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【QLD】読者体験談を紹介 オーストラリアのトラブル対策②

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©freepik

突然起こるトラブルでは予想できないからこそ慌ててしまったり、冷静な判断ができないこともあるだろう。また、海外だからこそ日本にいる時のように自分だけの力では解決の糸口を見つけられないことも多い。本特集では読者が実際に体験し、解決したトラブルを紹介する。

エピソード


5

ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)

携帯電話を壊され、DV裁判に

【20代女性】解決に掛かかった費用:なし

ワーキング・ホリデー3カ月目のころ、深夜に交際していた彼とけんかになり、激怒した彼に携帯電話を川へ投げ捨てられ、あまりの恐怖に裸足で家に逃げ帰ったことが始まりでした。

帰宅後、加入していた海外旅行保険で失くなった携帯機種代を請求しようと思い、ポリス・レポードの取得が必要なため、警察に連絡しました。電話で事情を説明したところ、すぐに警察が来て事情聴取を受け、2人の関係性、将来彼とどうしたいのか、携帯の弁償金をどこに請求するか(保険会社、裁判で加害者に請求、直接示談など)ということについて詳しく聞かれ、アドバイスを受けました。聴取の中で今回の行為はDVに当たると警察に告げられ驚きました。彼は束縛気質なところはありましたが、暴力はもちろん、物に当たることは今までありませんでした。身体的外傷などがDVだと考えていたため、今回のように突発的に起き、しかも物損でもDVになるとは知りませんでした。

私はその出来事が発端で、彼に恐怖を感じ、別れを決意しました。もめたくなかったので彼に連絡をしたくなかったのですが、裁判だと時間が掛かり、保険会社の場合だと全額弁償にならない可能性があるという警察のアドバイスもあり、携帯電話は彼に示談を持ち掛け、全額支払ってもらえることになりました。

後日警察に示談になったことを報告し、これで解決かと思っていたら、警察から私の裁判日程を突如告げられ驚きました。私と彼の間では解決し、おおごとにしたくないから裁判は棄却して欲しいと伝えましたが、裁判の内容は電話の弁償についてではなく、DV被害についての裁判と説明されました。警察はDVを見つけたら被害者が拒否していても自動的に裁判所に報告しければならないそうです。裁判当日は仕事もあり、彼にも会いたくなかったので、出廷したくない旨を伝えましたが、裁判所には両者が会わないような配慮もあり、強制ではないが行くことを勧められ、出廷を決意しました。裁判日は事件発生後の約1週間後。日本でも経験したことのない裁判の段取りがこんなにも短期間で進行し、何を用意すれば良いのか分からないまま不安と混乱を抱えたまま足を運んだことを覚えています。

裁判当日、DVや家庭問題案件の裁判を受ける人だけの場所に案内され、室内には被害者と加害者の部屋が分けて用意されていました。待機している間に検察から聴取を受け、警察と同じような質問を受けました。驚いたのは、警察が事前に裁判所に送付したはずの同事件のポリス・レポートが届いておらず、検察官が裁判の詳細内容を把握していなかったことです。もし私が出廷せず、加害者の彼が事情聴取で根も歯もない証言をしていたらと思うとゾッとしました。一連の聴取の最後にプロテクト・アプリケーション(接見禁止など加害者から被害者を守る保護命令)を付けるか、裁判で翻訳を付けるかなどを確認されました。本来なら、その後翻訳家が来て裁判を傍聴する予定でしたが、その時点で大幅に予定時間が過ぎてしまい、どうしても仕事に向かわねばならず、裁判は傍聴せずに裁判の4日後に判決結果を郵送で受け取りました。そこにはプロテクト・アプリケーションがこの先5年間、私と彼の間に発生している旨が書かれていました。

裁判前に、彼が私にメールで私とはもう二度と連絡を取りたくないという内容を送ってきたので、プロテクト・アプリケーションは私には必要ないと思い、聴取時には希望していませんでしたが、裁判後に彼から花が贈られてきたり、待ち伏せや、直接会いたいと何度か連絡があり、不安な日々を過ごしていたので、結果的にプロテクト・アプリケーションが付いて本当に良かったと思いました。

トラブルの解決方法

警察が間に入り、加害者から連絡があった場合の対応方法や裁判までのフロー、裁判費用が掛かからないことなどを丁寧に説明してくれました。事情聴取時も話を親身に聞いてくれたことが印象的でした。また、事件があった日から2日間と裁判があった日は、職場や家の前に警察がパトロールに来たりしていたので、DV被害に関してかなり手厚いサポートをしていると思いました。

読者へのアドバイス

当時は知らなかったのですが、DVに関する機関があるので、そこに相談すれば良かった思いました。ワーキング・ホリデー3カ月目と、生活の基盤がまだ確立していない状況の中で、意図せず受けたDV被害に精神的ダメージを受けた上、裁判で使用される英語が分からず、本当に大変でした。携帯電話がなくなったことよりも、目まぐるしく展開する状況に精神的に参ってしまいました。事情聴取や裁判で英語が分からず、あいまいな返事や伝えたい内容が間違ってとらえられた場合、被害者が不利になってしまうことも考えられます。英語に自信がない場合は、希望すれば無料で通訳が付けられますが、手配まで時間が掛かることもあるので、日本語で相談できる弁護士に相談することを考えても良いと思います。

エピソード


6

タックス・リターン

虚偽の申告を勧められ、追徴課税に

【20代女性】解決に掛かった費用:約70ドル

「タックス・リターンで戻ってくる金額が多くなると評判の会計士がいる」と友人から紹介を受け、お願いすることにしました。すると「シングル・マザーで子どもが2人いることにしよう」などと子どもがいない私の現実とは全く異なるプロフィルが会計士によって作成され、申請後予想していたよりも多い金額、3,000ドル以上のお金が戻ってきました。

その後日本へ帰国し、数年後オーストラリアに帰国すると驚きの展開が待っていました。その時の虚偽の申告が見つかり、本来払うべき税金だけでなく、不在にしていた数年分の利息が膨れ上がり、税務署からの8,000ドルを超える請求が届いていました。この請求書を見た時は頭が真っ白になりました。

トラブルの解決方法

信頼のおける、誠実な日系の税理士に相談しました。税務署に虚偽の申告をしたことを素直に謝罪し、日本帰国中の不在の間は通知を受け取っていなかったため、その間の利息分はなしにしてくれるように交渉した結果、最終的に支払い金額は2,000ドル程度まで下げることができました。 また、相談時にその年のタックス・リターンもお願いして70ドルくらい支払いましたが、この件についての相談料は別途発生しませんでした。

読者へのアドバイス

虚偽の申告は犯罪でもあるので絶対にやめた方が良いです。いずれはばれて痛い目に遭ってしまいます。
 また、会計士を選ぶ際には税金の返金率だけを大げさにうたっているような言葉は信用せず、あくまでも誠実に仕事をしてくれ、丁寧にアドバイスをしてくれる人を選ぶことが重要だと思います。

エピソード


7

偽ウェブ警告

セキュリティー警告自体が詐欺

【40代女性】解決に掛かった費用:なし

家のパソコンでインターネット経由で日本のテレビ番組を見ようとした時でした。表記されているリンクをクリックしたところ、突然「Windows」のテクニカル・サポートからの警告画面が現れました。アラート音と共に現れた内容はパソコンがハッキングされているので今すぐこの番号に電話するようにという警告で、慌てた私はそれに従い電話を掛けました。すると、パソコンがウィルスに感染している可能性が高く、リモート・アクセスでの作業を要求され了承しました。しかし、オペレータと話をしているうちに、セキュリティー・ソフトの購入を薦められ、この警告自体が詐欺ではないかと気付き、慌てて電話を切りました。

パソコンの中には永住権を申請した時の書類などの個人情報はもちろん、ウェブ・ブラウザ上に保存しているパスワードやクレジット情報などもあり、情報が抜き取られているのではないかと不安になりました。

トラブルの解決方法

まずクレジット・カード機能を止めました。オンラインで警察に被害届を出し、私の個人情報が不正使用されないよう申請しました。

そして、日豪プレスに広告が掲載されていたパソコン関連の会社に問い合わせ、状況を説明したところ、個人情報が悪用される可能性は低く、セキュリティー·ソフトを購入させるためのよくある詐欺手口だと教えてもらいました。念のためコンピュータの初期化を勧められ、自分で行いました。

読者へのアドバイス

最近はいろいろな形の詐欺があります。一般的に知られているものだけでなく、どんどん巧妙化し、複雑な詐欺もあるので、まずはおいしい話や、パニックを誘導するような話は疑うこと、そしてまずは友人や専門家などに相談することをお勧めします。


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