医療
Q
歯をもっと白くしたいと思っています。効果のあるホワイトニングはありますか。(29歳女性=会社員)
A
そもそもホワイトニングとは何か?
歯の染みや汚れは、歯医者で受けるクリーニングを行うことである程度、表面的に除去できますが、食べ物や飲み物による染色の粒子まで取り除くことはできません。この粒子が歯の一番上のレイヤーに入り込んでたまっていき、染みになります。特に今日では、お茶やコーヒーなどの飲み物が歯に着色しやすいです。
ホワイトニングは、ペロクサイドと呼ばれる特殊なジェルにより歯の一番上のレイヤーを開け、ミクロの染色粒子を除去します。そのため、ホワイトニングは天然の歯のみに効果があり、クラウンや詰め物がある歯には適応されません。もし前歯にクラウンや詰め物の治療が必要な場合、先に天然の歯にホワイトニングを行い、白くなった歯の色に合わせてクラウンや詰め物をすると、白い歯を持続できます。
ホワイトニングを行うことで歯が弱まると考える人が多いようですが、2000年以来、最新のテクノロジーと研究・調査によって、ホワイトニングすることで永久的な副作用などは見られないことが分かっています。
しかし、ホワイトニングを行った後、歯や歯茎が敏感になることがあります。それも通常1~2日間で収まります。時には歯茎の端が白くなるようなこともありますが、それも通常4~5日で元に戻ります。
ホワイトニングの種類
スーパーマーケットなどで、ホワイトニングと書かれた歯磨き粉を見掛けますが、これらに含まれている薬品は非常に微量なため、残念ながらホワイトニング効果はほとんど見られません。
以下に「ホーム・ホワイトニング」と呼ばれる自分で行うものと、歯医者で施術される「オフィス・ホワイトニング」の2種類を効果のあるホワイトニングとして紹介します。
ホーム・ホワイトニング
これは、カスタムメイドされたトレイに決められた量のホワイトニング・ジェルを入れ装着し、数日間続けることにより歯を白くする方法です。ホーム・ホワイトニングは、ホワイトニングの歯磨き粉を使用するよりも効果はありますが、元の歯が比較的白い人や、着色が著しい人にはあまり効果が見られません。また、オフィス・ホワイトニングを一度行った後のメンテナンスとして使用される場合が多いです。
オフィス・ホワイトニング
個人差はありますが、オフィス・ホワイトニングは一番良い結果が期待できる治療です。歯茎を部分的にカバーしながら治療することで、濃密な薬品を使用できるため効果が非常に高まります。
ホワイトニング以外に歯を白くする方法
以前に詰め物などの施術を受けたり、ホワイトニングの効果が思うように出ない人などは、ポーセリン・セラミックのベニア(耐久性があり長持ちするが高価)や、コンポジット・レジンと呼ばれる歯科用プラスチックでできたベニア(リーズナブルだが耐久性が落ちる)などの治療を受けることで白い歯を手に入れられます。
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ノックス・キム院長
シティ・ワールドタワー歯科(Dental Clinic @ World Tower)
オーストラリア・シドニー大学歯科学部を卒業。キャンベラやストラスフィールドで勤務した後、03年にワールドタワー・レーザー歯科を開院(東京・大阪・名古屋・千葉・京都・アメリカに提携クリニックあり、医療法人スワン会グループ)。一般歯科治療のほかにも多くの歯科関連資格を保持。インビザライン特別推薦ドクター。東京臨床協会(SJCD)、アメリカ審美歯科学会会員。シドニー大学臨床講師