から17日の2週間、シドニー拠点の書家・れん氏が個展「REN-page 17」を開催する。同氏の個展としては6年ぶり、28回目となる。
同展では生の書作品に加え、写真と書を組み合わせた印刷作品も10点以上展示し、同デザインのステッカーも販売される。れん氏は2011年の東日本大震災で日本がオーストラリアから受けた支援に思いを寄せ、同展に向けて「森林火災の被害に遭われた方への支援を念頭に、これから先、前向きになれるような言葉を選んで作品とした」と話している。
同氏は展覧会の利益の一部を森林火災被害の支援のために寄付する方針で、詳細は同氏がシドニーで主宰する書道教室「RENCLUB」のウェブサイトで会期後に報告される。
■REN-page 17
日程:3月4日(水)~17日(火)
時間:月~水・金・土10AM~7PM、木10~9PM、日11AM~6PM
場所:Gallery Books Kinokuniya (Level 2, The Galeries, 500 George St., Sydney NSW)
料金:入場無料
Email: renclub@gmail.com
Tel: (02)8970-3575
Web: www.renclub.net
いけばなインターナショナル、記念イベントを開催
シドニー支部創設61周年で
いけばなインターナショナル・シドニー支部は4月3日、同支部の創設61周年記念イベント「生け花シドニー・セレブレーション」をシドニーのNSW州立美術館で開催する。生け花の流派・池坊(いけのぼう)の華道家・三浦大生(だいじ)氏が日本から招かれ、生け花のデモンストレーションを披露する。
いけばなインターナショナルは、日本の生け花の文化的な豊かさを通じて友好の輪を広げる日本の一般社団法人。世界50カ国以上に支部を持ち、複数の流派が参加する。シドニー支部の創設61周年を祝う今回のイベントでは、NSW州立美術館内のドメイン・シアターで池坊のデモンストレーションの後、地上階で作品展示と懇親の場が設けられる。
同イベントには在シドニー日本国総領事、在ブリスベン日本国総領事の出席も予定され、主催メンバーは、この機会にオーストラリアにいる多くの人に初秋の生花を楽しんでほしいとコメントしている。参加にはオンラインまたは同支部を通して事前申し込みが必要。
■Ikebana Sydney Celebration
場所:Art Gallery of NSW(Art Gallery Rd., Sydney NSW)
日時:4月3日(金)5:15PM
料金:$85(軽食・ドリンク込み、オンライン購入は発券手数料別途)
Email: hirokoprado77@gmail.com(浩子)、hanatsubaki1@hotmail.com(邦子)
Web: eventbrite.com.au/e/ikebana-sydney-celebration-tickets-82543550983(チケット購入)、sydneyikebana.org(いけばなインターナショナル・シドニー支部)
※このイベントは開催中止となりました。詳細のお問い合わせは主催団体まで
■NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り
第22回シドニー・ビエンナーレ2020
2年に一度の現代アートの祭典「第22回シドニー・ビエンナーレ2020」が3月14日から6月8日まで開催されます。会場は、NSW州立美術館、アート・スペース、キャンベルタウン・アート・センター、コカトゥー島、オーストラリア現代美術館(MCA)、ナショナル・アート・スクールの6カ所。有料の関連イベント・プログラムを除き、入場料は無料です。1973年から続くこのシドニー・ビエンナーレは、ベニス、サンパウロに続く世界で3番目に古いビエンナーレで、オーストラリアでは最も大きな現代アートの展覧会です。
キャプテン・クックのオーストラリア上陸から250年を迎えた今年の同展のタイトルは、「NIRIN」。ケルト系の祖先を持つ、先住民族のオーストラリア人アーティスト、ブルック・アンドリュー(Brook Andrew)が芸術監督を務めます。彼は、植民地主義、近代主義の歴史に関して複数の学問分野にまたがり、既にある支配的な見解を検証し探求する芸術家で、博物館、公文書調整作業、管理プロジェクトにおいて忘れられたストーリーを可視化し、今日の世界における歴史の解釈に代替案の提起をしています。
「NIRIN」は、ブルック氏の母方の先住民族ウィラドゥリ(Wiradjuri/NSW州西部)の人びとの言葉で、英語の「edge」を意味し、日本語では、「縁」「端」「境界」などの訳があります。先住民族文化のアクティブで豊富な既存のコラボレーションとコネクションに光を当て、地元と世界の根茎、ユニークな個々の文化表現を1つの場所に提示して、現在我々が見ている世界を再構成し、世界中からビエンナーレに参加する100人を超えるアーティストやコミュニティーの人びとと共にオーストラリアから地球全体に働きかけたいというものです。
NSW州立美術館は長年、このシドニー・ビエンナーレの会場の1つで、この期間中さまざまなジャンルの興味深い現代アート作品が、常設作品に交じって展示されます。普段見られないこれらの作品が刺激になって、鑑賞者に世界の今を捉え直してもらうことがこのビエンナーレの目指すところなのかもしれません。
(NSW州立美術館・コミュニティー・アンバサダー=鴨粕弘美)
■Biennale of Sydney
日程:3月14日(土)~6月8日(月)
場所:NSW州立美術館ほかシドニー市内・近郊各所
Web: biennaleofsydney.art
■「Japan supernatural」展
日時:開催中~3月8日(日)、10AM~5PM(水曜のみ10PMまで)
場所:Major exhibition gallery, Art Gallery of NSW(Art Gallery Rd., Sydney NSW)
料金:大人$25、コンセッション$22、美術館会員$18、家族(大人2人+子ども3人まで)$62、12~17歳$12、12歳以下無料(Qtixで購入可、手数料$2)
Web: artgallery.nsw.gov.au/exhibitions/supernatural
■NSW州立美術館・無料日本語ツアー(予約不要)
場所:Art Gallery of NSW(Art Gallery Rd., Sydney NSW)
<Japan supernatural展ツアー>
日時:3月7日(土)11AM
備考:ツアー開始前に展覧会入場券を購入の上、地下1階の会場前に集合
<常設展ハイライト・ツアー>
日時:毎週金曜11AM
Tel: (02)9225-1700(英語)
Email: communityambassadors@ag.nsw.gov.au(日本
語可)