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2019年1月 ニュース/コミュニティー

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オーストラリアの日系コミュニティー・ニュースをお届け!

Japanese Community News

オーストラリアにおける日系コミュニティーのニュースや最新情報を紹介していくと共に、シドニーを中心に各地で行われるセミナーやイベントの告知や報告などを掲載。

JNTOトラベル関連セミナーを開催

日本の地方自治体など45団体が来豪

大所帯で会場の一角を占めた神奈川県箱根町からの出展者
大所帯で会場の一角を占めた神奈川県箱根町からの出展者

日本政府観光局(JNTO)シドニー事務所は2018年12月6日、シドニーCBDのソフィテル・ウェントワース・ホテルでトラベル関連セミナー「Japan Roadshow 2018」を開催した。日本の地方自治体関係者や観光関連企業ら45団体がブースを出展、オーストラリアの現地旅行会社の関係者が参加し、合計4時間にわたり商談を行った。

あいさつに立った竹若敬三・在シドニー日本国総領事は「2019年のラグビー・ワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックなどの機会をきっかけに更なる観光客の増加につなげたい。更に今回のイベントの開催で日本と豪州の観光業のつながりがより深いものになることを期待したい」と話した。

特別ゲストとして日本の旅先としての魅力について話した元ラグビー日本代表のクレイグ・ウィング氏
特別ゲストとして日本の旅先としての魅力について話した元ラグビー日本代表のクレイグ・ウィング氏

また、会場では特別ゲストとしてシドニー出身で元ラグビー日本代表として活躍し日本在住経験もあるクレイグ・ウィング氏も登壇し、自身の経験を元に日本の魅力に関するスピーチを行った。スキーや温泉、食の魅力などに加え、特に交通網の発展によるアクセスの良さや治安の良さなどを強調した。

海外からの訪日観光客数は年々増加しており、オーストラリアからの観光者数は年間50万人を超えている。そうした訪日需要の高まりから、JNTO主催セミナーへのオーストラリア人の参加者数も増え続けており、今回は過去最高となる200人以上が訪れたという。更にこれまで豪州市場にフォーカスをしてこなかった九州エリアからも4団体訪れるなど新たな動きも目立った。

青森県のブースでは、流し踊りの扮装で訪れていた参加者を楽しませていた
青森県のブースでは、流し踊りの扮装で訪れていた参加者を楽しませていた

JNTOの若林香名署長は「オーストラリア市場での訪日需要の高まりを感じると共に、日本側のオーストラリア市場への関心も高まりを感じます。今回のようなイベントを通して、日本から来られた方と現地の旅行会社などをつなげるということが私たちに求められていること。引き続き訪日客の増加に向けて動きたいと思います」と話す。

JNTOシドニー事務所主催のセミナーは例年、5月の「スノー・トラベル・エキスポ」、12月の「祭り・イン・シドニー」に合わせて年に2回開催されている。


ラドクリフ小林敦子氏、村松貞治氏、さくら合唱団
在外公館長表彰

シドニーさくら合唱団の皆さま
シドニーさくら合唱団の皆さま

在シドニー日本国総領事館は2018年12月4日、ラドクリフ小林敦子氏、村松貞治氏、シドニーさくら合唱団に対する在外公館長表彰の授与式を、在シドニー日本国総領事公邸で開催した。

竹若敬三・在シドニー日本国総領事はラドクリフ氏、村松氏、シドニーさくら合唱団のそれぞれの経歴の紹介を行うと共にその功績を称えた。

ラドクリフ氏は、豪州で日本人として初めてワイナリー「スモール・フォレスト」を立ち上げ、また、インターナショナル・ワイン・チャレンジ日本酒部門の審査員や内閣府「アジア・太平洋地域で輝く『架け橋女性』」に選ばれるなど多方面で活躍している。日豪の相互理解への貢献がたたえられた。

村松氏は、ストラス・フィールド交響楽団を始め、シドニー市内の複数の楽団を指揮者として率いている。音楽活動における日豪の相互理解への貢献がたたえられた。また、同氏が指揮者を務めるコーラス・グループ、シドニーさくら合唱団も日豪の相互理解と友好親善に貢献したとしてその功績がたたえらえた。

2014年に設立されたシドニーさくら合唱団はカウラの桜祭りをはじめとした日本関連のイベントで日本の歌を披露している。

ラドクリフ小林敦子氏
ラドクリフ小林敦子氏
村松貞治氏
村松貞治氏

天皇誕生日祝賀レセプション開催
各界から200人以上が参加

在シドニー日本国総領事館は2018年11月30日、天皇誕生日(12月23日)祝賀レセプションをシドニー東郊ローズ・ベイにある在シドニー日本国総領事公邸で開催した。ニュー・サウス・ウェールズ州政府関係者や日本企業代表者ら、各界から200人以上が参加した。レセプション冒頭に両国の国家が流された後、竹若敬三・在シドニー日本国総領事が登壇。祝賀あいさつでは、ダーウィンにおける安倍総理とモリソン連邦首相との首脳会談や両国の戦略的パートナーシップ、両国の政治・経済・人的交流における関係について話した。また、ベレジクリアンNSW州首相代理として参加したジョナサン・オデアNSW州首相府政務次官は、天皇陛下への祝意と共に、豪州における日本語教育の状況や訪日旅行などを含めた人的交流などについて話した。レセプションでは、日本酒やさまざまな日本食なども振る舞われた。

鏡割りでは、前豪州首相のマルコム・ターンブル氏(左から2番目)も登場し注目を集めた
鏡割りでは、前豪州首相のマルコム・ターンブル氏(左から2番目)も登場し注目を集めた
レセプションの中盤には和太鼓による演奏も行われ、盛り上がりを見せた
レセプションの中盤には和太鼓による演奏も行われ、盛り上がりを見せた

ベネット恵氏の人生を描いた「Nature’s Child」出版

シドニー北郊で長年にわたり盆栽園を営み、2007年には日本文化の普及・発展への貢献をたたえられ、外務大臣表彰も受賞した盆栽家、ベネット恵氏の半生を書いた本「Nature’s Child」の出版を記念し、2018年11月25日、シドニー北郊フォレストビルのRSLクラブで出版記念パーティーが開催された。

会場には竹若敬三・在シドニー日本国総領事やブロードキャスターとして名を馳せるサンドラ・ロス氏らの特別ゲストに加え、ベネット氏の盆栽園の生徒や、「Nature’s Child」著者のメアリー・アン・ナッパー氏の所属する作家グループなど200人以上の人が集まり盛り上がりを見せた。

ベネット氏は日本在住時は学生時代から師範を務める華道家だったが、1970年代にオーストラリアへ渡航するとその後は盆栽の魅力にのめり込んだ。長年にわたりオーストラリア人に盆栽を教え、盆栽の普及・発展に尽力してきた。長年テリーヒルズで盆栽園を営んできたが、今は場所をベルローズに移すと共に息子に後を譲っている。

著者のメアリー・アン・ナッパー氏(左)とベネット恵氏(左から3人目)
著者のメアリー・アン・ナッパー氏(左)とベネット恵氏(左から3人目)
会場で平積みにされた「Nature’s Child」はどんどん購入されていった
会場で平積みにされた「Nature’s Child」はどんどん購入されていった

シドニー日本商工会議所、セミナーを開催

最新のインバウンド事情について説明する若林氏
最新のインバウンド事情について説明する若林氏

シドニー日本商工会議所の観光・運輸・通信・生活産業部会(部会長=定行亮:全日本空輸株式会社)は11月22日、「地方創生とツーリズム~日豪関係の長期的発展とビジネスチャンス~」と題しセミナーを開催、24人が参加した。

人口減少時代に入った日本経済にとって、インバウンド需要を取り込むことは必要不可欠となっている。同セミナーでは、日本政府観光局シドニー事務所の若林香名所長が、日本を訪れるオーストラリア人の消費動向の特徴や、インバウンド受け入れの課題などについて、詳しく解説した。


シドニー日本商工会議所
新年経済講演会・賀詞交歓会を開催

シドニー日本商工会議所(会頭=小山真之:豪州三井物産)の企画委員会(委員長=小西敦史:日立オーストラリア)と金融・投資部会(部会長=梶井孝充:三井住友銀行)は2月7日、シャングリラ・ホテル・シドニーで新年経済講演会・賀詞交歓会を開催する。

講師には、三井住友フィナンシャル・グループの協力により、日興リサーチセンター理事長の山口廣秀氏、更に、三菱UFJ銀行の協力により、三菱UFJモルガン・スタンレー証券・景気循環研究所長の嶋中雄二氏を迎え、2019年の世界経済や日本経済の見通しについて聞く。申し込みは、シドニー日本商工会議所に問い合わせ申込用紙を取り寄せた後、必要事項を記入して同所へ送付する。

■JCCI新年経済講演会・賀詞交歓会
日時:2月7日(木)5PM~9PM
場所:シャングリラ・ホテル・シドニー
料金:シドニー日本商工会議所会員$150、非会員$170(いずれもGST込み)
定員:80人(先着順)
Tel: (02)9223-7982
Email: info@jcci.org.au
Web: www.jcci.org.au

■シドニー日本商工会議所(問い合わせ)
Tel: (02)9223-7982
Web: www.jcci.org.au
Email: info@jcci.org.au


テニス全豪オープン期間限定レストランで
生け花と陶器のコラボレーションを披露

メルボルン在住のフラワー・アーティスト・石川安澄氏とシドニー在住の陶芸家・松井啓子氏は、テニス全豪オープン開催に併せ1月14日(月)~27日(日)、メルボルンにオープンする期間限定レストラン「NOBU」と「88 Melbourne」で、生け花と陶器のコラボレーションを披露する。

石川氏は、「生け花では、花材や器など全ての素材の特徴が見極められ、それらが組み合わされることでそれぞれが新しい表情を見せ、より生かされ、1つのアートになります。花を使ったユニークなデザインと器のコラボレーションが見事なアートとしてNOBU、88 Melbourneの両レストランで全豪オープン開催に彩りを添えるでしょう」とコメント。

同氏は、「テニス協会のスタッフとも綿密なミーティングを重ね、レストラン全体の雰囲気に合う生け花を熟考した。生け花の存在はその場を引き立てる重要な役目を果たすと確信している」と話している。

■期間限定レストラン「NOBU」、「88 Melbourne」
日程:1月14日(月)~27日(日)
場所:Melbourne Park(5XGJ+W2 Melbourne, Victoria)
Web: www.byazumi.com.au(フローリスト・石川安澄)、www.keikomatsui.com.au(陶芸家・松井啓子)


社会の多様性確保に向けたイベント
“Tomoni共に”がチャッツウッドで開催

参加者はイベントで、説明だけでなく実際の体験を通しソーシャル・インクルージョンへの理解を深めた
参加者はイベントで、説明だけでなく実際の体験を通しソーシャル・インクルージョンへの理解を深めた

2018年11月22日、翌月3日の「国際障がい者の日」を記念し社会における多様性確保(ソーシャル・インクルージョン)の啓蒙を目的としたイベント「“Tomoni共に”私たちのコミュニティーから社会づくりへ」が、シドニー北郊チャッツウッドのドガティー・コミュニティー・センターで開催された。同イベントは難民や障がい者らへの支援を行うNPO団体「Settlement Services International」ら6団体共催によるもので日系コミュニティーを対象に行われたが、当日は地元市民を含め47人が参加した。

約3時間にわたるイベントで参加者は、障害者雇用事業所での作業などを体験した他、障がい者向け旅行といった現在社会で行われているソーシャル・インクルージョンの取り組みの事例について説明を受けた。

共催団体の1つ、チャッツウッドを拠点に活動する障がい児を持つ保護者の会「ジャパン・ケアラーズ・グループ」の内藤かえこ氏はイベントについて、「理解のある社会実現のために、まず自分たちからニーズを発信し関係者への働き掛けを行い、外出しやすい社会を作っていきたい」とコメントした。また、共催者の1人Japanese Community Inclusion Support Networkの中塚智恵氏は「地域の声を基にして社会的変化をモニタリングし、ソーシャル・インクルージョン活動を持続的に発展させていきたい」と今後の展望を述べた。


ファンション・デザイナー、五十川明氏
アーカイブ・コレクションの展覧会を開催

来場者らとの写真撮影に応じる五十川氏
来場者らとの写真撮影に応じる五十川氏

パワーハウス・ミュージアム(シドニー市内ウルティモ)で2018年12月11日、同月15日から一般公開されているファンション・デザイナー・五十川明氏のスタジオでアーカイブされたコレクションの展覧会「Akira Isogawa」のプレ・オープン・イベントが行われた。

同展覧会はパワーハウス・ミュージアムのキュレーターが五十川氏へ開催を提案し、1年半の準備期間を経て実現。展示は、「Kimono」「Craftsmanship」「Collaboration」のカテゴリーで分けられている他、五十川氏の生い立ちや自身が手掛けたシドニー・ダンス・カンパニーのコスチュームをまとったダンサーが踊っているビデオなどを楽しむことができる。同展覧会は6月30日まで開催される。

「Akira Isogawa」展覧会場の様子
「Akira Isogawa」展覧会場の様子

五十川氏は同展覧会の開催について、「1年半の準備期間は掛かる時間としては必要だったが、何度も展示の様子を確認したので今でも頭の中にイメージが焼き付いている」と話した。

また今回、パワーハウス・ミュージアムに約100点に及ぶ同氏の作品が寄付される。五十川氏はこの他にも、ビクトリア国立美術館(National Gallery of Victoria)に700点以上、SA州立美術館(Art Gallery of South Australia)に約200点の作品を寄付している。

今後の活動について、同氏は「自分も納得でき、お客さん(市場)も刺激することができるような物を生み出していきたい」と語った。

■Akira Isogawa
場所:Powerhouse Museum(500 Harris St., Ultimo NSW)
日時:開催中~6月30日(日)、毎日10AM~5PM
料金:大人$15、子ども(16歳以下)無料
Web: www.maas.museum/event/akira-isogawa


ツアー・アクティビティー予約サービス「Experience Oz」
オーストラリア・トラベル・アワードで受賞

オーストラリア・ニュージーランドの現地ツアー・アクティビティー予約サービスを提供する「Experience Oz」は2018年11月30日、シドニーで授賞式が開催された「Travel Weekly」主催のオーストラリアン・トラベル・アワードで「Online Booking Website of the Year」を受賞した。

同社は2005年、ゴールドコーストを拠点にスタートし、「things to do」(チケット・アクティビティー・ダイニングといった着地観光)予約サービスを行っている。自動車サービスやオーストラリア国外の旅行代理店とのパートナーシップ、即時予約確定といったテクノロジー・ソリューションなど独自のキャンペーンを展開。また、日本語版サイト、日本語でのカスタマー・サポート・デスクも開設し、日本からの観光客及び在豪日本人へのサービスも提供している。

受賞に際し、同社のジェネラル・マネージャーのクリン・ギューデンスワガー氏は、「ワールド・ワイド・ブランドと肩を並べての受賞となったことを大変光栄に思っています。現在40人のチームはオーストラリア・ニュージーランドの地の利を生かしたユニークな体験を紹介し、それらにユーザーが簡単にアクセスできることに情熱を注いできました。また、世界に誇る各地の催行会社の多大な協力があり今回の受賞につながったと感じています」とコメントした。


テニス・土方凛輝選手、アワードを受賞
18歳以下オーストラリアン・チャンピオン・シップスでも優勝

左からジョン・ミルマン氏、デスタニー・アイアバ選手(フィメール・ジュニア・アスリート・オブ・ザ・イヤー受賞)、土方選手、サマンサ・ストーサー氏
左からジョン・ミルマン氏、デスタニー・アイアバ選手(フィメール・ジュニア・アスリート・オブ・ザ・イヤー受賞)、土方選手、サマンサ・ストーサー氏

オーストラリア在住の土方凛輝選手(17歳、マックヒジカタ・テニス・アカデミー)が2018年11月26日、メルボルンのクラウン・パラディアムで行われた「2018ニューカム・メダル・オーストラリア・テニス・アワード」で「2018ジュニア・メール・アスリート・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

土方選手は2018年、グランド・スラム全てでプレーし、「全豪オープン・ジュニア」シングルス・ベスト8、「全英オープン・ジュニア」ダブルス・ベスト4、10月に行われた「2018ユース・オリンピック・ゲームス」でオーストラリア・テニス初の銀メダルを獲得したことが評価された。

また同選手は12月1~8日にメルボルンで開催された「18歳以下オーストラリアン・チャンピオン・シップス」で優勝の快挙を果たした。決勝ではディフェンディング・チャンピオンのアレクサンダー・シノクラック(QLD)と対戦、第1セットを同大会で初めて落としたセットとしたものの、第2セットでは6-1と圧倒し、最後はサービス・ゲームをラブ・ゲームで奪い2時間10分にわたる戦いで勝利した。この優勝により1月6~12日、キャンベラで行われる「イーストホテル・キャンベラ・チャレンジャー」の本戦ワイルド・カードを獲得した。


ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ
職場見学会を開催

職場見学を行った参加者たち
職場見学を行った参加者たち

シドニー北部を拠点に活動する障がい児の親の会(NPO)「ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ」は2018年11月21日、フレンチズ・フォレストに位置する障がいを持つ人たちの職場「Packforce」の見学会を開催した。同職場は障がいを持つ子どものハイ・スクール卒業後の選択肢の1つとなっており、当日は10人が見学会に参加した。

参加者は、実際の障がい者の仕事ぶりを見学し説明を聞いた後、関連施設の紹介と案内を受けた。参加者からは「日本人を含む感じの良いスタッフを始め、日本の一般的な作業所などと比べると明るく、オープンな雰囲気で、見学前に抱いていたイメージとのギャップに驚いた。感動し羨望を感じた」などの声が寄せられた。

同グループは毎月2回定例会を行っている。参加希望の方は下記まで連絡を。

■ジャパニーズ・ケアラーズ・グループ定例会
日時:毎月第2、4水曜日10:30AM~12:30PM
Tel: 0411-139-872(代表:ひとみグッドウィン)
Email: japanesecg@gmail.com


シドニー日本人会
2018年クリスマス・パーティーを開催

シドニー日本人会(会長=井上大輔:伊藤忠豪州会社)のレクリエーション委員会(委員長=笠原昌哉:JTBオーストラリア)は11月28日、インターコンチネンタル・シドニーで真夏の恒例イベント「クリスマス・パーティー」を開催した。日本人会員を中心に83人が参加した。

同会の総合司会は、山田俊哉氏と田中麻里香氏が担当。井上会長による開会のあいさつと乾杯の音頭に続き、「Beauty & the beasts ft Masahiko Tanimura」の皆さんによる演奏が披露された。日本人会員のボランティア・スタッフの協力の下、会員企業から寄贈された豪華賞品が当たるラッフル抽選会や、平井虹映氏の司会によるテーブル対抗トリビアクイズなど、大盛況のパーティーとなった。

総合司会の田中氏(左)と山田氏
総合司会の田中氏(左)と山田氏
演奏するBeauty & the beasts ft Masahiko Tanimura
演奏するBeauty & the beasts ft Masahiko Tanimura
あいさつする井上会長
あいさつする井上会長
クイズで盛り上がる会場の様子
クイズで盛り上がる会場の様子

■シドニー日本人会
Tel: (02)9232-7546
Web: www.jssi.org.au
Email: jss@jssi.org.au


「沖縄泡盛ナイト」開催

会場の一角ではフォト・ブースも設置された
会場の一角ではフォト・ブースも設置された

豪州かりゆし会、シドニー日本人コミュニティ「LINK」は、シドニー市内のヘイマーケット・ホテルで12月12日、「沖縄泡盛ナイト」を共催した。貸切となった会場には120人の定員を大きく上回る数の参加者が集まり、最終的な参加者は180人に及んだという。

会場ではウェルカム・ドリンクとして泡盛をベースとした2種類のカクテルが振る舞われると共に、バー・カウンターではオーストラリアにも進出している人気ブランド、オリオン・ビールや沖縄・読谷村の泡盛でオーストラリアでは入手が難しい「残波プレミアム」などが販売された。さまざまな沖縄の音楽が流れる中、沖縄のお酒を多くの人が楽しんだ。

イベントの後半には伝統舞踊であるエイサーの演舞も行われ、会場は盛り上がりを見せた。また、会場にはフォトブースが設置されると共に、フォト・コンテストを開催。参加者は琉球の衣装や沖縄の民族楽器などの小道具と共に撮影を楽しんだ。

読谷の焼酎、残波プレミアムなどを飲むことができた
読谷の焼酎、残波プレミアムなどを飲むことができた
くじ引きやフォト・コンテストなどで多くの人に景品が授与された
くじ引きやフォト・コンテストなどで多くの人に景品が授与された

複合商業施設マリーナ・スクエアに
鱒屋水産新店舗がオープン

マリーナ・スクエア内にオープンした新店舗外観
マリーナ・スクエア内にオープンした新店舗外観

シドニー市内で「鱒屋レストラン」「居酒屋ますや」「SUSHI BAR 誠」など日本食料理店を多数展開する鱒屋インターナショナルは2018年11月21日、同市西郊ウェントワース・ポイントで新たに建設された複合商業施設「マリーナ・スクエア」の営業開始に伴い、同社店舗・鱒屋水産の新店を施設内にオープンした。

市内中心に店舗を構える鱒屋水産のフランチャイズとしてオープンした同店は、本店のコンセプトに基づき、すしや刺し身を始め、うどん、鍋物などを価格帯を変えずに提供している。同店関係者によると、新店舗では家族層の利用が目立つなど市内中心部の店舗と比べ客層の違いが見られるため、ランチ・タイムにすき焼きを提供するといった新しい商品展開を考えているという。

なお、同商業施設へのアクセスについては、ローズ駅から無料のシャトル・バスが出ている他、オリンピック・パーク行きのフェリーの利用が可能となっている。


日本食料理店・仏舎利
バー・スペースを構え新装開店

シドニー市内東郊のポッツ・ポイントに店舗を構える日本食料理店・仏舎利は2018年12月4日、同年11月下旬から始まった改装工事を終え午後6時より新装開店した。新装開店した同店の店内には新たにバー・スペースが新設、これにより日本酒や日本産ウイスキー、同店オリジナル・カクテルなどの他、バー・フードが新たに提供されるようになった。

新装開店の目玉となったバー・スペースの新設の経緯について、同店オーナーは「日本酒やそれを使ったカクテル、日本産ウイスキーを店として再評価したかった」と話した。酒類に関しては日本酒が40銘柄、ウイスキーが日本産を含め25銘柄用意されている他、ワインは豪州産を中心に50銘柄以上と充実の品ぞろえを誇る。同店のバーテンダーでバー新設のプロジェクト・リーダーを務めた大住俊一氏は、こうした豊富な酒類を誇るバーの展開について「日本食料理店として和のスタイルを押し出し過ぎるのではなく、地元客にも受け入れてもらえるよう西洋のスタイルもうまく融合させた」とそのこだわりを語った。また、上記酒類に加え同店ではオリジナル・カクテルも5種類用意されているが、今後日本酒などと併せ商品展開を更に充実させていくという。

新設されたバー・カウンター(写真提供=仏舎利)
新設されたバー・カウンター(写真提供=仏舎利)
色鮮やかなオリジナル・カクテルも提供されている
色鮮やかなオリジナル・カクテルも提供されている

島根・石州瓦、豪州に販路見い出す

鬼瓦の作り方ワークショップが開かれ、来場者たちは楽しみながら体験した
鬼瓦の作り方ワークショップが開かれ、来場者たちは楽しみながら体験した

島根県にある石州瓦(せきしゅうがわら)工業組合は2018年12月3日~8日まで、豪州国内の建築事務所や施工会社、各地の日本庭園や計画中の施設などの視察を目的に来豪した。同月5日にはシドニー西郊バルメインにある日本旅館・豪寿庵で一般に向けた、ワークショップや石州瓦などの製品展示を行った。ワークショップでは同組合の組合員である亀谷窯業有限会社の亀谷典生氏が鬼瓦の型を数種用意し、訪れた人たちに鬼瓦制作の手ほどきを行った。また、参加者は作った鬼瓦を持ち帰ることができた。亀谷氏は今回の視察について、「きっかけの1つ。行動しなければ何も始まらない。(石州瓦の)10年先の未来に必要なことだと思う」と話した。

今回の視察は、経済産業省及び特許庁が進める「地域団体商標制度」を利用したもので、今後海外展開していくこともあり、日本貿易振興機構(ジェトロ)松江貿易情報センター、ジェトロ・シドニーなどが協力した形で実現した。現地でのコーディネートは、オーストラリアで日本の伝統産業の普及を図る「Simply Native」が務めた。

石州瓦は島根県発祥で、日本3大瓦産地の1つ。近年、オーストラリアでも建築材料として注目を集めており、亀谷窯業の瓦はキャンベラ(ACT)にある日本食レストラン「Raku」の屋根瓦として使われるなど、その存在感を強めている。今回、同組合で6組合員いるうち、亀谷窯業、株式会社木村窯業所、株式会社シバオの3社が来豪した。


アデレード・フリンジ・フェスティバル2019
笑福亭笑子氏、9日間独演会を開催

スタンダップ・コメディー、腹話術、落語の3部構成のユニークなショーを披露する笑福亭笑子氏
スタンダップ・コメディー、腹話術、落語の3部構成のユニークなショーを披露する笑福亭笑子氏

2月15日から3月17日にアデレード各地で開催される「アデレード・フリンジ・フェスティバル2019」で、笑福亭笑子氏が3月8~17日の9日間にわたりショーに登場する。

同氏の幼少期から世界で活動する芸人としての目線で、実体験を基に作られたスタンダップ・コメディーと、パペットなどの道具や音楽をふんだんに使用し、古典落語「さくらんぼ」をベースにしたオリジナル創作落語などが披露される。監督は、ニューヨーク公演中のABCテレビ番組でおなじみのランディーを操るパペティア、コメディー作家ヒース・マッキバーが務める。

同氏は、2004年に笑福亭鶴笑入門。海外を拠点に活動する唯一の落語家。ロンドン、東京、大阪、シンガポールに住み、現在はメルボルンを拠点に、テレビ、ラジオ、劇場、企業イベント、フェスティバル、講演会、学校公演、豪華客船などオーストラリアを中心に世界を舞台に活動している。腹話術落語、スタンダップ落語、古典落語をバイリンガルで高座にかける。

■アデレード・フリンジ・フェスティバル2019「SHOWKO: ABSOLUTELY NORMAL」
日時:3月8日(金)~17日(日)6PM
場所:National Wine Centre (Cnr. Hackney & Botanic Rds., Adelaide)
料金:<3月8~10日>$20、<11~17日>大人$25、コンセッション、6人以上のグループ$22
Web: www.adelaidefringe.com.au(チケット予約)、www.showkocomedy.com


■新刊紹介

『日本語ライティング[ I ]』と『IB 高校生が書いた本』

シドニー在住の作家・永淵閑氏の新書『日本語ライティング[I] ――IB 論文指導者が教える[私家版] 小論文・エッセイ・コメンタリー・本の書き方』と同氏から指導を受けていた生徒が、著者として英文で書きあげた『IB 高校生が書いた本――私が11年生・12年生時に書いたエッセイ・コメンタリーを公開します』が2018年9月に刊行された。

永淵閑氏の新書は、1968年から世界中に普及し、さまざまな国や地域で実施されている教育プログラムである国際バカロレア(International Baccalaureate/IB)の論文教師の同氏による執筆作。日本語の書き方・ライティングの基本が同氏の過去の書籍より引用・抜粋がされ、集大成版として作成されたもので、詳細に解説された文章作法が掲載されている。

世界各国で学ぶ日本人IB生や、海外留学中の日本人学生、小論文・エッセイの指導に悩んでいる教員にもお薦めの2冊。

■『日本語ライティング[I] ――IB 論文指導者が教える[私家版] 小論文・エッセイ・コメンタリー・本の書き方』
著者:永淵閑

■『IB 高校生が書いた本 ――私が11年生・12年生時に書いたエッセイ・コメンタリーを公開します』
著者:安達成那
担当教員・監修・解説:永淵閑
出版社:知玄舎


カウラで多文化祭を開催

昨年行われたカウラ多文化祭の様子
昨年行われたカウラ多文化祭の様子

2019年3月15~17日、カウラで多文化祭が開催される。

同祭は、和解の郷里(Home of Reconciliation)としてのカウラのコミュニティー・イベントであり、1965年以来毎年開催され、毎年数千人の参加者でにぎわう。

今年はカウラ・ブレイクアウト75周年となり、同祭のゲスト国は日本で、同月16日にはパレードやステージ・パフォーマンス、物販・飲食店ブースなど多くの日本関連の催しが予定されている。

また、同祭への出演及び出店に関心がある個人・グループは右記まで連絡を。

■問い合わせ
Tel: (02)6340-2060
Email: festival@cowra.nsw.gov.au
Web: www.cowracouncil.com.au/index.php/2012-11-27-23-28-25/festival-of-international-understanding


SBSラジオ日本語放送1月のハイライト

SBSラジオ日本語放送は毎週火曜日、木曜日、土曜日の午後10~11時に番組を放送している。オーストラリアのニュースや気になる話題、各方面で活躍する人びとへのインタビューなど、盛りだくさんの番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。

1月のシドニーサイドでは、来年メルボルンのサッカー・セミプロ・リーグとの契約の可能性を秘め、メルボルンで本格的なプロ・リーグ加入を目指している、アピア・ライカート・タイガース(豪2部)に所属する関谷祐(たすく)選手のインタビューなどが放送される。また、テニスの全豪オープンの錦織圭選手や大坂なおみ選手の記者会見の様子も放送予定。聞き逃した放送は、SBS日本語放送のウェブサイトやSBSのラジオ・アプリから聞くことができる。

なお、毎月最終週の木曜日には、日豪プレス翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。次回は1月31日(木)放送予定。

■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com./SBSJapanese


■NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り

Sydney Modern Project

Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa / SANAA Art Gallery of New South Wales, 2018
Kazuyo Sejima + Ryue Nishizawa / SANAA Art Gallery of New South Wales, 2018

NSW州立美術館では「Sydney Modern Project」と称される美術館建物拡張計画が進められており、創立150周年を迎える2021年に完成を予定しています。

このプロジェクトは、所蔵品展示能力が限界にきている現在のスペースを拡張し、より多くの所蔵品展示、世界中からの多くのすばらしい作品の展覧会開催を可能にすること、また来館者に広範囲のアート経験を提供する文化的集合場所を作ることを構想したものです。新館の増設で展示スペースは現在の2倍近くになります。その設計は建築界のノーベル賞と言われるプリッカー賞を始め、数々の賞を受賞した実績を持つ、国際的に高名な東京ベースの「SANAA」によるものです。

「緑の建築(Green Building Council of Australia)」の基準最高の6つ星級の新館設計により、当館は最高環境基準を達成する国内最初の公共美術館となるでしょう。

総工費344億ドルは、NSW州政府出資金244億ドルと民間からの寄付金を合わせ総額達成されました。2011年の立案から約8年が経ち、昨年11月NSW州政府からプロジェクト施工への承諾“グリーン・ライト”がおり、年明けと共にいよいよ建設工事が始まります。拡張のハイライトはアボリジナルとトーレス海峡美術の新展示場、第2次大戦中に建設された元オイル・タンクを再利用したユニークなコンテンポラリー・アート展示会場など。新館と旧館をつなぐアート庭園も注目のスポットです。完成後は、シドニーのみで可能なユニークな美術館経験が味わえることでしょう。

また、2019年の展覧会プログラムが発表されました。今年の大規模特別展は2月に国立故宮博物院、台北から宝物“Heaven and Earth in Chinese art”展、4月にはフィラデルフィア美術館からの“The essential Duchamp”などが計画されています。昨年10月より開催中の“エルミタージュ美術館展”は3月3日で終了します。どうぞお見逃しなく。なお毎週金曜日午前11時からの常設展日本語無料ツアーは1月中は休み、2月8日から再開します。今年もぜひNSW州立美術館をお楽しみください。(NSW州立美術館コミュニティー・アンバサダー:森岡薫)

■エルミタージュ美術館展:モダン・アートの巨匠たち
日時:開催中~3月3日10AM~5PM、水曜日のみ10PMまで
場所:Art Gallery of New South Wales Major exhibition gallery (Art Gallery Rd., The Domain NSW)
料金:大人$28、コンセッション$24、美術舘会員$20、家族(大人2人+子ども3人まで)$72、未成年(12~17歳)$16、12歳以下無料、マルチ・エントリーチケット(大人$48、コンセッション$42、美術館会員$36)
Tel: (02)9225-1700(英語)
Email: communityambassadors@ag.nsw.gov.au(日本語可)
Web: www.artgallery.nsw.gov.au/exhibitions/hermitage

■同日本語ツアー
日時:1月5日(土)~2月23日(土)の期間中、毎週土曜日(3月はなし)1PM~
備考:1階インフォメーション・デスク前に集合、ツアー催行時間45分
料金:無料(要入場券、ツアー開始前に展覧会入場券の購入が必要)


讃岐うどんは豪州産小麦

讃岐うどん店頭の看板
讃岐うどん店頭の看板

木枯らしの吹く日本の冬。温かいうどんをすすりたくなる。うどんの原料の小麦はシルクロードを経て日本に伝わった。四国・讃岐のうどんが、デビューしたのは、1970年(昭和45年)の大阪万国博覧会だった。以降、セルフ・サービス式の讃岐うどん食が全国的に広まった。街角に、ショッピング・モールに讃岐うどん店が見られるようになった。

香川県のうどんの90%が、オーストラリア産のASW(Australian Standard White)になったのは、1957年に日豪通商協定が結ばれ、本格的にオーストラリアの対日輸出物質になった1974年(昭和49年)ごろ。ASWは明るいクリーミーな黄白色で、うどんの色調にあった。

讃岐地方で、うどんが広まったのは、その昔、金比羅(こんぴら)宮参りにやって来た参詣客に、門前町の飲食店が出したのが始まりとされ、17世紀末の元録時代にさかのぼる。小麦粉そのものは、8世紀ごろ農民が川沿いの水車で石うすを動かして小麦をひき、自家の料理に使った。江戸期にうどん屋があらわれた。うどんは西日本の文化で、東の文化は、玉川用水の水車でひいたそば、江戸そばだ。

讃岐うどん店に入ると、直線のカウンターがあり、温かいのか、冷たいのかと聞かれ、店員が釜あげのうどんをどんぶりに盛ってくれ、客に手渡す。客はカウンターを進み、うどんに入れる具を選ぶ。てんぷら、ちくわ、さつまあげなどを入れ、金を払う。それから、客がショウガやネギの薬味を入れ、自分でどんぶりを持って適当な席に着く。流れ作業のセルフ・サービスだ。早い、うまい、安いの外食として人気がある。

小麦粉食文化は明治中期に小麦の生産が増え広まった。始めは、団子や水とん的な食べ方だった。うどんを手打ちするのは、村の集まりや晴れの日に限られていた。

平成になって、讃岐うどんは第2次ブームに。東京・渋谷の公園通りで、1杯100円で売り出し話題となった。今は、290円だ。最近『さぬきうどんの真相を求めて』という本も出た。

オーストラリア産小麦とうどんの出合いが、うどん飲食業を盛り立てた。オーストラリア産小麦の品種はガメニアといい、更にエラデュが西オーストラリア州農務省によって開発され、州南西部のパース周辺の広大な農地で作られている。

シドニーのラーメンは、日豪プレスの記事、広告を見ても、オージーに愛されているようだが、うどん店はあるのだろうか。(投稿=千葉・青木公)


オリジナルを貫くことで“ユニーク”が生まれる

オーサカ=モノレール、リーダー・中田亮氏インタビュー

2018年11月に4年ぶり3回目のオーストラリア・ツアーを果たした8人編成のファンク・バンド「オーサカ=モノレール(Osaka Monaurail)」。一貫したテーマを持って、ソウル/ファンク・ミュージックを日本のみならず、海外での公演を通して届けている。彼らの奏でる音楽とは、海外公演を通して気付いたことなどを同グループ・リーダーであり、ボーカル担当の中田亮氏に話を伺った。(聞き手=高坂信也)

ライブ・コンサートでは熱気に包まれ、大盛り上がりを見せる(Photo: Tsuneo Koga)
ライブ・コンサートでは熱気に包まれ、大盛り上がりを見せる(Photo: Tsuneo Koga)

――オーストラリア・ツアーはいかがでしたか。

オーストラリアでライブをすると、日本人の方にたくさん来て頂きますね。この国ならではの特徴のような気がします。例えば、ドイツやイギリスなどのヨーロッパ公演では、日本人は1~2人来てくれているかなというくらいですが、オーストラリアは違いますね。住んでいる日本人の母数が多いということもあるのでしょうが、きっとしっかりとしたコミュニティーがあるからだと思います。

――現在の活動内容について教えてください。

日本全国はもちろん、ヨーロッパへは1年に1~2回行っており、イギリスやフランス、スペイン、ドイツなどで公演します。他にも、ボルネオ、タイ、ニュージーランド、カナダ、メキシコなどにも訪れたことがあります。

――バンド結成時に「1968~72年のFUNKサウンドを現代に蘇らせる」というコンセプトを掲げています。そこに至った経緯は何でしょうか。

ピアノでセッションする中田氏(Photo: Tsuneo Koga)
ピアノでセッションする中田氏(Photo: Tsuneo Koga)
全身全霊でソウル/ファンク・ミュージックを届ける(Photo: Tsuneo Koga)
全身全霊でソウル/ファンク・ミュージックを届ける(Photo: Tsuneo Koga)

ヘンなコンセプトですよね(笑)。

高校生のころ、テレビCMでレイ・チャールズの『What’d I Say』を聞いた時、頭がぶっ飛びました。「これや!」と、世の中にこれほどすごいものがあるのかと思いました。また、1980年代後半はジェームス・ブラウンなどの70年代の音楽が再評価された時代でもあったので、そこにのめり込んでいきましたね。

そして、バンドを作った時から考えていることは、「なぜこの時代の音楽は格好良いのだろうか」ということなんです。1960年代は、公民権運動やベトナム反戦運動が盛んだったり、セックス・レボリューションやフラワー・ムーブメント、それからブラック・パワー運動の時代でもありました。

たどり着いた1つの結論が、「セルフ・プライドを取り戻すための音楽だから格好良いのではないか」ということでした。60年代のアメリカの黒人の音楽「ソウル・ミュージック」は面白く、特別な格好良さを持っているのだと思います。

――2006年のヨーロッパ公演を皮切りに毎年海外公演を行っておられます。世界で高い評価を受ける要因は何だと考えますか。

何が良くて何が悪いかは自分でもよく分かっていないです。オーサカ=モノレールは、いわゆるアメリカの黒人の音楽である60年代のソウル・ミュージックをやりたいと思って演奏し続けているだけなので、そこに何か特別なものを組み合わせて、“自分たちらしさ”というものを出そうとは考えていません。

ただ、海外公演をしていく中で面白いと思ったのは、「こんなバンド、今まで見たことがない」「お前たちにしかできないことだ」「人生で見た中で一番面白いライブだった」などと言ってくれる人がたくさんいたことです。僕らのような60年代の音楽をオリジナルのスタイルにできる限り忠実に演奏する人たちがあまりいなかったみたいです。例えばスーツを着てパフォーマンスやライブが始まる前にお辞儀をするといったスタイル、ルーズに演奏するのではなく、ビシッビシッとタイトに演奏するといったスタイルです。

そうしたスタイルで音楽をやろうと考えていること自体が、実はすごく日本人的なことだったわけです。それ故にユニークなんです。僕らはアイデンティティーやユニーク性についてあまり考えずに活動してきましたが、結果的にものすごくユニークなバンドになっていたようです。

――今後の目標や展望を教えてください。

やりたいことがいっぱいあります。「こういうサウンドを出したい」「こういう風に踊れるようになりたい」という思いは常に持っていますし、それにいろいろな国にも行ってみたいです。オーストラリアもパースなど西側や、北部にもまだ訪れたことがないので行きたいです。

また、2019年はアルバムを出します。更にヨーロッパ、日本ツアーをしたいと思っています。2020年の春ぐらいには、またオーストラリア・ツアーを組めるように頑張っていきたいです。

オーサカ=モノレール

子どものころからジェームス・ブラウンやレイ・チャールズが好きで、彼らが奏でるような音楽バンドを作りたいと考えていた中田亮氏が、1992年に大学のジャズ・サークルの仲間を誘って結成したバンド。以来、一貫して「1968~72年のFUNKサウンドを現代に蘇らせる」ことに注力し、ソウル/ファンク・ミュージック・シーンの第一線を走り続ける。2017年に結成25周年を迎え、現在8人編成。日本全国だけでなく、ヨーロッパ各国を始め、オーストラリア、北米、アジアなど、さまざまな国・地域で公演を行う

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