突然起こるトラブルでは予想できないからこそ慌ててしまったり、冷静な判断ができないこともあるだろう。また、海外だからこそ日本にいる時のように自分だけの力では解決の糸口を見つけられないことも多い。本特集では読者が実際に体験し、解決したトラブルを紹介する。
エピソード
8
車上荒らし
夜間に近所一帯が無差別に被害
【20代女性】解決に掛かった費用:海外旅行保険約15万円
早朝サーフィンに行くためにガレージ前に停めていた車に乗り込もうとすると、運転席が半ドアになっており、更にひっかき傷を見つけ、不審に思うと車内が荒れていることに気付きました。確認すると音楽プレーヤー用として使用していたiPhoneや小銭入れとスケートボードなどが消えていました。
警察に連絡し、被害発覚時間、被害状況、紛失物、住所などを伝えると、すぐに警察官を被害現場に向かわせる旨と、私の仕事が終わる時間の夕方以降に指紋採取班を向かわせること、指紋を取るまで車体や犯人が触った可能性のある物には手を触れないこと、そして最後にポリス・レポート・ナンバーと、ポリス・レポートは完成次第メールで送ることを伝えられました。
その後状況を見に来た警察官に事情を説明すると、その日近所一帯の道路にいろいろな物が散乱し、同じような被害に遭った人たちがいたことを教えてくれました。更に前日の犯行推定時間帯は強風の嵐で、目撃者の少ないタイミングを狙った犯人の行動から、無差別な車上荒らしではないかと警察は話していました。その後夕方に時間通りに指紋採取班が訪れ、一通り車外の指紋を採取しましたが、結局犯人の指紋は取れませんでした。また、警察の対応に加え、昼の間にあらかじめ日本で契約していた海外旅行保険会社のオーストラリア専用ダイヤルに連絡し、盗難の補償申請に必要な書類などを確認しておきました。日本語での対応だったので、何が必要かをしっかり把握できて安心したのを覚えています。
その後2カ月が経ち、保険会社から必要書類の1つととして指定されたポリス・レポートが警察から届くのを待っていたのですが、一向に届かなかったため、先にもらっていたポリス・レポート・ナンバーと事件発覚時にいた第三者の署名、被害状況をまとめた申請書類や、盗難品のレシート原本(レシートがない物はクレジット・カードの詳細履歴をコピー)などの必要な書類で保険会社に郵送しました。配送事故で書類が紛失してしまうことを懸念して、念のためレシートの写真とコピーを取っておきました。ちなみに日本の保険会社のためフォーマットが要捺印でしたが、サインで進めることができました。
トラブルの解決方法
その後保険会社に申請した書類はすんなり受理され、書類提出から約1週間半で被害金額が日本の銀行口座に振り込まれました。補償総額は購入時の9割の金額で、車体の傷も請求したのですが、それは対象外でした。友人から聞いたのですがオーストラリアでは盗難のポリス・レポート発行は時間が掛かることが多く、警察もポリス・レポート・ナンバーのみで保険会社は受理するはずだと教えてくれました。また、申請時に事細かに状況を書いたことと、被害時、指紋採取中の様子なども撮影していたことも良かったのかもしれません。
読者へのアドバイス
何か事件に巻き込まれた時は被害写真(証拠)を撮影しておくと良いと思います。ポリス・レポートの発行が遅い時など、保険会社に何か証拠の提出を求められることなどもあると思うので、すぐに提出できるようできるだけ状況写真など証拠を残しておく方が良いでしょう。
また、購入品のレシートは保管しておくのをお勧めします。保険会社に請求する場合は、被害商品のレシートがあると、保険請求がスムーズになります。
エピソード
9
ハンディーマン
日常のハプニングが危うく大被害に
【20代女性】解決に掛かった費用:洗面器代275ドル、ハンディーマン費用150ドル、計425ドル
友人と一緒に不動産会社を通してユニットを借りていました。ある朝、顔を洗っている最中にうっかり手が滑って香水瓶を落としてしまい、運悪く洗面台に落下。香水瓶は割れ、粉々になり、洗面所中が香水の濃厚な匂いになり、更に落下時に瓶の角が陶器に当たってしまったようで、洗面台にひびが入ってしまいました。香水の匂いは掃除と換気でどうにか解決できました。しかし、洗面台のひび割れは放っておくと、水漏れの原因になってしまい、被害が大きくなってしまうので、すぐに修理したいと考え、知人にハンディーマンを紹介してもらいました。
トラブルの解決方法
ハンディーマンに連絡し、状況を話したところ、これなら簡単に直せるとのことでした。早速見積もりを依頼し、不動産会社経由で修理を頼みボンドから引いてもらうよりもはるかに安い金額だったので、そのハンディーマンに修理してもらいました。
読者へのアドバイス
普段から奇麗に家を使っていても何らかのハプニングは起こってしまいます。オーストラリアにはハンディーマン(便利屋さん)という修理などができる何でも屋が存在するので、まずは相談することがお薦めです。特にシェア・ハウスや不動産会社からレントしている人は、不動産会社を通して依頼し莫大な金額が掛かるよりも直接細かな修理を頼み、自分で料金が交渉できるので、悩みごとがよりスムーズに解決できると思います。
エピソード
10
ヘア・ケア
髪がカラーリングしすぎでボロボロに
【40代女性】解決に掛かった費用:カットと数回のトリートメント代400ドル
ヘア・カラーを変えることが好きで、カラーリングを繰り返しているうちに、髪がボロボロの状態になってしまいました。また、サーフィンが趣味の私はオーストラリアの強い紫外線を常に浴びているため、髪へのダメージが大きく、どんなトリートメント剤を使用しても回復しない状態になってしまいました。
もう髪を切るしかないと思い、オーストラリア人のフラットメイトに相談したところ、美容室を紹介してもらえることになりました。当日、フラットメイトが髪の状況を美容師に説明してくれ、カットしたのですが、思い描いた髪型ではなく、まっすぐそろえただけのおかっぱ頭になってしまいました。その後は自分で髪を切ってみるなど試行錯誤を繰り返しましたが髪のダメージは回復しないままでした。
トラブルの解決方法
引っ越し先の近くに日本人美容師がいる美容室があることを知って、すぐに駆け込みました。アドバイスに従い痛んだ髪はばっさり切りました。また、月に一度日本製のトリートメントをしてもらうことで、それまで何をしても変わらなかったボロボロの髪が健康的になりました。
読者へのアドバイス
日本人美容師に日常のケア方法などについてアドバイスを受けることはとても良いことだと思いました。節約のために自分でカラーリングしたり、濡れたままの髪の毛を放っておくことで、結果として高いお金を出してケアしなければならなくなります。日本人の髪の毛を熟知している日本人美容師にこまめにお世話になることをお勧めします!
困った時のテレフォン・ガイド
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内務局無料通訳サービスTIS | 131-450 |
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オーストラリア国税局(Australian-Taxation-Office) | 13-2861 |
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内務局無料通訳サービスTIS
内務局無料通訳サービスTIS(Translating and Interpreting Service)Nationalは、英語での複雑な折衝や手続きに不安を感じる時に便利。主に公的、公共機関との通訳を24時間365日受け付けてくれ、無料通訳サービスを頼むことができる。160の言語に対応。
手順は131-450に電話を掛け、“Japanese Please”と言ってオペレーターに日本語の通訳を頼むと、対応可能な通訳者に電話を取り次いでくれ、話をしたい機関にも電話をつないでくれる。通訳を介して会談ができるというシステムのため、3者がつながるまでに時間を要する場合もあるので、事前に予約をすることもできる。
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