オーストラリアの日系コミュニティー・ニュースをお届け!
Japanese Community News
オーストラリアにおける日系コミュニティーのニュースや最新情報を紹介していくと共に、シドニーを中心に各地で行われるセミナーやイベントの告知や報告などを掲載。
車いすロード・レースOZ Day 10K
日本人選手が3クラスで1位の快挙
1月26日、シドニー・ロックスでウィルチェア・スポーツNSW州が主催する総距離10キロの車いすロード・レース「GIO OZ Day 10K」が開催され、日本から洞ノ上浩太選手・松本直幸選手・松永仁志選手・鈴木朋樹選手・西勇輝選手・喜納翼選手・中山和美選手の7人が出場した。レースでは日本人選手全員が完走を果たし、うち鈴木選手が全体1位、洞ノ上選手がマスターズ(40歳以上のクラス)1位、松本選手がクァード(四肢まひの機能的障がいによるクラス)で1位となる快挙を達成した。
同ロード・レースは、同月20~22日にキャンベラ、24日にシドニー・ブラックタウンで開催された車いすトラック・レースを含む「GIOサマー・ダウン・アンダー・シリーズ」の一環、毎年オーストラリア・デーを祝うイベントとして開催され、今年は30周年の記念大会となった。当日、スタート時刻の午前9時には気温が30度近くに上るなど厳しいコンディションでのレースとなったが、その中でも鈴木選手が22分15秒のタイムで優勝、昨年に続き同レースを連覇した。連覇という結果に同選手は「キャンベラからの連戦の疲れがある中、連覇できたことは素直に良かった。昨年の経験を生かし勝つことができた」と喜びと満足感を語った。また22分47秒でマスターズ1位・全体3位となった洞ノ上選手は「昨年より総合で上の順位になることを目指して戦い、それが好結果につながった」、クァード1位の松本選手は「暑さが厳しく終盤はバテてしまったが、それでも良いレースができた」とコメントした。
GIO OZ Day 10Kの前日25日にはシドニーCBDのザラ・タワー・ホテルで日本選手団のためのウェルカム・パーティーが開催され、日本人を中心に50人以上が集まった。パーティーでは、選手から同シリーズの経過報告、普段のトレーニング、2019年の目標といった話がされた他、さくらキッズ・チアリーダーズによるパフォーマンスなどが披露された。主催団体の1つアクセス・クリエイターズの中塚智恵氏は同パーティーについて「1人だとできることは限られていたが、多くの団体からの協賛や有志の力によって日本人選手を盛り上げられるイベントを開催できて良かった」と語った。
シドニー大会で日本チーム準優勝
セーリングの新設プロ・リーグ戦セイルGP
2018年に新設され今年が初年度のシーズンとなるセーリングのプロ・リーグ戦「セイルGP」の第1回大会が2月15日と16日の2日間、シドニー湾を舞台に行われた。今季は豪州・中国・フランス・英国・日本・米国の6チームが参加、開幕戦のシドニー大会では地元・豪州が優勝、日本は準優勝に輝いた。
セイルGPは、F50と呼ばれる速度50ノット(時速約100キロ)に迫る同一規格のレース艇を使用し、国を代表するセーラーが豪州を含む4カ国を転戦しながら実力を競うイベント。日本チームからは、ヘルムスマン(艇長)のネイサン・アウタリッジ選手を始め、イアン・ジェンセン選手、吉田雄悟選手、ルーク・パーキンソン選手、笠谷勇希選手、高橋レオ選手の6人が参戦した。大会では、2日間で5本のフリート・レース(6チームが一斉に競うレース)が行われ、5本終了時点で得点の高い上位2チームが1対1で大会優勝を争うマッチ・レースに進出、シドニー大会で日本は初日を1位で折り返し、2日目に2位となって豪州とのマッチ・レースに挑んだ。マッチ・レースで日本は序盤、豪州と互角に争う白熱した展開を見せた。しかし、中盤から徐々に差を付けられ始めると、最後までその差を埋められず惜しくも準優勝となった。
大会終了後には記者会見が行われ、アウタリッジ選手と笠谷選手が出席した。シドニー大会について、アウタリッジ選手は「トップで初日を折り返したものの、準優勝という結果で大会を終えたことに悔しさがある。ただ、初めての大会としては満足できるもの」とコメントした。また、笠谷選手は「(今後も続くリーグ戦の)始まりとしては良い位置に付けている。チームの修正点を生かし、次回は更に良い結果を手にしたい」と次戦に向けた意気込みを語った。セイルGPは今後、5月の米サンフランシスコ、6月の米ニューヨーク、8月の英カウズ大会を経て、9月に最終戦が仏マルセイユで行われ、5大会の総合ポイントで1位になったチームに優勝賞金100万米ドルが贈られる。
シドニー日本商工会議所
新年経済講演会・賀詞交歓会を開催
シドニー日本商工会議所(会頭=小山真之:豪州三井物産)の企画委員会(委員長=小西敦史:日立オーストラリア)と金融・投資部会(部会長=髙橋誠幸:三井住友銀行)は2月7日、恒例の経済講演会・賀詞交歓会を開催し、約60人が参加した。
同会では、まず山口葊秀氏(日興リサーチセンター・理事長)が、「2019年の内外経済の展望」と題して講演。続いて、嶋中雄二氏(三菱UFJモルガン・スタンレー証券・参与・景気循環所長)は、「景気循環から見た世界と日本経済~2019年の展望」をテーマに講演、参加者はそれぞれの話を聞いた。
■シドニー日本商工会議所
Tel: (02)9223-7982
Web: www.jcci.org.au
Email: info@jcci.org.au
ジェニー・ダウル元リズモア市長、旭日小綬章を受章
2月7日、ジェニー・ダウル元リズモア市長は、1963年から続く奈良県大和高田市とリズモア市との姉妹都市関係の再活性化に中心的な役割を果たしたとして旭日小綬章を受章した。
この姉妹都市関係は日豪間で最初に締結されたものであり、ダウル元市長は市長在任期間中(2008~16年)、姉妹都市50周年記念事業、大和高田デーの開催、学生交流の活性化など、両市の友情を深めるさまざまな取り組みを実施したことが評価された。
ダウル元市長は、喜びと感謝の意を示すと共に、学生交流などを通じて若い世代が未来の友好関係のビジョンを構築する重要性を強調した。アイザック・スミス・リズモア市長は、この受章を歓迎し、リズモア市と大和高田市は長い年月の思い出を共有しており、家族のような関係であると述べた。
竹若敬三・在シドニー日本国総領事は、ダウル氏に対し大和高田市長からの祝辞を伝えると共に、半世紀以上にわたる草の根の交流が日豪の友好関係の下支えになっていることを感謝した上で、勲記及び勲章を手渡した。
リズモア市では毎年3万人以上が参加する壮観なランタン・パレードを開催している。昨年55周年のパレードの際には大和高田市マスコットの「みくちゃん」のランタンが参加し、ダウル元市長も街頭で応援した。今年の同パレードは6月22日を予定している。
関西ツーリズム・セミナー2019
11の企業・自治体が関西への観光アピール
関西観光本部、大阪観光局、関西エアポート株式会社は2月4日、日本政府観光局(JNTO)シドニー事務所協力の下、シドニー中心部グレイス・ホテル内の日本食料理店「ゴールド・クラス達磨」で関西地域の観光PRイベント「関西ツーリズム・セミナー2019」を開催した。イベントには上記の主催団体以外に、徳島県・同県三好市、東奈良名張ツーリズム・マーケティング、兵庫県、京都府、南海電気鉄道株式会社、阪急阪神ホールディングス株式会社、近畿日本鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社を含んだ計11の企業・自治体がブースを出展、集まった50人以上の旅行業関係者に関西の観光の魅力をアピールした。
イベントの冒頭で若林香名・JNTOシドニー事務所長があいさつを行い、続いて伊藤暁氏(関西観光本部)と谷村信彦氏(大阪観光局)による関西地域へのアクセス、文化・食体験などに関するプレゼンテーションが行われた。その後に設けられた交流セッションでは、各出展ブースの担当者らが地図やパンフレットを使いながら来場者に熱心に説明をする姿が見られた。
交流セッション終了後、伊藤暁氏は「来場された皆さんは関西についてよく知っていて驚いた。今後はそうした人たちによりニーズに合った価値を提供できるよう、しっかり準備をしていかなければならないと思った」とコメントした。
また、上記11の企業・自治体は、同月2~3日にシドニー・オリンピック・パーク内ショー・グラウンドで行われた「ワールド・トラベル・エキスポ」にもブースを出展、観光プロモーションを実施した。
中央大学、新学部設立に当たりオーストラリア視察
在シドニー・日本国総領事館を訪問
今年4月に「国際情報学部」を設立する中央大学・同月就任予定の教員・斎藤裕紀恵氏と同大学職員・小山望氏が2月21日、竹若敬三・在シドニー日本国総領事を表敬訪問した。
同大学の国際情報学部は、情報と法律の学びに注目し、工学系と法学系の学びが融合する新学部。ICT技術の進展がもたらす社会変化は各国共通であり、国際社会との連携と共に人種、宗教、社会背景など異文化への理解が不可欠だという考えの下、同学部在籍の希望者を対象に海外留学プログラムを実施することが予定されている。
斎藤氏と小山氏は、表敬訪問に当たってシドニー、メルボルン、ブリスベン各都市の大学を視察、海外留学プログラムの意見交換という形で、竹若敬三・在シドニー日本国総領事と会談した。
アンチエイジングのスペシャリスト
オーガスト・ハーゲスハイマー氏がセミナーを開催
アンチエイジング・スペシャリストのオーガスト・ハーゲスハイマー氏が2月2日、シドニー市内中心部でセミナーを開催した。シドニーでのセミナーは昨年の6月以来、2回目となる。
今回は、「オーガスト・メソッド 6つのルール 実践編」をテーマに、「食べる」ことに関して具体的にどのようなことをするのが良いのかなどが解説された。オーガスト氏自身の1週間の朝食をスライドに映し、どのような食事が効果的であるか、お薦めの食材や調味料、調理法などが話された。
会場には、食や健康法に興味・関心の高い約30人が集まり、セミナー中は「血圧が高い時、どう対処すると良いか」「豆乳は体に良いのか」などさまざまな質問が飛び交った。2時間に及んだセミナー後も、来場者が個別に質問する姿が多く見受けられた。
オーガスト氏はシドニーでの2回目のセミナー開催について、「食の大事さという観点からオーストラリアの在住日本人の人たちはとてもレベルが高い。セミナー後も1時間以上の個別に質問を受け、うれしかった。早く3回目の開催ができるようにしたい」と語った。
今回のセミナーも前回同様、オーガニック商品の輸入・販売を行うナチュラセンス(NATRASENSE)が企画・運営を行った。
在豪日本人サッカー選手との座談会・交流会
関谷・有川両選手がゲスト出演
シドニー日本人コミュニティー「LINK」は1月26日、シドニー市内ヘイマーケット・ホテルで日本人サッカー選手との座談会・交流会「若き侍となでしこの世界への挑戦~海外で成功するメンタリティとは~」を開催した。同イベントにはアボンデールFC(メルボルン)の関谷祐選手とグレーズビル・レイベンズ(シドニー)の女子サッカー選手、有川枝里選手がゲストで参加、豪サッカー・リーグで活躍する2人の話を聞こうと当日は家族連れを含む20人以上の参加者が会場に詰めかけた。
関谷選手は2016年の来豪後、シドニーのアピア・ライカート・タイガースFC(NPLNSW1/豪2部相当)に加入し攻撃的MFとして3季プレー。昨季はリーグ年間最優秀選手賞を日本人で初受賞するなど大活躍を見せ、今季からアボンデールFCでプレーする。有川選手は山梨大学卒業後の18年に来豪しグレーズビル・レイベンズの女子チーム(NPL NSW2/豪3部相当)に加入、チームの正GKとして活躍している。イベント第1部の座談会では、両選手から豪州でのプレーを決断した理由から、プレーするリーグの環境、チームメイトとの信頼関係の構築などの話が語られた。第2部では参加者との質疑応答が行われ、日頃のコンディション調整やストレスとの向き合い方、サッカーの上達方法などの質問が2人に寄せられた。その後は交流会が行われ、参加者は現役選手との貴重な交流の機会を楽しんだ。
イベントについて両選手とも「人前で話すのは難しかった」と振り返りながらも、関谷選手は「普段感じていることをありのままに伝えられたと思う」とコメント、有川選手は「サッカーを通した自分の経験から何かを感じてもらえたらうれしい」と感想を述べた。
テニス・土方凛輝選手、全豪オープンで予選デビュー
オーストラリア在住の土方凛輝選手(17歳、マックヒジカタ・テニス・アカデミー)は1月8日~11日、メルボルンで行われた全豪オープンで予選デビューを果たした。
同予選1回戦では、守屋宏紀選手(日本)と対戦した。第1セットを6-7(4)の接戦で落とした後、6-2と第2セットを取り返したが、ファイナル・セットではミスが出て3-6と惜敗。2時間32分に及ぶ試合を守屋選手が制した。
土方選手は、予選後すぐの同月11日~16日に行われた全豪ジュニア前哨戦となるトララルゴンG1に、ダブルスをオット・バータネン選手(フィンランド)と組み第1シードで出場した。準決勝で同ペアは、6-7(3)、6-4、10-5で第1シードのリアム・ドラクル選手(カナダ)・ゼイン・カーン選手(アメリカ)ペアに勝利、決勝ではユリ・レヘチカ選手(チェコ)・ウォイチェフ・マレク選手(ポーランド)ペアに6-0、6-3で快勝し優勝した。シングルスでは3回戦、今年の全豪ジュニア・ファイナリストのエミリオ・ナバ選手(アメリカ)に7-5、6-3で勝利するも、4回戦ではレヘチカ選手に7-5、4-6、3-6で敗退した。
また同選手は、同月19日~26日、メルボルンで開催された「オーストラリア・オープン・ジュニア・チャンピオン・シップス」にシングルス第5シード、ダブルス第1シードで出場。シングルス1回戦で、リリアン・マームーゼー選手(フランス)に6-3、6-4の快勝し順調なスタートを切ったが、2回戦、ゼイン・カーン選手(アメリカ)に4-6、4-6で敗退。同日行われたダブルス2回戦も第1セット6-1、第2セット6-7(5)、ファイナル・セット3-10という結果となった。
カウラ捕虜収容所集団脱走事件から75年
今年も多文化祭がカウラで開催、ゲスト国は日本
3月15日~17日、シドニーから西へ約330キロの内陸にあるカウラで多文化祭が開催される。同祭は、1965年以降毎年開催されている同地のコミュニティー・イベント。毎年ゲスト国が変わり、今年はカウラ捕虜収容所集団脱走事件75周年ということもあり、16日にはパレードやステージ・パフォーマンス、物販・飲食店ブースなど多くの日本関連の催しが行われる。その他にも学校・地域やカウラ市内の団体によるサイド・イベントも開催される予定だ。
第2次世界大戦中、カウラの捕虜収容所で1,000人以上の日本兵捕虜が収容され、終戦前年の1944年8月5日午前1時50分ごろ、「カウラ・ブレークアウト」と呼ばれる集団脱走が決行された。日本兵231人、オーストラリア兵4人の死者と、多くの負傷者を出す惨事となり、この事件の歴史的背景から、毎年8月ごろにカウラ市では日本人戦没者基地で慰霊祭が行われている。
■カウラ多文化祭
Tel: (02)6340-2060
Email: festival@cowra.nsw.gov.au
Web: www.cowracouncil.com.au/index.php/2012-11-27-23-28-25/festival-of-international-understanding
三枝亭二郎落語会開催
シドニーやまなし県人会主催
2月17日、シドニー北部チャッツウッドのドガティー・コミュニティー・センターで、三枝亭二郎氏(師匠は6代目桂文枝を襲名した桂三枝)による落語会が、シドニーやまなし県人会の主催で行われた。
会場には同県人会メンバーら50人以上が集まり、平林純子氏による日舞と観客を交えたミニ・ワークショップ、「日豪文化交流コーラス隊」による君が代と豪州国歌斉唱が、オープニング・アクトとして行われた。
三枝亭二郎氏は、落語の「まくら」(導入部)で、自身の海外留学時の失敗談やハリウッドでの活動のエピソードを交え会場を沸かせた。高齢のカップルの結婚式を題材にした創作落語では、絶妙な話術と演技を披露し、約1時間の独演で観客を爆笑の渦に巻き込んだ。
現在居住する山梨県のPR大使も務める三枝亭二郎氏は、米国では英語による落語も披露してきたという。「呼ばれれば、どこへでも行く。海外でも日本の伝統芸能である落語を通じて日本文化を広めていければ」と抱負を語った。
日本のインストゥルメンタル・バンド「ザッハトルテ」
初の豪州ツアーを敢行
京都府を拠点にテレビ・ドラマや旅番組、テレビCMの挿入歌など日本全国で活躍するインストゥルメンタル・バンド「ザッハトルテ(ZAHATORTE)」が2月6日から16日にかけ豪州ツアーを行い、同月8日、シドニー西郊ピーターシャムにあるピーターシャム・ボウリング・クラブのライブ会場で、シドニー公演を行った。6日のブリスベン公演から始まった同ツアーは、シドニー、キャンベラ、メルボルン、タスマニアの計5都市で6公演が行われた。
シドニー公演では、前売り券は完売したが、当日急遽、立ち見での来場者を動員し大盛況となった。日本の同バンド・ファンから聞きつけた在住日本人や、口コミで集まった地元の人びとなど多くの観客を引き付けた。
ザッハトルテは2002年、アコーディオン担当の都丸智栄(とまるともはる)さんを中心に立命館大学の多国籍音楽サークルのメンバーと結成。アコーディオン、ギターのウエッコさん、チェロのヨース毛(ようすけ)さんの3人で、世界的にも珍しい独自構成のヨーロッパ音楽を演奏する。
書家・れん氏「ルナ・ニュー・イヤー2019」で大書を披露
シドニー・シティー中心部に位置する商業施設、ワールド・スクエアで2月1日~10日、「Lunar New Year 2019 In Augmented Reality」が開催された。さまざまな催しが行われた同イベントで7日、シドニーを中心に活躍する書家・れん氏が大書パフォーマンスを披露。大紙を横に2枚並べ、「新年快楽」「恭喜發財」「在世界廣場」「觀慶豬年書」と全て中国語での作品を完成させた。同氏は「一文字一文字が大きかったので、やり応えがありました」とコメントした。
さくら合唱団コンサート
シドニーを中心に活動するさくら合唱団は3月16日、カウラで開催される多文化祭「Festival of International Understandings」でパフォーマンスを行う。今年は、カウラ捕虜収容所集団脱走事件から75周年となり、日本がゲスト国に選ばれた。国際交流基金よりスポンサーを得て同地で歌声を披露することになった。
また、同合唱団は3月22日、シドニー・コンサーバトリアム・オブ・ミュージックで行われる「The Sydney Gay and Lesbian Choir」のコンサート、4月6日、7日にシドニー西郊のストラスフィールド・タウンホールで開催されるストラスフィールド交響楽団のコンサートで「Handel-Zadok the Priest」の合唱にも参加する予定。
■Festival of International Understandings
日時:3月16日(土)4:10PM
場所:The Festival stage in Bryant park(地図ウェブサイト:www.cartoscope.com.au/maps/cent_nsw/cowra.pdf)
■The Sydney Gay and Lesbian Choir
日時:3月22日(金)8PM~9:20PM
場所:Verbrugghen Hall Sydney of Music(Sydney Conservatorium of Music, Sydney, NSW)
Web: www.sglc.org/event/riseup
■ストラスフィールド交響楽団コンサート
日時:4月6日(土)7PM開演、7日(日)2:30PM開演
場所:ストラスフィールド・タウン・ホール(Cnr. Redmyre & Homebush Rds., Strathfield NSW)
Web: www.strathfieldsymphony.org.au(チケット・詳細)
現役女流棋士・北尾まどか氏、将棋ワークショップを開催
現役女流棋士の北尾まどか氏が、子どもたちを対象に「将棋」と「どうぶつしょうぎ」を楽しむためのワークショップを開催する。同氏は3月25日からメルボルンで将棋のワークショップを行った後、同月31日からシドニーで同様のワークショップを開催予定。同ワークショップでは将棋と、将棋の普及を図るため同氏がルールを考案した子ども向け将棋キット「どうぶつしょうぎ」を使って、手ほどきを行う。また、参加が20人限定となっており、集まった人数で同氏と同時に将棋を指す多面指しで対局ができる。将棋の経験有無は問わず、誰でも参加が可能。参加を希望する際には、下記の参加登録フォームからの予約制となっている。
北尾まどか氏は17歳で、将棋の女流棋士を目指す女流育成会に入会。西村一義九段門下で、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)、フリーの女流棋士などを経て、現在は日本将棋連盟女流棋士会に所属。海外での活動も積極的に行っている。
■現役女流棋士・北尾まどか氏による将棋ワークショップ
日時:3月31日(日)3PM~6PM ※途中参加可
場所:Forest Community Arts Centre(6 Darley St., Forestville NSW)
料金:$20
問い合わせ:sydeyshogiclub@gmail.com(シドニー将棋クラブ・松本)
参加登録フォーム:goo.gl/forms/CFBtPnkwGhEgG0hQ2
WSOチャリティー・フェスタ2019開催
ボランティア・スタッフを募集
ワールド・スカラーシップ・オーガナイゼーション(WSO)は3月31日、シドニー北部キャッスル・コーブでWSOチャリティー・フェスタ2019を開催する。
WSOは、バングラデシュやケニアなどで15歳以上の義務教育を終了した学生を対象に、職業訓練学校などに進むための返済の必要のない給付型奨学金を提供することを目的とした非営利団体で、シドニー近郊に住む日系コミュニティーによって2013年に発足された。WSOは、同奨学金制度を通じて恵まれない若者たちが技術を身に着け、経済的に自立し、世界の貧困を少しでも減らすことを最大の目標としている。
同イベントでは、ミュージシャンやアーティスト、チアリーディング・チーム、武道団体らのパフォーマンスが披露される予定。また、WSOは同イベントでチャリティー活動のボランティアを募集している。問い合わせは下記の連絡先まで。
■WSOチャリティー・フェスタ2019
日時:3月31日(日)11AM~3PM
場所:キャッスル・コーブ・パブリック・スクール(Kendall Rd., Castel Cove NSW)
料金:無料
Email:yamaguchi@nbca.com.au(イベントの問い合わせ担当:山口)、mpmap9715@gmail.com(ボランティア活動の問い合わせ担当:香織)
SBSラジオ日本語放送3月のハイライト
SBSラジオ日本語放送は毎週火曜日、木曜日、土曜日の午後10時~11時に番組を放送している。オーストラリアのニュースや気になる話題、各方面で活躍する人びとへのインタビューなど、盛りだくさんの番組は、AMラジオ1107khzにチューンを合わせる方法と、デジタル・テレビのデジタル・ラジオ「SBS Radio1」を選択する方法で聞くことができる。
3月のシドニー・サイドでは、シドニー日本クラブ(JCS)のレインボープロジェクトのスタッフで東日本大震災後に被災地の写真を撮り続けている伊藤美咲さんや、日本で活躍するカウンセラーの心屋仁之助さんらのインタビューを放送予定。また、オーストラリアでHIVに感染し、現在はシドニーでHIVへの理解を深める活動をしている青木大さんや、シドニーで落語会を開いた落語家・三枝亭二郎さんのインタビューなど、聞き逃した放送は、SBS日本語放送のウェブサイトやSBSのラジオ・アプリから聞くことができる。
なお、毎月最終週の木曜日には、日豪プレス翌月号の見どころや取材の裏話などを編集部スタッフが紹介している。次回は3月28日(木)放送予定。
■SBSラジオ日本語放送
Email: Japanese.program@sbs.com.au
Web: www.sbs.com.au/Japanese
Facebook: www.facebook.com./SBSJapanese
■NSW州立美術館・日本語ボランティア・ガイド便り
国立故宮博物院―台北 宝物
「Heaven and Earth in Chinese art」展
今年最初の特別展、「国立故宮博物院―台北 宝物 Heaven and earth in Chinese art」展が始まりました。国立故宮博物院は世界でも最も優れた中国美術品を多く所蔵し、その収蔵品が台北以外の地で見られることはまれです。今回はオーストラリア初の展覧会であり、開催地はAGNSWのみです。「Heaven and Earth in Chinese art」展は天、自然、人類間の融合「天地合一」という哲学的概念を通して、豊かな中国文化遺産を褒めたたえるものです。絵画、書画、青銅器、翡翠や、木彫刻など80点以上が出展されています。
中でも必見の名作は、国立故宮博物院の3至宝の1つと言われ、最も人気のある文物の1つ、その外見から単に「肉形石」として知られる作品、清朝時代に作られたとされます。素材は玉髄類の碧玉で、石が形成される過程にできた幾つもの層と色合いの縞模様を生かし、豚の角煮「東坡肉(トンポーロウ)」を模した彫刻です。肉の部分は自然原石のまま、上部の皮部分には無数の穴をあけて染色しタレがしみ込んで照りが出ている様子を表した自然と人工の絶妙な組み合わせが見事です。国立故宮博物院の収蔵品数は膨大で総点数は69万点に及びます。歴代の皇帝やその高官たちのために作られたこれらの文物は、皇帝の美意識や嗜好、それを作るアーティストたちの創作への熱望が表れ、また時代の社会背景などのユニークな話をも伝えてくれます。(NSW州立美術館コミュニティー・アンバサダー:森岡薫)
■国立故宮博物院―台北 宝物「Heaven and Earth in Chinese art」展
日時:開催中~5月5日(日)10AM~5PM、水曜日のみ10PMまで
場所:Art Gallery of New South Wales Major exhibition gallery 2階・特別展会場(Art Gallery Rd., The Domain NSW)
料金:大人$18、コンセッション$16、美術館会員$14、家族(大人2人+子ども3人まで)$45、子ども(5~17歳)$8、5歳未満無料(Qtixで購入可・手数料$2)、マルチ・エントリー・チケット(大人$32、コンセッション$29、美術館会員$26、美術館のみで購入可能)、学生$7(学校団体申し込み)
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
■特別インタビュー
ラグビー・ボール抱えW杯出場25カ国の最高峰登る
ラグビー登山家・長澤奏喜さん
過去8回のラグビー・ワールド・カップ(以下、W杯)に出場した全25カ国の最高峰にトライする冒険を、2017年3月から続けている長澤奏喜さん。「ラグビー登山家」というユニークな肩書きを自称する長澤さんは1月、オセアニア遠征を行い同月下旬に豪州最高峰コジオスコ山に登頂・トライを果たした。世界でも類を見ないであろう冒険をするに至った経緯、ラグビーと共に歩んだ人生、現在の冒険の先に見据えるビジョンについて話を聞いた。(聞き手=山内亮治)
ラグビーと共に挑む人生を賭けた大勝負
――「ラグビー登山家」という非常にユニークな肩書きですが、まずご自身のラグビー人生とはどのようなものでしたか。
ラグビーは高校入学と同時に始めました。通っていた高校は強豪校ではありませんでしたが、自分の代では秋の大会で準優勝を果たし、全国高校ラグビー大会出場にあと一歩というところまで健闘しました。
その後、2年間の浪人を経て慶應義塾大学に進学したのですが、そこでもラグビーを続けました。高校時代は非常に過酷な練習を強いられたので二度とやるものかと思っていたラグビーですが、2年も受験勉強をしていると体がラグビーを欲していました。
ただ、大学でのラグビーは花形スポーツであり、トップ・クラスになると競技力はプロに近いものがあります。2年の浪人を経て入学してから部活でレギュラーをつかむのは非常に難しいと思い、戦前に発足した伝統あるラグビー・クラブに活動の場を移しました。大学卒業後、社会人となってもプレーは続けました。
――大学卒業以降もプレーされたわけですから、ラグビーには特別な思いがあるようですね。
小中学生のころ、自分はあまり人と話さずふさぎ込んでいました。というのも、小学校6年生の時に父親を亡くしたからです。他人とうまく付き合えない自分を好きになれずにいましたが、高校で出合ったラグビーがそんな自分を変えてくれ、自分を好きになることができました。ラグビーは自分を救ってくれた存在です。
ラグビーが自分を救ってくれたという思いがありましたから、就職活動でも既に招致が決まっていたラグビーW杯日本大会を盛り上げられるよう、マスコミや広告代理店を中心に採用試験を受けました。しかし、残念ながら全て不採用になってしまい、最終的に大手IT企業に就職しました。
――安定したキャリアを歩んでいたと思います。なぜそれを捨ててまで冒険しようと思い立ったのでしょうか。
現在の冒険を始める2年前までは、東京でシステム・エンジニアとして働くごく普通の会社員でした。パソコンのキーボードをたたく音が響きわたるオフィスで働き続けていたのですが、同時に自分はこのまま社会に埋没していって良いのかと疑問を抱えていました。当時、30代になったばかりでしたが、その現状を変えるべく人生を賭けた大きな勝負をしたいと考えていたんです。転職や起業などいろいろと考えましたが、その時ラグビーW杯日本大会のエンブレムに目が留まりました。
エンブレムには日の丸と富士山が描かれています。日の丸がラグビー・ボールに見え、それを富士山山頂にトライしている構図なのではないかという印象を抱き、自分が世界中を回りラグビー・ボールを山頂にトライすると面白いのではないかと考えました。そうして過去のW杯に出場した全25カ国の最高峰にボールをトライする、という現在の活動を思い付きました。人生を賭けた挑戦は何かと考えた時、これ以上に面白いアイデアを思い付ける自信がありませんでした。また、自分がアイデアを実践することで日本大会のプロモーションだけでなく競技の普及につなげられると思ったことも自分の考えを後押ししました。
――冒険を思い付く以前に登山歴はあったのですか。
山には少し興味がありましたが、それ以上に「世界の全てを見る」というテーマが自分の人生の根幹にあります。このテーマにも父を亡くしたことが関係しています。
先述の通り父を亡くして以降、ネガティブになり、思春期にありがちな「死」に駆り立てられてしまう精神的に不安定な状態に陥っていました。そんな時に、ふと思い付いたのが「世界の全てを見てからにしよう」という考えでした。それが、実は今の自分を突き動かすコア・アイデンティティーになっています。そのため、今まで青年海外協力隊で世界一の独裁国家と呼ばれていたジンバブエへの赴任も含め、世界の隅々まで見ることに努めてきました。70カ国ほど世界を歩き回っていましたが、山頂の景色は見ていなかったため、どこかのタイミングで山に挑戦したいと思っていました。それが理由となり現在は登山家として活動していますが、キャリアが1年経った程度の全くの新人です。
W杯開幕までに全25カ国の最高峰を登頂
――登山には装備や入山料など非常にコストが掛かるはずです。それらを含めた冒険の費用はどのように捻出されているのですか。
最初は自己資金で始め、当初のアイデアでは終盤はスポンサーから資金を募ろうと考えていました。ただ、そう思惑通りにうまくはいきません。大手企業に現物支給をお願いしたにもかかわらず結局提供されないなど、冒険中では思い通りにいかないことが9割以上です。
ただ、自分は前に進み続けなければいけない状況にいます。というのも、自分の現在の冒険には、タイムリミットを設けたからです。W杯開幕の2019年9月20日までに25カ国の最高峰を登頂する予定でいます。
――登山である以上、多くのハプニングや危険な場面に直面してきたのではないですか。
昨年、ニュージーランドのクック山に挑戦していた時のことです。下山時でしたが、クレバス(氷の割れ目)がたくさんあり、そこに落ないよう飛び跳ねるように動かなければなりませんでした。その時、アイゼン(鉄製の爪)が足に突き刺さり救助ヘリを呼ぶほどのひどいけがを負いました。
また、コートジボワールでは紛争地帯を歩かなければなりませんでした。隣国同士で争っている領土が登山ルートに含まれていたためです。そこで、コートジボワールの観光庁にお願いして軍人を雇い、守られながら山を登りました。ひと言に登山と言っても、訪れた国によっていろいろな条件をクリアしなければなりません。
――インタビューをさせて頂く前にフィジー、サモア、トンガ、オーストラリアの最高峰を回られたと伺っています。今回の遠征にも困難はありましたか。
残りの時間を考えると失敗が許されず、そのため準備が一番重要なのですが、それさえも現地に着いてみないと分からない場合があります。トンガの最高峰は人が住んでいる島から70キロほど離れた無人島にあったのですが、島への行き方やガイドの手配の仕方などの情報を事前にインターネットでは得られず、現地の人への聞き込みから始めなければなりませんでした。
――冒険において何か独自に設けられているルールなどありますか。
ラグビー・ボールを抱えて登るということが冒険の基本姿勢ですが、ノック・オン(ボールを前に落とす反則)時には10メートル下がってスクラム姿勢を取るというルールを設定しています。
基本的に山は1人で登ってきましたが、登山中に現地で誰かとすれ違う際にはボールのパス交換をし、即席のW杯プロモーション、国際交流を行っています。
W杯の新たな動きを作るために
――オセアニア遠征を終えた時点で残りあと何カ国ですか。
残り5カ国です。しかし、ここからが大変です。6,000メートル級の山1つ(アメリカ・デナリ)と5,000メートル級の山を3つ(カナダ・ローガン山、ジョージア・カズベック山、ロシア・エルブルース山)の挑戦を残しています。そのうち、デナリとローガン山には、登頂と下山に約1カ月の時間を要します。これらの山では食料やテントなどの装備をソリに載せて動かないといけないため、都度移動できる距離に制限が掛かるからです。
そうした特に標高が高い山をクリアした後、富士山の頂にラグビー・ボールをトライしてゴールです。
――25カ国の最高峰全てを登り切った先には何か見据えていますか。
ラグビーW杯の大会エンブレムに開催国の象徴が描かれたのは日本大会が初めてで、今後はそうした流れになってくると予想しています。私としては大会ごとでそのエンブレムに物語を付与するための何らかの動きが草の根レベルでも起き、やがて新たな文化として定着していって欲しいと願っています。自分はそうした将来に実現して欲しい動きの先駆け的な存在になりたいんです。
ラグビーW杯はサッカーと比べまだ8回と歴史が浅いので、今後続く新たなムーブメントを日本大会を控えたタイミングで作っていけたらという気持ちです。このタイミングが唯一のチャンスかもしれませんので、そこに今の自分の全てを懸ける価値があると信じています。
長澤奏喜(ながさわそうき)◎1984年生まれ、大阪府出身。高校入学と同時にラグビーを始め、進学した慶応義塾大学ではラグビー・クラブに所属、学生クラブ日本一に。大学卒業後は大手IT企業に就職、システム・エンジニアとして働くが30歳になったころ「ラグビー登山家」としての冒険を思い付き2016年12月に辞職。17年3月に冒険開始。9月20日のラグビーW杯日本大会開幕までに冒険を達成することを目指し現在も活動を続ける