メルボルンの日本夏祭り
フェデレーション・スクエアで開催
メルボルンで毎年恒例の日本祭り「ジャパニーズ・サマー・フェスティバル」(メルボルン日本商工会議所/メルボルン日本人会共催)が、2月24日に開催される。今年で10周年を迎える同フェスティバルは、日本の夏祭りを彷彿させる巨大な櫓(やぐら)が設置される他、ヤラ川沿いには屋台が並び、毎年4万人以上が訪れる。
会場となるフェデレーション・スクエアの特設ステージでは、午前の部に和太鼓演奏、日本舞踊、居合道のデモンストレーションなど日本の伝統芸能を中心としたプログラム、午後は、いちまでぃん、豪州三宅会、ジョージ・アンド・ノリコらによる多彩なライブ演奏が行われる。
昨年に引き続き、ベスト・ドレッサー賞やラッフルでは豪華なプレゼントが用意される。ラッフルの1等は日本航空の日本行き往復ペア航空券(エコノミー)、その他多くのプレゼントが用意されている。ラッフルは1枚2ドルで、当日の午前11時半~午後4時まで現地でのみ販売される。今年も多くの人出が予想され、ラッフルは毎年早くに完売するため、関係者は、早めの購入を来場者に呼び掛けている。
■Melbourne Japanese Summer Festival 2019
日時:2月24日(日)11:30AM~5:30PM
場所:Federation Square, Melbourne VIC
料金: 無料
Web: www.jcjsm.org.au/fest
車いすテニスの前哨戦「メルボルン・オープン」
男女シングルスで国枝・上地が優勝
全豪オープン車いすテニスの前哨戦と言われるメルボルン・ウィルチェア・オープンが1月15~19日まで、メルボルン北郊のヒューム・テニス・アンド・コミュニティー・センターで開催され、国枝慎吾と上地結衣が男女シングルスの優勝を飾った。
車いすテニス世界ランキング1位の国枝選手はグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)と対戦、6−2、6−7(3)、7−5の圧勝。一方、上地は最大のライバルであるディーデ・デフロート(オランダ)と対戦し、3−6、7−5、7−6(11)と激闘を制し、全豪オープン前のコンディションとしては申し分ない仕上がりを見せた。
メルボルン・ウィルチェア・オープンは毎年、全豪オープンの前半と重なる時期に開催されるため、全豪オープン車いす部門の行方を占う重要な大会として位置付けられている。今年からはジュニア部門のトーナメントとキャンプが設けられ、日本からもジュニア選手が参加した。
沖縄の風をメルボルンへ
音楽チャリティー・コンサート開催
メルボルンを拠点に活動する沖縄民謡バンド「いちまでぃん」が中心となり、6人の若手演奏家を沖縄から招いたチャリティー・コンサート「南風ぬ舞」が3月2日、カールトン地区にある教会で開催される。
当日は、琉球舞踊、三線、迫力の踊り沖縄エイサーなどメルボルンでは滅多に観ることができない沖縄の伝統芸能が披露される。スペシャル・ゲストとして尺八演奏者のリンゼー・ドゥガン氏も登場するする予定。また、会場では沖縄特産のスナック、泡盛、オリオン・ビールなども楽しめる。
同コンサートの収益全額は子ども支援のチャリティー「ザ・スミス・ファミリー」に寄附される。
■南風ぬ舞
日時:3月2日(土)4:30PM開場、6PM開演
場所:Charch of All Nations, 180 Palmerston St., Carlton VIC
料金:大人$23、シニア・学生、子ども(13~18歳以下)$18、子ども(6~12歳)$8、5歳以下の子ども無料(座席なし)
Web: www.sites.google.com/view/ichimadin2019woc/home
www.trybooking.com/BAGAR(チケット購入)
世界を舞台に活躍する大和撫子
元サッカー日本女子代表・近賀ゆかり選手
サッカー日本女子代表のDFとして活躍し、現在はオーストラリア・女子サッカー・リーグの強豪メルボルン・シティーのMFとしてプレーする近賀ゆかり選手。「なでしこジャパン」として北京、ロンドン五輪に出場、FIFA女子ワールド・カップ(以下、W杯)に3回出場したその功績は、日本における女子サッカーをメジャーなスポーツにまで押し上げる活力となった。活躍の場所を海外に選んだ同選手にキャリアや、オーストラリアでの生活について伺った。(取材・文=大木和香)
――サッカーを始めたきっかけを教えてください。
兄の影響で小学校の時に始めました。男の子の友達が多く、遊びがサッカーだったという感じです。中学入学時に「女子もサッカー部に入って良いが、試合には出られない」と言われたので、中学からは全国で強豪だった女子サッカー・チーム「横須賀シーガルズ」に入りました。今は女子のクラブ・チームも学校単位のサッカー部として増えて、女子サッカー選手の環境は全く違っています。
――キャリアの中で変化が起きた時期はいつごろですか。
大学時代、日本では女子サッカーでプロになる人はいなかったので、プロになろうと思ったのはずっと後でした。自分というよりは、2011年のW杯ドイツ大会優勝後の周りの変化が大きかったです。07年のW杯中国大会、北京五輪は先輩に付いて行っただけという感じでしたが、11年のW杯ドイツ大会、ロンドン五輪は自分のこと以外にチームのことも考える立場になり、気持ち的にはだいぶ違いました。
――16年にキャンベラ・ユナイテッドに入団し、17~18年は現在のメルボルン・シティーで活躍していますね。オーストラリア女子サッカー・リーグの特徴は何ですか。
日本は1年を通してリーグ戦がありますが、オーストラリアのシーズンは短期集中型なのが特徴です。オーストラリア代表選手も毎年2、3月にオーストラリア・リーグが終わると、シーズンが重ならないアメリカのリーグに移籍する人もいます。そうすることで1年を通してプレーできるからです。こちらの若手選手はシーズンが長い州リーグ(NPL)で10月ぐらいまでプレーする人もいます。最近のオーストラリア代表は力を伸ばしているので、私が初めてオーストラリアに来た3年前と比べると、今はとても良い時期を迎えていて、リーグのレベルも上がっています。
――チームについて教えてください。
メルボルン・シティーは大きいクラブで、世界の女子リーグの中でも良い環境を持つチームです。練習グラウンド、クラブ・ハウス施設、スタジアムでの試合など、費用を掛けています。現在はクラブが用意してくれている大きな一軒家を4人でシェアして暮らしています。シーズン終了後は、選手各自の選択で、次のリーグを求めて世界中に散っていき、翌年にクラブとの契約が合意したら戻ってくるという感じです。
――日本とオーストラリア、サッカーの違いはどんなところにありますか。
組織的なサッカーとスピードが違います。日本は組織的なサッカーが得意で、短いパス回しが多く、数は少ないがきれいなシュートが多い。一方、オーストラリアはシュートの数が多く、パワーがあるのでロング・シュートが多いです。観客としては、オーストラリアのサッカーを観る方がおもしろいかもしれません。オーストラリア人選手はパワーがあり、まともにぶつかっていくとかなわないので、そこはテクニックやタイミングでカバーしています。
――今後の展望をお聞かせください。
まずは、チーム優勝のために結果を残すこと。どこにいても生活もサッカーも楽しみたいと思っています。日本は年間を通じてリーグ戦があるので、どうしても日本のチームに入るとオーストラリアに帰ってくるのが難しいため、いろいろと考えています。違う場所でプレーをする可能性もありますが、オーストラリア生活が楽しいのでまた戻って来たいです。
<きんが ゆかり>
1984年、神奈川県生まれ。湘南学院高校を経て、日本体育大学在学中に2003年日テレ・ベレーザに入団。11年INAC神戸レオネッサ入団、14年に英国アーセナル・レディースFCへ移籍。16年からは豪州へ移り活躍している。2011年FIFA女子W杯優勝、12年にロンドン五輪で銀メダルを獲得し、日本女子サッカーの名前を世界に知らしめた。FW、DF、MFをマルチにこなせる日本を代表する女子サッカー選手