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シニア・ライフ特集2019 シニア・ライフを充実させる終活と準備④

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シニア・ライフ特集2019 シニア・ライフを充実させる終活と準備

年齢や健康状態、環境など、個人によって実にさまざまな状況が考えられるシニア・ライフ。ただ状況は違っても、その生活を楽しむために何を考え、どのように行動すれば良いのか。本特集では、そのためのヒントとしてズンバ・インストラクターであるフェルナー静子さんのインタビューを掲載。また、シドニーで楽しめる趣味・習い事のサービスを3つピックアップして紹介する。

ズンバ・インストラクター
フェルナー静子さんインタビュー

州政府が運営する英語強化施設(IEC)で生徒の学習・精神面の支援を行う傍ら、ズンバ・インストラクターとして活動するフェルナー静子さん。フェルナーさんはインストラクター資格を取得後、中高齢者や障がい者の参加者を中心としたズンバ・クラスを主宰、活動を行っている。クラスでシニアを指導してきた経験から考える老後の生活を楽しむ上での秘訣は何か、話を伺った。(聞き手=山内亮治)


――フェルナーさんはズンバ・インストラクターとして、主に中高齢者対象の「ズンバ・ゴールド」、障がい者も参加できるいすを使ったズンバ「ズンバ・オン・チェア」のレッスンを持たれていると伺っています。そこに至った経緯を教えてください。

インストラクターの資格は2012年に取得しましたが、本業の関係で一般の人を対象にしたレギュラー・クラスでの指導が難しい状況でした。レギュラー・クラスでは、ウォームアップから最後の運動までを含め60分で約15曲分を踊るので、それぞれの曲に振り付けを用意しなければなりません。振り付けにはパターンが決められておりコピーしても良いのですが、クラスの個性を出すには自分なりのアレンジが求められます。そうすると、振り付けを全て覚えなければならず、その負担を考えると自分自身が楽しめないと感じたのです。

なので、レギュラー・クラスではなく、週末に教会で行われるアクティビティーとして若い人たちにズンバを教えていました。また、病院で心臓疾患の患者に対してもレッスンを持ちました。

教会や病院でのクラスも楽しかったのですが、定期的にクラスを持ちたいとも考えていました。ただ、そのためには労力と時間を割かなければならず、本業に影響が及んでしまわないかと悩んでいました。

そんなことを考えていると、「ミュージカル・ビットイーン総合音楽センター」(以下、ミュージカル・ビットイーン)という音楽療法及びコミュニティー活動のサービスを提供している友人から、コミュニティー活動の一環としてズンバ・クラスのスタッフを担当しないかと打診がありました。

実はその前にも2~3回、月に1回程度の頻度でズンバのクラスを開催していたのですが、段々と人が来なくなりストレスを感じていました。ただ、打診された時にレギュラー・クラスのズンバではなく、いすに座ったまま行う「ズンバ・オン・チェア」をしてみたいと言ったら、代表者から「利用者に障がいを持った人が多く、その方がより多くの人が参加でき、活動の趣旨に合っている」と返事をもらいました。そういう団体の場所でズンバをするのであれば、レギュラー・クラスのズンバにこだわる必要もないと考え、シニアや障がいを負った人たちを対象にしたズンバ・クラスを開催することに至ったのです。

――それでも最初は、年齢などを理由に参加をためらっていた人が多かったのではないでしょうか。

最初はそういう人もいましたが、とにかく一度体験して楽しいと感じてもらえればと考えました。そのため、ズンバ・オン・チェアに関しては、ズンバという概念にとらわれず、いすに座って音楽を体感し「自分は運動しているんだ」という気になってもらえるだけでも良いと敷居を低くしました。

また、ミュージカル・ビットイーンの代表者も、楽で簡単だからと高齢者を始め団体の利用者に声を掛けてくれました。すると、その人たちが面白そうだから自分もしてみたいとなり、参加後、好評の声が次第に広まっていったのです。なので、現在ではシニアからその親御さんまで参加者の年齢層が広がっています。

――実際にズンバを体験した参加者にはどのような変化がありましたか。

「汗をかいて、びっくりした」「単純な運動なのにすごく体がすっきりして、朝の目覚めが良くなった」など、驚きの声を多く聞きます。

これまで、実にさまざまな人に参加して頂きましたが、1つとても感動したエピソードがあります。コロンビア出身の90歳を超える女性が、毎回クラスの度にカラフルな衣装をまとい、頭に花を挿して参加者の先頭に立って踊ってくれていました。踊るといっても高齢なので、ただ立っているだけに近い状態なのですが、音楽を体で感じている状況が伝わってきました。そんな彼女の様子を見て、ズンバをする人の中にいるだけで、どんな人でもきっと良いイメージの中に自分を置くことができるのだと感じたのです。こうして考えると、ズンバはエクササイズである以上にイメージとしての要素が強いもの、ある意味、精神的な運動かもしれません。

――お話を聞く限り、シニア・ライフを楽しむ上で人と関わることの重要性を感じます。

過去と比べ体の機能に衰えを感じても、今の状況でできることを楽しむ重要性を強調する(写真:ミュージカル・ビットイーン総合音楽センター提供)
過去と比べ体の機能に衰えを感じても、今の状況でできることを楽しむ重要性を強調する(写真:ミュージカル・ビットイーン総合音楽センター提供)

人と関わることの意味、効果は大きいですね。

私事ですが、来豪後、子育てがひと段落すると他にすることがなくなってしまい、当時は交友関係が広くなかったのでジムに通い始めました。運動することよりも、人とつながるためにジムで行われるクラスに参加したかったんです。そのクラスに行くということは他の参加者も共通の趣味を持っているということですから、お互いの理解が速く、そこから人脈が広がりました。やはり、人と関わり合うことで自分の中の考えの幅、視野が広がっていったと感じます。

若い学生であっても、根源的なところでは学校での友人の存在が重要ですよね。なので、シニアであれば若いころと同じ、またはそれ以上に人の存在が重要であるはずです。人と話すことで若返ることもあります。

もちろん、シニア・ライフの楽しみ方として、趣味に打ち込むのも1つの方法です。1人でもできる趣味はたくさんありますが、それでも可能な限り人とつながることをした方が良いと思います。

――人とつながるために大切なことは何でしょうか。

実際にシニアの方の中にはこれからしたいことをたくさん持っている人もいると思います。ただ、新しいことを始めるには勇気が必要なのも事実です。そこで大事なのが、考え方を変えることではないでしょうか。

それは、今の自分ができることの中で自分を楽しませてあげるということです。立って歩けない、車いすがなければ移動できない、そんな状況でも可能な限り体を動かす、歌を歌うといったことをすれば良いのではないかと思うのです。ズンバ・オン・チェアはその1つですが、体に無理が利かなくなっても人とつながれる機会はあります。新しいことに挑戦、そう考え過ぎると物事が難しくなってしまうかもしれません。

――ご自身としては今後どのようなシニア・ライフを送っていきたいですか。

まだ模索中ですが、体が動く限りはいろいろなことに挑戦していきたいです。止まりたくはありません。せっかく与えられた貴重な時間ですから、この世に存在してできることは全部やってみたいという気持ちです。

シニア・ライフを楽しむには、まずどういう自分でありたいかを考えることが非常に重要だと思います。それによって、「したいこと」と「できること」が見えて迷いも払拭されると信じています。どういう自分でありたいか、そうした原点を大切に、信じたことを続けていくことが大切ではないでしょうか。

シニア・ライフ・サポート情報

「オーストラリアの医療・福祉制度」のウェブサイト画面
「オーストラリアの医療・福祉制度」のウェブサイト画面

個人によって状況はさまざまだとしても、オーストラリアでシニア・ライフを楽しむ上での備えとして同国における医療及び福祉制度の基本的な情報は知っておきたい。そこで力になってくれるのが、在豪邦人コミュニティーサポート(JASIC)のウェブサイト「オーストラリアの医療・福祉制度」(Web: jasic.org.au/welfare)だ。
 同ウェブサイトでは、日本語でオーストラリアの医療制度が詳しく解説された「JASIC オーストラリアの医療ガイド」「JASIC オーストラリアの在宅医療ガイド」の無料ダウンロードが可能。「ペンション・カード」(医療ガイド内記載)を始め、経済的なサポートとなり得る公的なサービスについて知ることができる。


フェルナー静子(しずこ)
プロフィル◎1961年生まれ、東京都出身。大学卒業後に損害保険会社営業事務、通訳業、予備校講師などの仕事を経て、2004年に夫の仕事の関係で来豪。05年から英語強化施設(IEC)でスクール・ラーニング・サポート・オフィサーとして勤務。12年にズンバ・インストラクターの資格を取得し、以降、中高齢者対象のズンバ・ゴールド、障がい者も参加できるいすを使ったズンバ「ズンバ・オン・チェア」のレッスンを主宰している


趣味・習い事/セント・レナーズ

マーヴォ・アロマ・スクール

Marvo Aroma School

アロマ・セラピストを目指す人からの支持が厚いコースを提供するスクール。
自社開発製造のオーガニック製品も人気!

教材には、こだわりの自社開発製品が使用される
教材には、こだわりの自社開発製品が使用される
相澤正弘さんによる丁寧な講義が行われる
相澤正弘さんによる丁寧な講義が行われる

シドニー北部に位置するセント・レナーズ駅から徒歩6分ほどの所にあるマーヴォ・アロマ・スクールはアロマセラピーの基礎から調合などの実践まで幅広い知識を学べる日本人による日本人のためのアロマ・スクールだ。少人数制でコースが開催されているので、1人ひとりのニーズに合った講義を受けられることで定評がある。もし講義を休んでしまっても、相談に応じて補講してくれるのもうれしい。コース修了後は、ワールド・オーガニゼーション・オブ・アロマセラピーとインターナショナル・アロマセラピー・アンド・アロマテイック・メディスン協会からのダブル・サティフィケ-トを取得できる。また、企業への推薦状、講義内容書も日本語と英語で発行してくれる。過去1,000人を超える修業者がいるので安心して通えるスクールだ。もちろん日本帰国後も日本支店がしっかりサポートしてくれるため、今後のキャリアや家事などですぐに生かせるアロマセラピーを学ぶのはいかがだろう。

お薦めポイント
「Marvo&Co」の精油やスキン・ケア商品はオーストラリアの厳しい基準のオーガニック認定を受けた“本物”のオーガニック製品だ。講義を受けた人はそれらを特別価格で購入可能。

インタビュー

アロマ・セラピスト:相澤正弘さん

アロマ・セラピストとしての活動

私は、15年以上スキン・ケア業界で働き、その後アロマセラピーのディプロマを取得しました。その他、IFA(Independent Financial Advisers)、SECCA(Sexuality Education Counselling and Consultancy Agency)、WOAなどの資格を取得しスクールの開校に至ります。2008年に開校した同校では、全てオーガニック原料を使ったメディカル・アロマセラピーを学んで頂くことで、効果のある正しい知識を身に着けて頂けます。多くの精油を使った実践を交えながらの体験型の講義なので、飽きることなく楽しみながら学べると好評を頂いています。また、高齢の方であれば認知症の予防・改善につながるアロマ・オイルをご自身でブレンドしたり、自律神経の測定を医療器具を使って行ったりもしています。

人気のコースについて

オーガニック・アロマ・セラピスト育成コースは、「本格的なメディカル・アロマセラピーを取得したい」「家庭でアロマセラピーを楽しみたい」「アロマセラピーを学ぶのは初めて」「アロマセラピーを深く知り資格を取得したい」という方々に適したコースです。まず初めにオーガニック・アロマセラピーの基礎について学んで頂き、その後、精油の働きや選び方、クオリティー、ブレンドの仕方、そしてアロマ・オイルなどの製品を作るための基材の紹介と特性をお伝えします。実践方法や和精油の紹介、ショルダーとハンド・マッサージなどの講義を経て、最後に認定テストを受けて頂きます。全工程で20種の精油を使用した講義となり、コース修了後に認定資格を受験し、資格取得という流れになります。

受講を考えている人へのメッセージ

アロマセラピーは、生活を豊かにするだけでなく心に余裕を与えてくれます。正しく、そして効果のあるアロマセラピーを生活の取り入れることは、私たちが思っている以上に有効で、そのポイントを当校では分かりやすく案内しています。ぜひ、マーヴォ・アロマ・スクールでアロマセラピーについて正しい知識を身に着け、深く学んでみてください。後悔はさせません!

●住所:Suite 3 Level 1, 30-36 Albany St., St Leonard NSW ●Tel: (02)9439-8633 ●営業時間:月~金10AM~6PM、土・日・祝休 ●Web: www.marvo-aromatherapy.com ●Email: contact@marvo-aromatherapy.com

趣味・習い事/グリーブ

ズンバ・ウィズ・アキ

Zumba with Aki

エクササイズは楽しいのが一番! 今のあなたが一番若い!

多くの参加者がズンバを楽しむクラスの様子
多くの参加者がズンバを楽しむクラスの様子
ズンバを始める前(左)と、始めた2年後(右)
ズンバを始める前(左)と、始めた2年後(右)

幅広い世代の人が楽しめるダンス・フィットネスであるズンバ。他の人と競うことなく自分のペースで楽しむことができるところが魅力の1つだ。「Zumba with Aki」のレッスンでは、心拍を上げての全身運動でリンパや血流を促し、心肺機能を強化する他、ひざや足首など、弱い関節の磨耗(まもう)を防げるよう振り付けが変更されるという。また、腰痛や肩こりを軽減、ひざ周りを強化する動きが取り入れられている。レッスンでは、「楽しい」「スッキリした」などシンプルで幸せな感情を満喫してもらえるよう、指導を心掛けているというアキさん。クラスの大半の人が初心者でスタートしているため、経験の有無などを気にせず気軽に参加できるのもうれしい。少しでも興味を持った人はぜひ訪れてみよう。

お薦めポイント
要望に応じてワークショップの開催や単発クラスの追加、企業などに出張対応も可能。ブロードウェイ・ショッピング・センターの2時間無料パーキング利用が便利。

●住所:Latin Dance Australia(LDA), 263 Broadway Rd., Glebe NSW ●Tel: 0405-435-228 ●営業時間:火10:30AM〜11:30AM(祝日、スクール・ホリデー中は休み)、金10:30AM〜11:30AM(不定期開催)●Web: www.zumba.com/en-US/profile/Aki_Murao_Lewis/1509657 ●Email: aaakim11.zumba4you@gmail.com ●利用可能カード:不可 ●日本語:可

趣味・習い事/ベルローズ

盆栽アート

Bonsai Art Pty Ltd

手間を掛けて育てる面白さが、世界中の人びとを引き付ける

盆栽インストラクターのメグミさんが、受講生1人ひとり丁寧に日本語で指導してくれる
盆栽インストラクターのメグミさんが、受講生1人ひとり丁寧に日本語で指導してくれる
ショップと教室の玄関。駐車場も完備
ショップと教室の玄関。駐車場も完備

盆栽は近年、世界中の人びとから愛され楽しまれている。手と頭を使う盆栽は健康法の1つとも言えるだろう。シドニー北郊に位置するベルローズにある「盆栽アート」では、少人数制の盆栽教室と生け花教室が開かれている。日本盆栽協会の盆栽インストラクターであるメグミさんが1人ひとりの技術向上を目指し、丁寧に日本語で指導を行う。1レッスン2時間の10回コースでは、盆栽を育てるための基礎を4鉢の盆栽を作りながら学ぶことができる。また、定期的に週末に開催されるワークショップでは、オーストラリア人と同じクラスだが、日本語でも説明してくれるため安心だ。手間が掛かるからこそ面白さがある盆栽。必要な道具は全て教室に取りそろえられているため、気軽に訪れてみよう。盆栽の魅力に触れてみてはどうだろうか。

お薦めポイント
教室が併設されたショップでは、盆栽と生け花に必要な製品が豊富に取りそろえられている。また、同店で購入した盆栽は2カ月後に無料でチェック・アップしてもらえる。

●住所:Hidden Orient, Bonsai Art P/L, 206-208 Forest Way, Belrose NSW ●Tel: 0432-680-331(メグミ)●営業時間:月~日9AM~5PM、1月1日・イースター・12月25日・26日休 ●Web: www.megumibennettbonsai.com ●Email: bennettmegumi@gmail.com ●利用可能カード:VISA ●日本語:可


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