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2019年1月 メルボルン/ローカル・コミュニティー・ニュース

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大坂選手のプレーに世界中から注目が集まる(写真=板屋雅博)
大坂選手のプレーに世界中から注目が集まる(写真=板屋雅博)

日本勢に大きな期待

全豪オープン・テニス14日開幕へ

テニスの4大国際大会(グランド・スラム)の初戦、全豪オープンが1月14日からメルボルンで開幕する。期間中は世界中からテニスのトップ・プロが勢ぞろいし、2週間の激戦を繰り広げる。

2018年は男子シングルスの王者・ロジャー・フェデラー選手(スイス)がマリン・チリッチ選手(クロアチア)を制し2連覇を飾った。また、女子シングルスではキャロライン・ウォズニアッキ選手(デンマーク)が悲願のグランド・スラム初優勝を飾った。

今年の男子シングルスには、ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)、ラファエル・ナダル選手(スペイン)、ロジャー・フェデラー選手(スイス)、アレクサンダー・ズべレフ選手(ドイツ)、日本からは錦織圭選手、西岡良仁選手、ダニエル太郎選手らが出場を予定している。17年の右手首の故障から復活を遂げ、現在、世界ランク9位の錦織選手がどこまで勝ち進むか注目だ。また、昨年、車いすテニスの男子シングルスで優勝した国枝慎吾選手、女子ダブルスで優勝を飾った上地結衣選手も連覇の期待が懸かる。

今年の注目は何と言っても、18年の全米オープンで日本人初のグランド・スラム・シングルスで優勝を飾った大坂なおみ選手だろう。全米オープンの決勝ではジャッジに不満を持ったセレーナ・ウィリアムズ選手が主審を激しく罵り、大荒れの試合の中で勝利を収めた。大ブーイングで始まった表彰式で涙にくれた大坂選手の優勝スピーチは記憶に新しい。テニス界の1年を占う同大会で、トロフィーを手にした同選手の笑顔が見られるか目が離せない。


スピーチ後はステージ上で恒例の鏡開きが行われ、平成最後となる天皇誕生日をゲストと共に祝った
スピーチ後はステージ上で恒例の鏡開きが行われ、平成最後となる天皇誕生日をゲストと共に祝った

第85回天皇誕生日祝賀レセプション開催

在メルボルン日本国総領事館は12月6日、在メルボルン日本国総領事公邸で天皇誕生日(同月23日)を祝う年末恒例の祝賀レセプションを開催した。天皇陛下が2019年4月30日の御退位に伴い、天皇誕生日祝賀会を12月に開催するのは今年で最後となる。同会には邦人コミュニティーや進出日経企業の代表者、VIC州政治・経済の代表者など、400人以上が参加した。更に、日本からは華道家の假屋崎省吾氏が来豪し、見事な作品で公邸入口を飾った。

冒頭、参加者全員による日豪両国の国歌斉唱に続き、松永一義・在メルボルン日本国総領事、スティーブ・ディモプーロス議員、ブルース・アトキンソン州上院議長が天皇誕生日の祝辞を述べた。松永総領事は「平成30年間で日本とオーストラリアは確固たる関係を築き上げた。日本が多くの天災に見舞われる中、常にオーストラリアは手を差し伸べてくれた。東日本大震災時は、ジュリア・ギラード前首相がどの国の首相よりも早く、最初に被災地へ足を運んでくださいました」と感謝の意を表した。多くの移民を受け入れ、メルボルンがマルチカルチュアルな都市として発展していることから、日本がこの街から学ぶべきことはマルチカルチュアル(多文化)、コンビニエンス(便利さ)、ジェネロシティ(寛容さ)の頭文字を取って「MCG」と述べると、会場からは大きな拍手が送られた。

また、今年日本で開催されるラグビーのワールド・カップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の世界万博がメルボルンの姉妹都市である大阪市で開催されることにも触れ、今後も日本とオーストラリアの関係が発展していくことを期待すると述べた。同会では他にも、和太鼓や弓道によるパフォーマンスが行われ、また飛騨牛のバーベキューや長野県安曇野市の酒蔵3社のブースなど、日本の味を伝えるブースには多くの人が列を作った。

誕生日が12月23日の天皇陛下が19年4月30日に退位し、2月23日生まれの皇太子さまが同年5月1日に新天皇に即位するため、1978年の祝日法の施行以来、19年は天皇誕生日がない初めての年となる。20年からは2月23日が天皇誕生日になる。


地元の記者から質問を受けるメルボルンVの本田選手
地元の記者から質問を受けるメルボルンVの本田選手

本田圭佑選手、好調なメルボルン生活を語る
Aリーグの10・11月の月間MVP選手を受賞

メルボルン・ビクトリー(以下、メルボルンV)の本田圭佑選手が12月6日、メルボルン市内で記者会見を行い、それまでの全6試合を振り返り、同チームに与えている影響や自身のメルボルン生活などについて語った。

ヤラ川沿いで行われた記者会見は、本田選手に加えゲオルグ・ニーダーマイヤー(DF)選手も出席した。地元の記者団からの最初の質問には「子どもたちの学校も決まり、チームメイトとはサッカー以外の話もしている。メルボルンの人たちは親切で、ここでの生活を気に入っている」と答え、プライベートでも順調なことを印象付けた。また、毎朝5時半に起床して英語を勉強し、トレーニングやカンボジア代表の監督業も休みなくこなす同選手の働き方がチームメイトに好影響を及ぼしていることについても触れた。これまで勝利した試合内容については「うれしいですが、この結果に満足してはいけないと思う」と、常に上を目指す本田スタイルを見せた。今季Aリーグ全試合に出場している同選手だが、オーストラリアのサッカー・スタイルの特徴、まだ欠けている点はという本紙の質問に、「技術の面はまだ向上の余地があると思う。例えば、プレッシャーを受けるとロング・ボールに逃げがち。体が大きくてパワーがあるのがオーストラリア・サッカーだと思う」と述べた。

同月12日には、PFA(オーストラリア・プロサッカー協会)が選ぶ10月・11月のオーストラリア・Aリーグ月間最優秀選手に選ばれ、期待通りの活躍を見せる本田選手。これは、同協会に所属するプロ選手たちの投票により選ばれたもの。本田選手は「びっくりしています。チームメイトのお陰で受賞できて、とても感謝している」と述べた。


オーストラリアらしい明るい色を大胆に組み合わせた作品を披露した假屋崎氏
オーストラリアらしい明るい色を大胆に組み合わせた作品を披露した假屋崎氏

華道家・假屋崎省吾氏が来豪
プラーン・マーケットに200人

華道家の假屋崎省吾氏の生け花イベントが12月6日、メルボルン市内にあるプラーン・マーケットで開催され、会場には約200人のファンが同氏のパフォーマンスを見ようと詰め掛けた。

美輪明宏氏より「美をつむぎだす手を持つ人」と評され、大胆で独特の色彩感覚を生かした作品が国際的にも評価されている假屋崎氏は、芸術家、ファッション、オーケストラなど多分野の人とのコラボレーション、国賓をもてなす会場の花のプロデュース、個展など幅広い活動で知られている。今回、同イベントのために初来豪を果たし、オーストラリアのネイティブ・フラワーやあじさい、芍薬など日本らしい生花を合わせ、日豪文化の融合を表現した作品5点を発表した。また、イベント終了後は在メルボルン日本国総領事公邸に移動し、天皇誕生日レセプションのための作品を披露した。

午前10時から始まった生け花のパフォーマンスでは10分で5作品を作るなど、瞬く間に作り上げられる独特の世界と、そのスピードに集まった観客は驚きを隠せないようだった。同氏のパフォーマンスを楽しみにしてきたという早川友佳子さんは「完成時の生け花の姿が完璧に頭の中にあるように、あっという間に作っていらして驚きました」と同氏の圧倒的なパフォーマンスに感動した様子だった。假屋崎氏は「今回初めてメルボルンに来ましたが、とても緑が多くて良い街で大好きになりました。また必ず来ます」とメルボルンの印象に触れた。更に、「今回は平成最後である天皇誕生日レセプションでもお花を生けることができて、大変に光栄です」と述べた。


佐戸川氏デザインの「ウイング・ラックス・サイド・チェア」、ナラかウォルナット材から選ぶことができる
佐戸川氏デザインの「ウイング・ラックス・サイド・チェア」、ナラかウォルナット材から選ぶことができる

豪州1号店オープンから3カ月
旭川製家具店「カンディ・ハウス」、堅調な人気

2018年10月、豪州進出第1号店舗としてリッチモンドのブリッジ通り沿いにオープンした「カンディ・ハウス」が堅調な滑り出しを見せている。同社は北海道の旭川に本社・工場を持ち、日本全国に15店舗を持つ人気家具店で、「素材」「構造」「デザイン」にこだわり、長く使える家具作りを目指し、20年前に旭川で創業した。

メルボルン店は、日本の優れた家具を選りすぐり、メルボルンで販売している「APATO社」が運営するショップとしてオープンした。同社のオーナーであるシー・イェン・フー氏は「カンディ・ハウスの家具は革新的なデザインと品質がすばらしい」と語る。同社の商品は、木材によっては2年程乾燥させてから製品にするため、十分に水分が抜けることで木材の亀裂を防いでいる。長い年月を経ても美しく使えるのが魅力だ。更に、全ての家具が流れるような曲線美を持ち、その極限まで計算されたフォルムは、職人たちの高い技術によって支えられている。同社の物作りには、自然を敬い、人を思う、という理念や日本の精神性が表れている。

メルボルン店の1番人気商品は、木目が美しい「ウイング・ラックス・サイド・チェア」だ。繊細な曲線を生かしたフォルムはどこから見ても美しい。デザイナーの佐戸川清氏により、背もたれの丸み部分が緻密にデザイン、設計されているため、長時間座っていても驚くほど快適だ。また、日本を代表するプロダクト・デザイナーの深沢直人氏がデザインしたリビング・セットは、木の継ぎ目や、家具の裏までもが美しくしつらえてある製品だ。ソファーをセミ・オーダーしても日本から10~12週間で届くという速さのためか、メルボルンでは既に「Higher Ground」などの人気カフェやレストランで使用されていて、豪州マーケットでも製品への反応、評価が高い。価格はいすが1,300ドルから、2人掛けソファーが7,000ドルから。日本の美学を反映した商品は、一見の価値がありそうだ。

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