シドニー屈指の高級住宅地として知られ、また個性的なさまざまなブティックが立ち並ぶウラーラの一角にある「Gingko Leaf」。日本の職人の手によって作られた生活用品や食器、キッチン用品、ステーショナリー・グッズなどを販売する同店では、10月17日から2週間にわたり、岐阜県産のプロダクトを展示販売する岐阜クラフト・マーケットを開催する。
合掌造りの家屋が立ち並び、世界遺産にも登録されている白川郷や天下の三名湯の1つにも数えられる下呂温泉など、岐阜県には観光地としての見どころが数多くある。近年は特に海外からの旅行客が大挙して訪れるようになり、同地ならではの職人の手によるさまざまなプロダクトもまた注目を集めるようになった。
岐阜県は今後、オーストラリアを始めとする海外の観光客の誘致活動を強化すると共に、プロダクトも積極的に紹介していくという。そうした流れに伴い、今回オーストラリア市場でのプロモーションの一環として岐阜県は日本のプロダクト愛好家から人気の「Gingko Leaf」と組み、マーケットを開催することを決めた。
「価値ある日本のプロダクトを紹介したい」
「Gingko Leaf」オーナーのイゥ・コン・タム氏が同店をオープンしたのは2013年のことだ。マレーシア出身のイゥ氏は、高校生の頃にアデレードへと移住。南オーストラリア大学へと進学した後NSW大学に15年間勤務、その後7年間のアメリカ生活を経て、13年にシドニーへと戻って来た。「何か新しいことにチャレンジしたいと思っていました。そしてその時に思い付いたのが日本の洗練されたプロダクトを紹介するビジネスだったんです」とイゥ氏は話す。
「日本の職人が作るプロダクトはシンプルでありながら美しく、また、そこに流れる美学に私は魅了されていました。ちょっとした日用品であってもそこには職人さんのこだわりと技術が溢れています。それらの商品をオーストラリアに住んでいる人にもぜひ知ってもらいたいと思い、一念発起して店をオープンしました」
同店で展示販売されている商品はウラーラというエリアの特性とも合致し、「Gingko Leaf」はこだわりの日用品を求める人びとの間で話題となった。日本とオーストラリアをプロダクトを通してつなぐイゥ氏の活動は日本の自治体関係者の耳にも入るようになり、今回、岐阜県からオファーを受ける形となった。
「大変光栄なことで、喜んで受けさせて頂きました。岐阜のクラフトマンシップ溢れるすばらしい品々を楽しんで頂ければ幸いです」
期間中は下記で紹介する商品以外にも、美濃焼の食器や、鎌倉時代から続く伝統ある関の包丁などさまざまな魅力的なプロダクトが一同に会する。普段、シドニーではなかなかお目に掛かれない品々の数々。ぜひ一度訪れてみてはいかがだろう。
なお、初日の10月17日には午後6時からローンチ・パーティーが開催される。パーティーではカナッペに加え、岐阜産の日本酒も提供されるため、興味がある人はぜひ下記よりRSVPを。
Gingko Leaf
住所:22 Queen St., Woollahra NSW
Tel: 0487-809-069
URL: www.ginkgoleaf.com.au
Email: shop@ginkoleaf.com.au
IWA – Likestone Vases by Housen- Gama(Web: www.likestone.jp)
◆岐阜県の東濃地域で1,000年以上の歴史を持つ美濃焼の老舗の1つ「芳泉窯」が、素材である土にこだわった新セラミック・ブランド「LIKESTONE」。発色の異なる粘土の混合などでマットな質感に仕上げられたフラワー・ベースは、石のような風合いがコンテンポラリーなデザインと溶け合う
Suichoco – Masu Drinkwares by Ohashi Ryoki (Web: www.ohashiryoki.com/products/drinkingset/index.html)
◆かつての計量用から祝い事の席などでの日本酒の器として使われる木製の「枡」。大垣市の大橋量器がその伝統的なフォルムと職人技にクリエイティブな意匠をプラスすることで、全く新しい酒器セットが誕生した
1. Kinka Lamp and Nature series by Asano Shoten(Web: www.sebastianconran-gifu.com/asano-shoten)
◆江戸時代から続く日本の伝統工芸品「岐阜ちょうちん」を作る浅野商店によるモダン・スタイルの照明「Kinka lanterns」。桑から作られた本物の和紙に、ろうそくでなくLEDライトを組み合わせることで、伝統技術が現代人の暮らしに溶け込むインテリア照明を提案する
Living Talk – Unkai Mugs and Hiiro tableware(Web: www.living-talk.jp/en/product/unkai、www.living-talk.jp/en/product/hiiro)
◆国内外でさまざまな賞を受賞しているKAICHI DESIGNの山田佳一郎氏がデザインを手掛け、和のもの作り、間のもの語りをコンセプトにした「リビング・トーク・シリーズ」。「雲海」をイメージした美しいマグは見る者を非日常の世界へと誘う